表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

497/529

第399話 創生の七英雄の伝説の真実を知ってみよう(前編)

本編400話はこの大陸創世記の真実を知る話を前後編でお送りします!


「死んだって・・・どういうこと? 魔王に殺された・・・ってことか?」


首を傾げながら俺はデスベアーに問いかけた。


「うむ・・・わらわはそう聞いたのじゃ」


ところが、帰って来たのは奥歯にものが挟まったような言い方。


「聞いたって・・・どういうこと? お前はその場にいたんだろう?」


俺は隣にいるゲルドンやフィレオンティーナとロザリーナの顔を見てから再びデスベアーに問いかける。


「確かにその場にはいたのだがな・・・。わらわは次元の扉を塞ぐのに集中しておったからの。他の連中がどうしていたのかわからんのじゃ」


「どうしていたのかわからんって・・・、いかに次元の扉を塞ぐ作業をしていたとはいえ、それまでに一緒にここまで来て、次元の扉が開き魔王軍が侵攻してきたのを対応したんだろう? 何で他の連中の状態がわからない?」


「あ・・・うむ・・・その・・・」


「?」


数千年も前の話だという事だし、記憶が曖昧なのか、すっかりボケて忘れたのかとも思ったが、どうもそうではないようだ。何か言い淀んでいる。


「どうした? 何か言いづらい事でもあるのか?」


俺の問いに目をそらすデスベアー。

何かがおかしい。言いたくないことでもあるのか。


・・・よく考えれば、四人の男女や大賢者は比較的サーガにも活躍が歌われており、それは魔王軍との直接対決以外でも、そこに至るまでの過程の物語がある程度あった。

森の精霊王は魔王軍侵攻の始まり時に勇者たちが協力を求めたということだったな。


つまり、「次元を司る者」の情報がほぼ無いのだ。


なぜ、次元を司る者の情報が魔王軍と直接激突した最終戦でしか出てこないのか?


それは・・・


「もしかして、お前魔族だったのか?」


「!?」


俺の指摘にデスベアーが飛び上がって驚く。


「にゃにゃにゃ、にゃにをぉ!?」


ゲルドンや奥さんズの面々も驚いている。


「どどど、どういうことだヤーベ!」

「いったいどういう事ですの!?」


イリーナやフィレオンティーナが俺に詰め寄る。顔が近いな。


「つまり、お前は魔界から魔王軍の進行とともにやって来たということだ。だから魔王軍侵攻以前に「次元を司る者」、つまりお前の情報がこの世界にまったく無いんだな」


「そ、そんなことが・・・」


ロザリーナが絶句している。


「なぜ、魔王軍を裏切った?」


「にゃ、にゃんだとぉ! 魔王軍を裏切ったじゃと!? ゆるせんのじゃ!」


パクパク食べていたちみっこ魔王がいきなりやってきてデスベアーにケンカを売っている。


「うるさいのじゃ! 当時の魔界がどんなものかも知らずに!」


ポカスカちみっことぬいぐるみが殴り合っているのは微笑ましいと言うべきか、ちょっと奇異と言うべきか。


ちみっこ魔王に焼いた巨大トウモロコシを渡してあっちに追いやると、デスベアーを片手で持ち上げる。


「魔界で何かあったのか?」


俺が真面目な目で問いかけたため、デスベアーも表情を変える。


「うむ・・・当時の魔界はそりゃあ地獄じゃったのじゃ。まさに力こそ正義。ありとあらゆるものが弱肉強食の世界で生きておった」


「弱肉強食ね・・・法治国家が無く、倫理観が薄けりゃそうなるだろうけどな」


「お主はその時代を知らぬから、そんな生易しいセリフが出てくるのじゃ」


俺の軽口にデスベアーの表情が険しくなる。


「まさしくその時代の魔界は地獄という名がふさわしいものじゃった・・・。生きる者たちが喰い合い、殺し合う。まさにその日を生き延びるためだけにな・・・。そんな世界にわらわは明日の光を見ることはできなかった」


「・・・」


思っているよりずっとヘビーな世界を生きていたんだな、このデスベ・・・いや、シルヴァリーは。話を聞いている時くらいは名前を呼んでやるか。


「そんな魔界に統率するものが現れた。我々はそれを「魔王」と呼んだ」


「魔王ね・・・」


「何か呼んだかの?」


俺とシルヴァリーの会話にちみっこ魔王が巨大トウモロコシにかじりつきながら声をかけてきた。


「呼んでない、気にせず食べててくれ」


「了解なのじゃ!」


そういって再び巨大なトウモロコシにかじりつくちみっこ魔王。平和でよろしい。


「・・・魔王は自分の言う事を聞かない連中を殺しまくり、自分の言う事聞く連中を集めると異界に攻め入ることを考えた」


「異界というのが、この世界か?」


「そうじゃ、どうやって異界の事をあの狂気の塊が知ったのかは知らぬが、異界に行くための次元の穴を開けられる一族の事をかぎつけたのじゃ。あの魔王はその一族の村を襲って一族を根絶やしにし、秘宝を手に入れたのじゃよ」


「その根絶やしにされた一族ってのが・・・」


「わらわの一族じゃ」


「そうか・・・」


秘宝が何かは知らないが、シルヴァリーの一族は当時の魔王に殺されてしまったという事か。


「そんな魔王が異界に行けば、地獄が広がるだけじゃ。そこでわらわはいち早く異界に送り込まれる先兵隊に紛れて異界に行き、魔王が出てくる前に次元の穴を塞ぎ、魔界に魔王たちを閉じ込めることにしたのじゃ」


なるほど。一族の仇と魔王に挑みたかったのだろうが、相当な実力差があったのか、直接魔王を仕留めるのではなく、魔界に押しとどめることで被害をこれ以上拡大しないようにしたというわけか。


「・・・あれ? ちょっと待て。となるとだな、魔王はこちらの世界へ来ていないってことか?」


「その通りじゃ」


「・・・じゃあ、創生の七英雄が魔王を打ち倒して世界の平和を守ったっていう伝説・・・ウソじゃん」


「「「「「「「ええ~~~~~!?」」」」」」」


おや、奥さんズの面々がすごくがっかりした顔になっているけど、俺のせいじゃないからね!?


今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

下の5つの☆を★にしていただくと、西園寺にエネルギーチャージできますv(^0^)v

フラフラの西園寺に愛の手を~。応援チェックよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