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投稿3年半記念 ヤーベ、異世界に召喚される ④



しまった、オレとしたことが。

こういった冒険者ギルドに突入すると、大体新人やFランクのコゾーは絡まれ率100%ってことを忘れていたぜ。


「ひょいっとな」


「わあっ!?」


触手でちょいとビット少年を持ち上げると、シュババババッと高速移動で絡んできた連中をかわしてギルドのカウンターに到着する。


どうやったかって?

デローンMk.Ⅱのボディの足元から風の魔法で空気を出す。

イメージはホバークラフトだな。ほんのちょっと床から浮いている状態を作る。

この後草原をぶっちぎるなら背中からジェット噴射の様に空気を噴出してかっとぶんだけど、そうすると建屋内だと大変なことになるから、こちらも風魔法で前方の空間の空気を抜き、真空状態を作ることにより自分の体を引っ張らせる『ザ・ハ○ド』走法で高速移動を実現しているのだ。褒めてくれていいのだよ?


「さっ、召喚獣登録シクヨロッ!」


触手をピッと振って召喚獣登録を申し込む。

ザコのテンプレはあったが、ギルドのカウンターが混んでなくてよかった。早速登録処理してもらおう。


「待てやゴルァァァァァ!!」

「なに俺たち無視してんだよぉ!」

「ブッ殺すぞ!!」


何か筋肉自慢しか取り柄がなさそうな3人組がこっちに喧嘩売って来るけど、ムシムシ!


「おねーちゃん、ちゃっちゃと登録してよ、ちゃっちゃと」

「ええ、いや、はい・・・」


喧嘩売られているのに無視してるからか、なんか受付のねーちゃんもオタオタして手際がわりーなぁ。だいたいギルド内でチンピラが少年に喧嘩売ってんのに、ギルドの職員が止めねーってどうよ?


「ねー、さっさと登録してくんない?」

「はあ、あの・・・」


マジトロいなー、このおねーちゃん。


「おねーちゃん仕事できなさそうだからチェンジで。ギルマス呼んで来てよ」


「なっ・・・」

「ちょ、ちょっと!?」


俺のチェンジ宣言にムッとするおねーちゃん。

ビット少年が慌ててるけど、仕事できない受付嬢なんて価値ねーっての。


「テメー! マゼンダちゃんになんて口きいてんだ!!」

「ちょっとこっち来い!」

「ヤキ入れてやる!!」


ついに3人がビット少年のすぐ近くまで来てしまった。

受付のねーちゃんがちゃんと仕事しねーから。



「うるっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」



ズオンッ!!


ドササッ!


3人が俺の大声に吹き飛んでしりもちをつく。


スキル『大喝』! ウソ、怒鳴り声に魔力を乗せただけ。ただし、魔力に耐性が無いと魔力の圧力を感じるだろうけどね。

近くまで寄って来た3人は強めに圧力を感じて吹き飛んだってワケ。

俺は吹き飛んだ3人から目を離して正面に向き直る。


「よー、ねーちゃん。仕事できねー受付嬢なんざ価値ねーんだよ。さっさとギルマス呼んで来い」


ちょっと低い声出して威圧する。

もーね、早く登録してビット少年に稼がせて、ウマイモン喰いたいのよ。せっかく知らない異世界来てるんだから。テンプレなんてもういらないのよ。お腹いっぱいだよ。


「アンタ、アタシにナメた口聞いてタダで済むと思ってんじゃ・・・」


「随分と盛り上がってんな~、どしたよ?」


奥の扉が開いていかにも歴戦の戦士でしたって筋肉のワイルドなオヤジが出て来た。


「おたくココのギルマス?」


「ああ、そうだよって・・・そこの金髪小僧が喋ってんじゃなくて、スライムのオメーが喋ってんのかよ!? マジか?」


カウンターまで来た筋肉ダルマチックなワイルドオヤジが俺を見て驚いた。


「ああそーだよ。喋るだろスライムなんだから」


「どこの常識だよ、それ!?」


「それにしてもギルマスが感覚型の脳筋タイプでよかったよ」


「おまっ!? 誰が脳筋だコラァ!」


「いや~、オタクみたいなギルマスはちゃんと実力見せれば納得する事多いからさ~、いるじゃん、インテリ眼鏡の頭でっかちなヒョロ長系とかさ。理屈っぽくて、意味不明な常識おっ立てて自分の理屈が通らないことは何でもNG出す奴がさー」


「それはもしかして私の事か?」


げっ!? 見れば筋肉ダルマの後ろからヒョロ長インテリ眼鏡が!


「おう、ウチのサブマスだが何か?」


「ココ、サブマスもいるのかよ!?」


ヤッベ、俺が文句言った通りのヤローがサブマスかよ!

