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第400話 創生の七英雄の伝説の真実を知ってみよう(中編)

記念すべき本編400話達成・・・はまさかの中編(苦笑)

次話でとりあえずまとめたい(汗)



「う・・・うそ・・・」

「そんな・・・」

「創生の七英雄伝がぁぁぁぁ・・・」


カッシーナ、フィレオンティーナ、ロザリーナの3人が膝から崩れ落ちて生まれたての小鹿のごとくプルプルしている。

そんなにショックだったんだねぇ。


えてして昔の言い伝えなんて、どれほど真実が含まれているのやらと懐疑的な気持ちが強い俺はあまりショックでもないけど。


それにしても、シルヴァリーの出目が魔族だったとはねぇ。

ということは、リーナのお母さんであるリルシーナさんはハイダークエルフという種族だと言っていた。だが、その種族の言い伝えではハイダークエルフの始祖としてシルヴァリーの名が残っていたからな。魔界から来たシルヴァリーがハイダークエルフという種族だったのか、魔族という種族を隠すためにハイダークエルフという名をつけたのかはわからんがな。


まあ、どうでもいいか。今はハイダークエルフという種族にしておけばいい。リーナに数千年の歴史の中で薄くなった血がつながっている、それだけのことだ。

リーナはリーナ。ただ、それだけだ。


「さあリーナ。おいしいおいしいブラックリングカーヴのシャトーブリアンが焼けたぞ~」


そう言って俺はリーナのためにじっくり焼いていたブラックリングカーヴの中でもほんの少ししか取れない希少部位であるシャトーブリアンの串をリーナに手渡す。


「やったーでしゅ! ご主人しゃまありがとうでしゅ!」


リーナが嬉しそうに串を受け取る。


「熱いからな、気を付けて食べるんだぞ」


「はーいでしゅ!」


リーナが串に刺さった肉をふーふーしてから食べようとしたその時。


「おっ。うまそうな肉なのだ! わらわにそれをよこすのだ!」



ドンッ!



「あうっ!」


なんとちみっこ魔王のアレーシアがこともあろうにリーナの持っていた肉串を取り上げると、リーナを突き飛ばした。

突き飛ばされたリーナはよろけて尻もちをついてしまった。


「ウマ――――ッ!! この肉チョーうまいのだ! もっとわらわによこすのだ!!」


「ふみっ・・・」


肉串を取られたリーナの目に涙が溜まっていく。

きっとリーナの事だ。単に肉串が取られたことに悲しんでいるのではなく、俺が自分のために大切に焼いてくれた肉を盗られてしまった事を悲しんでいるのだろう。


「・・・・・・」



パリン。

ポトッ。

バタン。



ちみっこ魔王の執事セバスティールが飲んでいたコーヒーカップを取り落として割れた。

イリーナがかぶりついていた肉串を落とす。

バーベキュー中も片手で肉を食べながら護衛のため、もう片方の手でバトルアックスを持っていたチェーダが手を放してしまい、地面にバトルアックスが転がる。



後にこの時のことをルシーナはこう語った。


「あ、世界が終わった・・・」と。




ズオンッ!!




圧倒的魔力が溢れだす。

自動的に赤くスパークする魔力が俺の体から噴出する。


バチバチバチッ!!


「ひいいっ! な、なんじゃ!?」


ちみっこ魔王が俺の方を向いて絶望の表情に変わった。


「キサマ・・・リーナノニクヲウバッタダケデナク・・・リーナニボウリョクヲフルッタナ・・・」


バチバチバチッ!


どんどん高まる魔力。

空気が震える。

周りの連中も震えているが、知らん。


俺は右手を頭上にかかげる。

右拳にどんどん魔力が溜まっていく。物理的に右拳もでかくなっていく。


「ひゃあああああ!?!?!?」



じょじょじょ~~~~~。



ちみっこ魔王はまた粗相したようだが、知らん。


「チリトカシテ、オノガオカシタショギョウヲクイアラタメルガヨイ!!」


「っっ・・・・きゃ―――――!!」


泣きながらバタバタと暴れるちみっこ魔王。


「キエウセヨ!!」


「お、お待ちください!! 何卒! 何卒お慈悲を!!」


瞬間、兆速で俺の前にスライディング土下座を決める執事セバスティール。


「厳しく! 厳しく躾けますのでどうかお慈悲を!!」


地面に額をこすりつける、というよりは、もう地面に顔を埋めているな。だが知らぬ。


「リーナヲキズツケシモノニジヒハナシ!」


俺は大きく右手を振りかぶる。


「待てっ、ヤーベ! 落ち着け!」


俺の腰にチェーダがタックルしてくる。


「許してあげてよ、ヤーベさん!」

「旦那様! 私からも謝罪します! どうか・・・」


腰を抜かしているちみっこ魔王の左右にサリーナとアナスタシアが飛んできた。

ああ、優しいなぁ、二人とも。

ここにきてフッと心が落ち着いた。

さっきの七英雄の真実を聞いて崩れ落ちていた3人も目を点にして俺の方を見ている。

野菜を切っていたルシーナやアンリちゃんもこちらを見て驚いている。

ミーティアだけは我関せずに肉を喰らってるけどな。


あ、ゲルドンとレッドが背中を向けて逃げ出している。アイツら・・・。


「ご主人しゃま! リーナは大丈夫でしゅ! きっとご主人しゃまがまたおいしーお肉を焼いてくれるのでしゅ! だからリーナは大丈夫でしゅ!」


しりもちをついていたリーナが元気に立ち上がって俺に手を振ってくれる。



「リーナァァァァァァァァァァァ!!!!!!」



ズゴォォォォン!!



