正化の歴史と政治体制
頭が痛い。どちらかと言うと、今は、精神的に。
現代社会の教科書を読んでみた所、この日本は第二次世界大戦の敗戦国としては、扱われていない事がわかった。
そんなんだから、社会情勢も違うし、企業の成り立ちも当然のことながら異なる。
財閥は解体されずにそのまま残っているのが良い例だ。
憲法や法律もかなり違う。
『平成』日本の第9条みたいな戦争放棄、武力放棄等の項目は無い。
諸々の自由や権利はある程度認められるが、戦時下においてはその限りではない。
政治は二院制だが衆議院、参議院ではなく、氏族院、民議員の二つ。
少子化対策法らしきモノも、改正された憲法の中にちゃんと存在していた。
一体全体、どこから俺の知っている歴史と変わったんだ、と思って教科書を読んでみたが……俺には、どこから何がどう違うのか、という細かな点まではわからなかった。
俺に言えることは、『正化』の歴史は、俺の知っている『平成』の歴史とは、戦国時代から変化していることくらいか。
本能寺の変が起こっていないこと。
信長は病死したこと。
信長の死後にお家騒動が勃発したこと。
三つの勢力―信長の次男と三男は、秀吉、及び家康を頼り(あるいは取り込まれた)、信長の長男の勢力と、三つ巴で十数年争ったこと……最終的には三つの氏族が合同で日本を治める、という事で決着し、これが現在の『三氏族』の源流となったみたいだ。
だから首都も第一首都の名古屋、第二首都の東京、第三首都の大阪、という具合。
ただ、今の時点の俺の知識でも、大問題だと断言できる事柄が一つ、ある。
「……これ、細かい所まで全部覚え直さないといけねえのかよ」
しっかり勉強しなおさないとマジで俺、退学させられるかもしれねえ。