口は災いの元とはよく言ったもんだよなぁ。


「まあいいや、とりあえずそっちの少年の召喚獣ってことでいーのかよ? んで? 登録すんのか?」


「待ってくださいギルマス! こんな気味の悪い喋るスライムを召喚獣として登録するのですか!? 国に報告して解剖するべきでは?」


「おまっ! マジふざけんなよ!! このビット少年の努力を無にするってのかよ!」


そう言って金髪小僧をカウンターの上に押し上げる。


「ちょちょちょっと!?」


「あー、わかったわかった。どちらにしてもその少年が召喚したんならその召喚獣をどうするかはその少年にある」


そう言うとギルマスは少年を見つめる。


「どうする? 国にその喋るスライムを売れば結構な金になると思うが?」


「おまっ!? なんてコトを!」


「そうだぞ少年! こんな怪しいスライムは売り払って研究に回した方がいいぞ!」


「少年! 一緒に冒険の旅に出よう!」


俺は触手を体の前でくっつけて祈るようにお願いした。


「うん、ボクはこのスライムを召喚獣登録します!」


「よく言った!」


「チッ!」


おいい~、このサブマス舌打ちしたぞ。


「じゃあそのスライムを登録するから少年は冒険者プレートを出してくれ」


「は、はいっ!」


ビット少年が慌てた感じで首から下げていたプレートを外すと、筋肉ダルマなギルマスに手渡した。


「フム・・・Fランクのビットか。ではまず魔獣鑑定を行うぞ・・・ん?」


「どうした?」


ギルマスが謎の水晶玉を向けて来たまま首を捻ったので、とりあえず聞いてみる。


「むう・・・お主の種族やランクが全く映らん・・・こんなことは初めてだ」


「やはり国の研究施設に送った方が・・・」


「研究ダメ! 絶対!!」


俺はサブマスの前で触手でバッテンを作って研究施設送りを反対する。


「俺はステキなスライム、ステッキースライムのヤーベさんだ!」


「ステッキースライム・・・? 聞いたことねーなー、んで? 名前がヤーベ?」


「そう!」


と、俺は元気に返事をしたのだが。


「あ、名前はステファニーでお願いします!」


まさかのビット少年がとち狂った。


「おいっ!? オレのドコにステファニー要素があるんだよ!? 皆無だろカ・イ・ム!!」


「じゃあエリザベスでもいいよ?」


「なんでぇ!?」


「じゃあ召喚獣の名前登録はエ・リ・ザ・ベ・ス・・・と」


「登録すな―――――!!」


誰がエリザベスじゃワレィ! 誰も金髪縦ロールしとらんだろがい!


「オラァ! 登録が住んだようだな!」

「なら決闘だ!」

「ブッ殺してやるぜ!」


見れは俺の大喝で吹っ飛ばされてた3人組が自分の召喚獣を出して俺と金髪小僧を威嚇して来た。

定番の狼にモグラっぽいのに、デカイ鶏?

すごぶるザコ臭が漂っているんだが。


「おい、お前ら召喚獣が死んだら召喚士として生きていけなくなるんだぞ? それでも決闘するってのか?」


ギルマスがチンピラ3人組に本当に決闘するのか確認・・・というよりは止めているようだな。グルマスクラスだと俺がヤベー存在だって何となく感じているのかもな。


「うるせぇ!」

「死ねっ!」

「やっちまえ!」


「おいおいお前ら、せめて地下の訓練場を使って・・・」


ギルマスの言葉を最後まで聞かずに3匹を特攻させて来るチンピラ。



ギュギュギュ。



モチロン触手で3匹の首をソッコーで絞めて気絶させる。


「「「なななっ!?」」」


「で、なんだっけ? コイツら殺したらお前らは召喚士廃業なんだっけ?」


俺の言葉に急に泣いて謝りだす3人のチンピラ。

なんでこういうリスク考えずに喧嘩売るかねぇ?


「あ――――! ヘンな魔物が暴れてるよ!」

「キショ! なにあれスライム?」

「気持ち悪いわねぇ? ワタクシのサラマンダーでケシズミにして差し上げましょうか?」

「む、弱い物イジメか? 許せないな!」


3匹の首を触手で絞めて転がしている俺に喧嘩を売って来た連中。

冒険者ギルドに偉そうな態度で入って来た男1、女3のいかにもってパーティだ。


「やった! 勇者パーティのご帰還だ!」

「これであの気色悪いスライムももう終わりだ!」

「ざま―みさらせ!」


・・・アレ? なんでオレがアウェイ?

そして、いかにも話聞かなそうな勇者パーティ・・・。

もうテンプレはお腹いっぱいだよ・・・おウチ帰りたい。


今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!

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