俺は足元に正拳突きを落とす。



ゴバァァァァン!!



俺の一撃に地面が割れ、大きく陥没し、周りの人間も足元が崩れ転がってしまう。

だが、崩れただけで大きく穴が開いたわけじゃないからな。ケガ人は出ていない。


「ウァッチャだで!!」

「アッチィだべ!!」


地面が崩れた衝撃でバーべキューのコンロがひっくり返って炭をかぶったゲルドンとレッドが熱がっているが、うん、ケガ人はいない。いないことにしよう。


俺はリーナを両手で持ち上げると肩に乗せた。


「リーナはいい子だなぁ」

「ハイなのでしゅ!」


元気に返事をするリーナに笑顔を向ける。


「た、助かったのだ・・・」

「魔王様! どうしてあんな乱暴なマネを!」


安堵しているちみっこ魔王アレーシアの両肩をつかんで執事のセバスティールが揺さぶっている。

今回はリーナが突き飛ばされただけだったが、あの手に魔力が籠っていたらリーナは大ケガか、もっとひどければ死んでいたかもしれない。無条件では許せん。


俺は指先からスライム細胞を細い蛇の様に伸ばす。


シュルン。


「ぬおっ!? 頭に何かがハマったのだ!?」


ちみっこ魔王アレーシアの頭にはまるで孫悟空の頭の輪っかである『緊箍児(きんこじ)』のようなサークレットがハマった。


「なんじゃこれは?」

「ヤーベ様、この輪っかは・・・?」


ちみっこ魔王アレーシアと執事セバスティールが俺に輪っかについて問いかけてくる。

説明してもいいが、その身で感じてもらうのが一番わかりやすいだろう。


「ぬん!」


俺は魔力を込めた指先を輪っかに向けた。


「みぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!!!!」


その瞬間、頭を抑えてちみっこ魔王アレーシアがその場で転がりまくる。


よしよし、効果は万全だな。魔力を止めてやろう。


「痛いのだ~痛いのだ~」


ちみっこ魔王アレーシアが泣きべそをかきながら痛い痛いと抑えている。


「これは・・・」


「その頭についた輪っかは『魔封環(まふうかん)』という。セバスよ、魔王アレーシアがこの人間世界で問題なく生活できるよう一般教養や常識を徹底的に教えよ。魔王のわがままで人を傷つけるようなことがあれば容赦無く『魔封環(まふうかん)』の輪を縮めて締め付けてやるぞ。その場合最終的に魔王アレーシアの頭は熟れたザクロの様に木っ端微塵となるが」


「な、なんですとぉぉぉぉぉ!!!」


「ヒドイのだ~~~~~!!」


「ヒドくない! 人を傷つけたらオシオキだ!! 悪い事をするとその輪っかがどんどん締まるぞ」


ビービーと泣きながら文句を言うちみっこ魔王アレーシアを無視して輪っかの説明をしておく。悪い事をしたら遠慮なく締め付けてやるわ!



「なんだっ!? どうした!?」

「すごい音がしましたわ!」

「ヤーベさん大丈夫?」

「一体何が!?」


おっと、向こうから自称勇者の皇洸太率いる勇者軍団(笑)が来てしまったか。

洸太に麗ちゃん、アスカちゃんにセフィリアちゃんまで。

俺たちに遠慮してだいぶ離れた所でバーベキューしていたからなぁ。


「おおう、ヤーベさんなにしてんの? 地面こんなにしちゃってさ」

「ヤーベ、なに暴れてる?」


お、アビィ・フォン・スゲート伯爵・・・というか、加藤君と無口なメイドさん、それにフカシのナツまでこっちに来たか。

あの二人は俺と同じ異世界人だからな。自称勇者(笑)の洸太たちの面倒を見てもらっていたんだよな。

・・・ゲルドンとレッドは直接の俺の部下だし、なによりオークとオーガだからな。見た目的には二人ともアレだしな・・・。


なんだかみんな集まってしまったな。

仕方ない、もっと肉を出してバーベキューの続きを・・・


俺がそう思ったときだった。




「ドムゴォォォォォォ!!」

「カハァァァァァァァ!!」




まさか想像もしたことがないことが起こった。


赤黒い肌の男と女がなんと土の中から這い出て来たのだ。


・・・そんな事・・・ある?


今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!

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