閑話72 夏の思ひ出ポロポロ、アレもポロポロ(ポロリもあるよ!?)
秋の夜長はまさスラで! まさスラ祭りも延長戦!
夏の思い出に閑話をお届けします。
・・・もう9月も下旬に入りますが。
ちょうどここ数日暑いですからね。気分だけでもってことで・・・。
厚い、いや暑い。
すでに夏のピークは過ぎているはず。
地球時代の感覚からすれば、すでにお盆を過ぎて8月末、9月に入って秋の足音が聞こえて来ようかというところだろうか。
「あちぃ・・・」
屋敷の中にいても、まんじりともせず。
ゴロゴロしても暑いものは暑い。
自室から出て、俺は屋敷の裏にやって来た。
元プレジャー公爵邸は無駄に広大な敷地となっており、この裏庭もやたらと広い。
だが、この元プレジャー公爵邸の敷地の裏にも別の屋敷が立っている。
敷地を分けるその境界に木が植えられている。目隠しだな。
その木を剪定している老人がいる。
「やあトムじいさん、精が出るね」
「これはこれはヤーベ様。ついにこの境界の植木を根こそぎ伐採して隣の敷地とつなげることにしましたかな?」
「いやいやトムじいさん、せっかく今綺麗に剪定している植木を根こそぎ伐採って」
「こちらの使用人一同楽しみにお待ちしておりますぞ?」
「ははは・・・参ったねぇ」
このトムじいさん、とても腕のいい植木職人さんである。
で、トムじいさんの所属はというと、元リカオロスト公爵家の専属植木職人さんなのだ。
つまり、この植木の向こうは元リカオロスト公爵家の屋敷が建つ、これまた広大な敷地なのだ。
でもって、この元リカオロスト公爵家の屋敷と広大な敷地。
なんと俺の物になっているのだ。なんでやねん。
なんでも旧リカオロスト公爵領のリカオローデンを鉱山都市マーロとして復興させた俺は、正式に旧リカオロスト公爵領全域を俺の統治領として受け入れることにした。
多くの領民たちが俺の統治を望んでくれたこともあり、ぶっちゃけ断れなくなったのが正直なところだ。それにワーレンハイド国王の押し付けがしつこかったしな。
そして、仮で王都の元リカオロスト公爵家の屋敷と使用人たちの給与、維持費を俺が出していたのだが、これもまた正式に俺に譲渡されることになった。
いらないよ、こんなバカでかい屋敷、二つも並べてどうするの。
・・・実のところ、世界征服に狂って古代の魔導戦艦を復活させたコルネリオウス・フォン・リカオロスト公爵だが、貴族としての当人自身は非常に優秀であったという。
まさしく貴族の鏡として、一流の物に嗜み、芸術などにも造詣が深かったそうだ。
このトムじいさんを始め、執事やメイド、料理人や屋敷を管理するための職人たちも一流の人材を確保しており、屋敷の調度品も非常に品の良い、且つ高価な物でまとめられていた。
この辺りは成金気質の小悪党と言った感じであったプレジャー公爵とは大きく違う部分だろう。
そんな旧リカオロスト公爵邸は、今の所管理だけを任せており、重要な来客や商談の時だけ貴賓室や応接室を借りに行っている。
今住んでいる旧プレジャー公爵邸は改修をだいぶ進めて、自分たちが住みやすいようにしてしまったからな。来客専用の客間も一室しかない。
屋敷に住むメンバーも結構増えたしな。生活感がだいぶ出ているので、気を遣う来客は旧リカオロスト公爵邸の方へ案内してそちらで打ち合わせなどを行っている。
ま、トムじいさんなんかはこの敷地の境目に植えてある木々を伐採して俺たちみんなが気兼ねなく館を行き来すればいい、なんて言ってくれるけど。
屋敷と屋敷の間も馬車で移動しないといけないくらい遠いからなぁ。
セグ○ェイとか欲しくなるな。
さてさて、トムじいさんには午後から裏庭で奥さんたちと涼むから、使用人たちの立ち入りを遠慮してもらうよう通達を連絡してもらう。
でもって、俺がここで何をするかというとだな・・・。
「おりゃ!」
一瞬で10m×25m深さ2mの穴を掘る。
何と言っても亜空間圧縮収納で土を収納しただけだ。苦労はない。
「ベルヒアねーさん、力貸して~」
「あら、ヤーベちゃん何か楽しい事考えてる?」
「もちろんさ」
土の精霊ベルヒアねーさんの力を借りる。
掘った穴の内側を一瞬にして固めていく。
イメージはコンクリだな。
「ウィンティア、力貸して~」
「ボクの力ならいつでも貸すとも!」
ボーイッシュなショートカットの青い髪を揺らして水の精霊ウィンティアが俺の肩にのっかるように顕現した。
「この穴に水を溜めて欲しいんだ」
「任せといて! ボクの加護の力を受けたきれいな水でいっぱいにするよ~!」
ウィンティアが両手を頭上に掲げると、きれいな水が溢れ出る。
「ヤーベちゃん、これは~?」
ベルヒアねーさんがブラウンのゆるふわヘアーをかき上げながら俺に尋ねて来る。
「今は暑いからね。この水に入って涼もうというわけさ」
「あ~、この冷たい水に入って涼を取るのね~」
ベルヒアねーさんがウンウンと頷く。
「それでは私の力もお貸ししましょう」
そう言って顕現してきたのは風の精霊シルフィアだ。まだ呼んでなかったけど。
シルフィアが右手を振ると、プールサイドに心地よい風が吹いた。
「呼べー! オレも呼べー!」
炎の精霊フレイアが勝手に顕現して俺の背中に張り付く。
ジュ~~~~。
「アッチイ!?」
コイツ、感情が高ぶっているせいか炎を纏っているじゃないか!
