閑話10 ローガの大冒険 後編
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また、本日は執筆三ヵ月達成記念ということで、「魔王様にテンセイ!」「ドラゴンリバース 竜・王・転・生」「転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?」の三つの物語を全て更新したいと思います。第三段はこの「転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?」となります。最も24時を回り正確には日付が変わってしまいましたが・・・。まおテン、ドラリバともどもよろしくお願い致します。
2018/10/8 誤字、表記修正しました。ご指摘アドバイス誠にありがとうございました。
『ガルボ、あの少女を救出せよ』
『アイアイサー』
高速移動ですぐにアナルダの横まで移動したガルボ。
アナルダの首根っこを軽く咥えてひょいっと背中に乗せる。
そのまま戦闘エリアを離脱して村まで戻ってくる。
『そのまま村の入口で万一の備えて村を守れ』
すでに一番巨大なダークパイソンに向かって駆け出したローガがガルボに伝える。
『あ、リーダーきたねぇ!自分だけ!』
『はっはっは、たまには戦闘せねば体が鈍るのでな』
ガルボの怨嗟の声を置き去りにして、敵の前に躍り出るため、駆けるローガ。
第一陣のゴブリン達は四天王の風牙、雷牙、氷牙達に殲滅されているが、さらに森からはゴブリンやオークがダークパイソンに追われて出て来ていた。
『まとめて始末するか・・・引き裂け!大気に宿る真空の刃!<真空断頭刃>』
ゾバァァァァァ!!
無数の真空の刃が乱れ飛び、次々に両断されていく魔物たち。
『雑魚に用はないわ』
『リーダー!雑魚の露払いは我々にお任せください!』
風牙が声を掛けてくる。
『うむ、任せる』
そしてローガは20mを超える巨大化したダークパイソンの前に立ちはだかる。
『さあ、我らがボスがお前の首をご所望だ。悪いが仕留めさせてもらおうか』
不敵に笑いながら首を回すローガ。
「キシャ――――!!」
ダークパイソンが鎌首を持ち上げ口を大きく開く。
「<闇息吹>だ!散開!」
部下を散らせるローガ!
そして自分は正面に立つ。
ダークパイソンの口から黒い魔素の塊のようなガスが放たれる!
『<風壁牙>!』
ローガの口から放つ風の盾がダークパイソンの<闇息吹>を打ち散らす!
「キシャ――――!!」
ダークパイソンは必殺のブレスが効果を上げなかったのが気に障ったのか体をくねらせて暴れ出す。
『みっともなく暴れおって・・・』
無秩序に暴れ出すダークパイソンにイラつくローガ。
『<双閃牙>!!』
前足を体の前でクロスさせる様に横振りする。
ズドンッ!
クロスする真空の刃が一撃でダークパイソンの首を落とす。
ドダーン!
その巨体が首を落とされてのたうち回り暴れる。
「首を落とされてもしばらく動くか、何とめんどくさい事よ」
ローガは心底嫌がった。
『あーあ、あっさり一番デカイダークパイソンの首を落っことしたでやんす・・・』
アナルダを背に乗せ、救出して村の入口まで戻って来たガルボは、まさかの村を守る留守番に任命されてしまった。
『トホホ・・・この前の<迷宮氾濫>でもリーダーとおいらは殿で守りについたでやんすからね・・・。もしかして、戦闘で活躍してないの、おいらだけでやんすかねぇ』
アナルダを連れ帰った後、お座りしながらしょんぼりしているガルボを、アナルダが首を擦りながら、ありがとうと呟いてくる。
「助けてくれてありがとう。でも君の仲間は魔物を狩りに出ちゃってるね。もしかして私のために留守番になっちゃったのかな?」
ガルボの首を撫でながらアナルダは語り掛ける。
『いいんでやんすよ、どうせ誰かは村の入口を守らないといけないわけでやんすし。他から突然魔物が出て来ないとも限らないでやんすからね』
ガルボはアナルダに殿の大事さを何故か伝えていた。
『他のダークパイソンも仕留めますよ! この風牙の一撃、受けられるか!<風刃斬撃>』
『この雷牙も仕留めてみせよう!<電雷帯弾>!』
『ならば、この氷牙も結果を見せねばなるまい。<氷の吹雪>』
次々と四天王の3匹に狩られていく魔物達。
『風牙よ、出張ボスを預ける。倒した魔物を回収せよ』
『ははっ!』
だが、ローガは少し考える。
このバハーナの村はボスがいた町に救援依頼を出していたはずだ。
その情報を手に入れたボスが俺たちを先行させて対処させた。
