第66話 メタモルフォーゼをマスターしよう
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・・・今回、まさかの復活の「アレ」活躍する時が来るかなぁ・・・?
「フィレオンティーナって誰?」
俺は率直に口に出して聞いた。
「フィレオンティーナは妻のシスティーナの姉だ。町で一番の占い師でな。妹と同じかなりの美人だ」
「姉が攫われたとは・・・どういう事でしょうか?」
「はっ! フィレオンティーナ様の占いの館が急襲され、建物は半壊、フィレオンティーナ様が攫われたとのことです! 館には悪魔の塔最上階にて儀式を行うため生贄にささげる、とのメモ書きが・・・」
「なんだとっ!?」
「生贄!? そんなことしちゃいけにえ!」
「「「!!!!?」」」
俺様の場を和まそうとした必殺の地球ギャグは殺意を含んだレイザービームのような視線に貫かれることとなった。
「お気になさらず・・・」
俺は小さくなることにした。
「ヤーベ、反省が必要だ」
「スミマセン」
イリーナにも怒られてしまった。
システィーナさんにしてみれば姉が攫われたのだ、とても心配だろう。
反省。
「すぐにでも悪魔の塔へ兵を出そう。必ず君のお姉さんを助け出そう!」
「貴方・・・お願いします!」
「すまないフェンベルク卿、緊急事態だ。この後ゆっくり酒でも飲もうと思っていたのだが、そうも言っていられなくなってしまった」
「ああ、何か大変なことが起こっているようだな。もし何か相談があればいつでも頼ってくれ」
「ありがとう」
ガッチリ握手する2人。
「タルバーンの町で一番いいホテルを予約してある。ゆっくり休んでくれ」
「ありがとう、そうさせてもらうよ」
緊急事態のタルバリ伯爵家を後にしてホテルへ引き上げたのだった。
ホテルはかなり豪華だったが、その中でも一番いい部屋を用意してあるようだ。
・・・もちろんコルーナ辺境伯家の皆さんが宿泊しているが。
そして、俺様はと言えば、今日も1人だ。
・・・寂しくなんてないんだからねっ!
今日もイリーナとサリーナが一緒の部屋で、辺境伯一家が豪華な大きい部屋で。
・・・だから、寂しくなんてないんだからねっ!
タルバーンの町はタルバリ伯爵領最大の町だ。
ここからなら王都の情報もかなり入ってくるはず。
ヒヨコ隊長には10将軍にフル活動してもらって王都を中心に情報を集めに行ってもらっている。今夜報告があるはずだ。
俺は幸いにも一人部屋だ。ヒヨコ隊長達が帰って来る前にやる事がある。
それがスライム流変身術<変身擬態>だ。
以前、ソレナリーニの町で<迷宮氾濫>を制圧した際、かなりの魔物を取り込んだため、俺のぐるぐるエネルギー(魔力)はかなり増大している。
そのため新たなチャレンジを試みた結果、とても素晴らしいテクを見につけることが出来た。それが名付けて<変身擬態>だ。
スライム細胞の形を変化させるのはかなりぐるぐるエネルギーを消耗する。初期の泉で暮らしていた頃、大きくなったり小さくなったりするのもかなりのぐるぐるエネルギーを消耗していたのだが、今はそのエネルギー総量にかなり余裕が出来たため、スライム細胞の変化にいろいろチャレンジすることが出来るようになった。そうして完成した<変身擬態>だが、目的はもちろん「人間の姿」だ。いつまでもローブでスライムの姿を隠しきれるものではないからな。いつ「脱げ!」と言われるかわからんし(どんな状況だ!?)。
だいたい、偉い人との謁見では顔を見せないのは不敬だ!と騒がれるかもしれない。偉い人との謁見なんてない方がいいんだけど・・・。だいたい、王様に呼ばれて謁見なんだから、この国で一番偉い人に会わなきゃいけなくなったわけで。