ただでさえ残暑厳しい暑さなのに、炎で焼かれたらより暑いわ。
俺じゃなかったら燃えて事案発生してるぞ。
「こんなアッチイ日にフレイアの出番なんてねーよ」
「そ、そんなっ!?」
俺から離れたフレイアは崩れ落ち、さめざめと泣いている。
暑すぎて慰める気にもならん。
「あなた~、水着とやらを着てきましたけど、こんな格好にさせて裏庭に呼んで、一体何をしようと言うのですの?」
ウキウキとした感じでレジャーシートのような敷物とカバンを肩にかけ、裏庭にやって来たカッシーナ。
肩に大きめのバスタオルをかけているものの、カッシーナの清楚なイメージにぴったりの白いビキニは似合いすぎていて怖い程だ。
「あら、すごく広い穴に水を張りましたのね。もしかしてみんなで水に入るための服なのですか? このすごく面積が小さい服」
ビキニのブラ紐を引っ張って面積の小ささをアピールするカッシーナ。
「そうだよ。面積が小さい方が冷たい水を楽しめるだろ?」
あくまで水着の面積が小さいのは涼むためなのだよ。それ以外に理由などないったらない。
大事な事だから二度言っちゃう。
「ヤーベ、水着とやらを着て来たぞ?」
「ヤーベさん、似合いますか?」
「ボクも着て来たよ~」
「旦那様・・・わたくしの水着、サイズあってますでしょうか・・・?」
イリーナはカッシーナとは逆に黒のビキニ。
ルシーナは白いワンピースタイプ。フリル付きだ。
サリーナはグリーンのワンピ。ちょっとハイレグ気味で活発なサリーナにはぴったりだ。
そしてフィレオンティーナは・・・。
「おい、フィレオンティーナ、大丈夫なのか?」
「フィレオンティーナさん・・・零れそうですわ」
イリーナとルシーナがフィレオンティーナの胸を凝視する。
黄色のビキニだが、布面積がカッシーナやイリーナとほぼ変わらないものだ。
したがって、爆乳を誇るフィレオンティーナの胸は必然的に隠れない場所が多いのだ。
「あらあら~、皆さん準備が早いですわね~」
「アナスタシア殿、その格好は大丈夫なのであろうか・・・」
そのフィレオンティーナよりすごい魔乳を引っさげて登場したのがアナスタシア。
ほぼほぼ、先っちょがなんとか隠れているレベルだ。
アナスタシアが選んだそれ、カッシーナたちのビキニより一回り小さくないか?
王都の服飾店に大量の水着を発注した際、デザイナーからデザインのアイデアを根掘り葉掘り聞かれたので、ネタ水着も含めていろいろと協力したのだ。
「ふおおっ! ご主人しゃまー!」
プールサイドを走ってきて俺に抱き着いて来たのはリーナだ。
「こら、お子ちゃまよ。走ると危ないぞ」
「キュキュ――――!!」
「ズゴズゴ――――!!」
リーナの後から頭に神獣たちを乗せた<古代竜>のミーティアがやって来る。
「あら・・・リーナちゃんとミーティアの水着には胸のところに何か書いてありますのね?」
カッシーナが指摘したそれ。
スク水です。
リーナとミーティアには専用でスクール水着を用意した。
それも胸の文字はひらがなで「りーな」と「みーてぃあ」だ。
可愛い字体で書いた俺のこだわりが炸裂した水着だな、うん。
「ヤーベ! 水に浸かって涼めるってホントか?」
「ちょっとチェーダ! 待ちなさい!」
ミノ娘のチェーダとパナメーラがやって来る。
パナメーラはパレオを纏い南国のお姉さんのイメージよく出ている。
それに引き換え、チェーダのヤツ、なんでそのネタ水着を選んだんだ!?
チェーダのビキニは虎柄のマイクロビキニだ。
ラ○ちゃんをイメージしているが、とにかくちっさい。
チェーダの爆乳では役者不足もいいところだ。
なにせ先っちょの頭の部分しか隠れていない。わっかがハミ出てますよ? チェーダさん。
「皆さん楽しそうですね~」
「わ、私水浴びの時に服を着るのは初めてです・・・」
「わ、私も参加して良いのだろうか・・・?」
枢機卿のアンリちゃんに兎人族のライーナに、王都警備隊隊長のクレリアもやって来た。
ライーナは水に入るのに水着というか、服を着ているのが不思議なようだ。
でもちゃんと身に着けておいてね? ハダカだと俺の心が持たないから。
後クレリアの選んだ水着、脇の部分と胸元がアミアミ仕様。素晴らしい。
その後、みんながプールで泳いだり浸かったりしてしっかりと涼むことができた。
いろいろとプチトラブルやポロリもあったが、ここでは割愛しておこう、うん。
俺の心の棚にしまっておく。
奥さんズの面々からはプールがすごく気に入ったのでこのまま残しておいて来年も使いたいとの要望が出たので、そのままにしておくことにした。
そんな話をメイドたちにしておかなかったので、翌日裏庭を通った時にプールに落水するメイドが続出。メイド長のリンダにめっちゃ怒られた。
しかし、ウィンティアの加護を受けた水だったことを説明すると、肌のくすみや汚れがきれいさっぱりと取れるとのことで、自発的にプールに飛び込むメイドが続出。
プールには大きな蓋をすることになった。
プールはまた来年ね!
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