ということは、ダークパイソンの死体を全て持ち帰ってしまうと、ダークパイソンがいたという証拠が無くなってしまい、最悪バハーナの村が虚言の報告をしたと勘ぐられてしまうかもしれない。そう言う意味では小ぶりのダークパイソンを残してもサイズの報告に虚偽は合ったと思われてしまうかもしれない。そうすれば、今後危機的状況を報告しても、その危険度をちゃんと認識してもらえない可能性だってある。
『ふーむ』
『どうされました?リーダー』
『ん、雷牙か。いや実はな、ボスにダークパイソンを狩る様に言われて来たわけだが、この村は別の町にダークパイソンの討伐依頼を出しているからな。ここで俺たちがダークパイソンを持って行ってしまうと、この村が嘘の依頼や報告を出したことになってしまうかと思ってな』
『なるほど、それでは首だけを置いて行ってやればいかがでしょうか?』
『ふむ、それは俺も考えた。胴体は我らがボスに献上してぜひとも蒲焼を食べたいところではあるのだが。ただ、首だけ置いてもその長さは推定できるものだろうか?』
『正確には難しいかもしれませんが、大体は推測できるのでは?』
『うむ・・・』
だが、ローガは今一つスッキリしない感じだった。
『どうしたのです?』
『氷牙か。実はな・・・』
『ははあ・・・なるほど。それでは我々の取り分は減りますが、一番大きい個体を残して行けばいいかと』
『おいおい氷牙、それではボスのダークパイソン討伐指示をどうやって報告するのだ。20m級の一番の獲物が無いのでは・・・』
『雷牙よ、ボスの指示はダークパイソンを討伐して村を救え、という事だったと理解している。その時リーダーが蒲焼のおねだりをしていますが、それが20m級の一番の獲物でなくてもいいわけです。我々は食べられればいいわけですし』
『なるほど、量が減っても仕方ないと割り切るわけだな。村を救ったことでボスの依頼はクリアしているわけだな』
『ええ』
『よしわかった、雷牙、氷牙、風牙が獲物を回収したら、村に一番巨大な20m級のダークパイソンを置いて行こう』
『『了解です』』
『というわけで、この一番巨大なダークパイソンの獲物は置いていくぞ』
村の入口に20mを超えるダークパイソンの首と胴体を引きずって来る。
「狼さん、これはさすがにもらえないよ・・・」
ローナはダークパイソンたちを討伐しているのを見ていたのだが、まさか一番巨大な獲物を村に持ってくるとは思わなかった。
「これはありがたいの!解体してお金にすれば村はだいぶ潤うのぅ!」
魔物が討伐されて安全になったと聞いてやっと皆の前に村長が出て来た。
「村長!これは彼らが命を懸けて狩りを行ってくれた結果であり、そのおかげで村は誰も犠牲者が出なかったんですよ!」
「そうだなぁ、こればっかりはその通りだな。その狼たちがいなかったらこの村は一人残らずダークパイソンに喰われていただろうよ」
「だが、狼達のおかげで助かったわけじゃろ? それにその狼たちのご主人様とやらもおらん。ならば狼たちがくれるというものを遠慮する理由は無いわい!」
村長は強硬にダークパイソンを村で手に入れようとしている。
無理もない。これほど大きなダークパイソンは一体いくらの金額が付くかわからないのだ。
「村長」
「なんじゃ!ランデル」
なかなか村長に賛成する村人が出て来ないため、村長が苛立つ。
「こいつはこの村では金に換えられねーよ」
「な、何じゃと!?」
「これほど希少な魔物だ。買取はデカイ町じゃないと対応できないだろうよ。それにこの巨体だ。解体するにも時間や人員が膨大にかかる。この村の人間たちじゃ解体が間に合わず胴体の肉は腐り始めるだろう。そうすればその肉を狙った魔物が村に押し寄せて来るかもしれない」
「そ、そんな・・・なんとかならんのか!」
「なんともなりませんよ、人も技術もないんですから」
「く・・・」
がっくりと肩を落とす村長。
「そういうわけで、この大きなヘビさんは狼さんが持って行って。ね?」
村人たちのやり取りを聞いていたローガは「わふっ」と返事をして首を縦に振ると出張ボスに亜空間圧縮収納に仕舞ってもらう。
『ならば一旦預かるとしよう。楽しみにまっておれ』
パチンとウインクしてニヤリとするローガを見てローナと二人の娘はびっくりする。
そしてローガはローナと二人の姉妹の頭を前足でポンポンする。
「ふわっ」
「にへー」
「むふー」
そして踵を返すと狼の群れは疾風怒濤の勢いで村から離脱して行く。
「行っちゃったね」
「うん、残念」
「また、会いたい」
「そうだね、いい子にしてたら、また遊びに来てくれるかもね!」
「「うん!」」
その後、村にはダークパイソンの肉で出来た加工肉と長期保存が出来る干し肉が大量に届いた。そして、母娘三人に何故か一生安心して暮らして行けるだけの金貨が届けられたのだった。
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