まあ、そういうわけで、謁見もそうだが、人間の姿になる事は町中で生きて行く上で非常に重要なファクターだ。最初集中してうまくいったのはソレナリーニの町冒険者ギルドのギルドマスター・ゾリアと<迷宮氾濫>制圧後の打ち合わせで握手した時だ。あれは右触手を肩から手先まで自分の右腕としてイメージして作り上げたものだ。
ゾリアは8000の魔物を討伐する際に俺のスライムボディを見ているからな。
スライムボディが何らかのスキルで、本体はこちらの人間の体がメインだと思ってくていればいい。
その後、泉の畔に戻った時にも夜や早朝、イリーナが寝ている際にトレーニングしていた。
右手の次は左手。右手が出来たので左手は比較的簡単だった。
そして両手をコントロールできるようにする。
次は足だ。こちらは両足ないと歩けないので、同時に右足と左足を作り出す。
触手にした部分に、それぞれ足のイメージを送り込み、細胞を変化させる。
デローンMr.Ⅱのボディに足が2本生えた状態になった。
その状態で歩いたり走ったりするトレーニングをしていたら、ローガ達に見つかって叫び声をあげて逃げられた。だいぶトラウマになったらしい。
そして、今日。
俺はついにローブを脱ぎ捨てる。
今の俺の姿はデローンMr.Ⅱ。
そしてぐるぐるエネルギーを圧縮増幅して行く。
そして全身をイメージして行く。
そのイメージは・・・「矢部裕樹」
そしてその体が出来上がっていく・・・。
「ふうっ!」
ローブを脱いだ状態で出来上がった体。
つまりはマッパだ。素っ裸だ。
尤も部屋には誰もいない。問題ない。
この世界、鏡があまり無い。あってもくすんでいてあまり良く見えない。
そんなわけで、出来上がった自分の顔がどのようなイメージが見ることが出来ない。
「だが、これで人としての姿を見せることが出来るか・・・」
ただ、現状の姿を維持すると言うだけでかなりぐるぐるエネルギーを消耗している。
これはトレーニングでずっとこの姿を保つことにより、細胞にイメージを蓄積して行けばこの姿でいることが当たり前になって来るだろう。そこまでいけば維持にそれほど集中もエネルギーもいらなくなるはずだ。
「だから今後毎日この姿を維持するトレーニングをしなくてはな。どうせローブを着ているんだ。その中がデローンMr.Ⅱでも矢部裕樹でもどちらでも困らないだろうし」
俺は楽観的に考える。
そして、ふと気づく。
気づいて視線を股間に持っていく。
「・・・・・・」
何もない。確かリ〇ル大魔王もがっくりしていたのではなかったか?
だが、俺様はイメージを操るスライム。
ついに、蘇る時が来た!ヘソまで反り返った俺様のピーーーーが!
・・・ええ、誇張しましたよ! 俺様のピーーーーなんてヘソまで反り返ってなかったですよ! だいぶ盛りましたけど、良いのです! なぜならイメージなのだから!
「蘇れ!我が愛棒よ!」
ドォォォン!
ついに!ついに!苦節何か月(笑)
俺様にヘソまで反り返ったピーーーーが!
「ふははははっ! つーいーにー蘇ったぞ! 待ちかねたぞ我が愛棒よ!」
両手を腰に当て、ドーンと仁王立ちする。
完璧なるイメージは地球時代の実物をも超える!
「わっはっは!」
俺は勝利を確信し高笑いした。
「ヤーベ、明日町へ買い物に一緒に出よう・・・」
ノックもなく、いきなり部屋の扉が開き、イリーナが喋りながら入って来た。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
仁王立ちした俺。俺の愛棒はヘソまで反り返ったままだ。
そしてイリーナは俺の顔をガン見した後、その視線を下へとずらしていく。
そしてある場所で停止する視線。
「キ、キャーーーーー!!」
イリーナが叫び声をあげて帰って行った。
え~と、どうしよう・・・?
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