第375話 存在価値のない『G』以下の連中は容赦なく殲滅しよう
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俺は建物の入口に向き直る。
だが、目的の人物が入ってくる前に後ろの扉から少女が飛び出してきた。
「お、女将さん! アタイボコボコにやられて死んじまう寸前だったのに・・・」
「あら、レンちゃん! 目が覚めたのね! 伯爵様の奇跡でお後が助かったのよ!」
見れば四肢をへし折られて血だらけで右目に短刀が刺さっていた女の子が目覚めて部屋から出て来たのか。やはり右目に光が無く、見えていないようだな。
「伯爵様・・・?」
いいかげん、辺境伯ですとか訂正した方がいいだろうか。
だが、この人たちに俺の爵位など関係ないか。あだ名が伯爵様ということにしておくか。
「ア、アンタがアタイを助けてくれたのかい・・・?」
俺の方へ歩み寄ってこようとする少女を手で制する。
その瞬間、ドカンと派手な音を立てて乱暴に玄関が開かれた。
「オラァ! バカども! これで俺たちのいう事を聞く気になったかヨォ! 言う事聞きゃあこのポーショ・・・」
ドゴォ!!
乱暴に入ってきた男三人の内、真ん中にいてベラベラしゃべりだした気色の悪いゴリマッチョな男を超速で接近して右ストレートでぶっ飛ばす。
ゴリマッチョは玄関の木製扉をぶっ壊して表の通りで大の字になって伸びていた。
「な、なにしやがる!」
「オ、オ前、コロス」
短剣を手でお手玉するように宙に放っている男と、さっきのゴリマッチョを超える身長二メートル越えのゴリラだ。多分このゴリラが打撃で短剣男が切り刻んだんだろうな。
「ヒッ・・・」
後ろで少女の息を飲む声が聞こえる。
そりゃそうか、このゴリラに四肢をへし折られ、短剣男に切り刻まれて右目にナイフまで刺されたんだから、相当なトラウマか。
お風呂に入っている女の子たちも抱き合って震えている。
「ああ? なんでこんなところで水浴びしてんだ? バカかテメエら?」
「オ、オ前コロス」
短剣男が呆れた声を出しているが、コイツ自分の力によっぽど自信があるのか? それともただのバカか? 俺が真ん中の男を瞬殺したはずなのに動じないのか?
そしてゴリラはただのバカだな。
「死ネ」
右手を振り上げて拳を打ち下ろしてくる。
チョッピングライト?
バシン!
俺は左手一本でゴリラの打ち下ろしの右ストレートを止める。
「オオッ!?」
「むんっ!」
俺はそのまま右手をゴリラの止めた右腕に下から肘を抱える様に巻き込む。
ベキィ!
「ウゴォッ!」
右腕を肘からへし折られ、痛みに膝を折りそうになるゴリラの膝をさらに踏みつけ、潰す。
グシャリ。
「GYAAAAAAA」
「お前、叫び声が魔獣ばりだな」
ドゴオッ!
右手、右足をつぶされ頭を下げた瞬間を狙って後頭部に肘打ちを落とす。
完全に意識を失って玄関ロビーに突っ伏したゴリラ。
「え・・・? お前なに?」
呆然と俺を見つめる短剣男。
コイツ、ナイフの使い方になれてるだけで、戦闘経験はあまりないのか。
あまりに判断力が稚拙だな。
俺は右手でナイフ男の顎をわしづかみにする。
ゴリッ!
「うぐぉ! ぎ、ぎざば!」
顎を砕かれ、口の中が血まみれになるナイフ男は両手でナイフを握ると、俺に切りかかるが、俺は左手でナイフ男の両手首をつかむとねじり上げる。
「おっ・・・がっ・・・ぐごっ!?」
ねじり上げた両手をさらにねじ切るように強引に回す。
肩から砕けたナイフ男は血と泡を吹いて気絶した。
「つ・・・つええ・・・」
少女が呆然と俺を見つめる。
その時、ぶっ飛ばしたゴリマッチョが口から血を流しながら這いずって来た。
「テ、テメエ俺たちにこんなマネしてタダで済むと思ってんのかぁ・・・?」
つぶれたカエルのような体勢でよくもまあ偉そうな口が利けるもんだな。
「オレたちに逆らったら、ボスが黙っちゃいねーぞ・・・?」
ん? ボスがいるのか。それなら話が早い。
俺はゴリマッチョの首根っこを捕まえて持ち上げる。
俺の顔の前まで引き上げると、ひいっと情けない声を上げた。
「お前らのような『G』以下のゴミクズどもがぁ! こんな非道なマネ良くできんなぁ! もう生かしておく理由もねーな。殲滅あるのみだ!」
「・・・あい?」
全く理解できねーって顔してんな、ゴリマッチョ。
「ボスのトコ案内しろや」
「・・・あい?」
ドゴッ!
「ぶべらっ!」
コイツが壊した玄関扉の横の柱にゴリマッチョの顔を叩きつける。
「女将さん、ちょっとお掃除に出かけてきます」
「ア・・・ハイ・・・」
女将さんも呆然としてたけど、まあいいか。お掃除優先。
ドゴォ!
建物の玄関をけ破る。
「なんだテメェは!」
「ここがどこかわかってんのかテメェ」
「チョーシコイてんじゃねーぞテメェ!」
何か知らんがデメェテメェしか聞き取れん。
全員例外なくボッコボコ。
ゴガァン!
「ぷるっぎゃ――――!!」
俺はボスがいるという部屋の扉にゴリマッチョを投げつけた。
派手な音を立てて扉をぶち破ってくれたのでわざわざ扉を開ける手間が省けるな。
「な、なによアンタ! ちょっと静かにしなさいよ!」
見ればデスクで金でも数えていたのか、金貨を袋に詰めている男がこっちを見て慌てていた。このボスとやら、気色の悪いゴリマッチョ以上に気色の悪いオカマッチョだ。
「アンタどこのモンよ! <黒い蠍>の連中!? それとも<闇の蝙蝠>の連中かしら!?」
オカマッチョがなんか叫んでいる。
なんかコイツら以外に『G』以下の連中がわらわら集まっているということか。
バキッ!
俺はオカマッチョの頭を鷲掴みにすると、デスクに叩きつけた。
「ふぎゃ!」
「先に一応聞いておこう。なんであの娼館の女性たちを襲った? しかも半数近くに致命傷を与えたな?」
「あうっ・・・アタシたちに上納金を治めるのを断ったから、ちょっとオドジをかけただけよぉ、このあたりじゃ当たり前の事なのよぉ」
「オドシで娼館の娘の半数を殺すのか。この辺りじゃ当たり前か」
「そうよぉ、そうなのよぉ。アンタのオキニの娘でもいるなら、連れて行っていいからぁ!」
バキィ!
「ベブッ!」
「この辺りでは当たり前の事・・・ね。じゃあ『この辺り』を更地に変えて、『この辺り』を消してしまうか」
「はあっ? アンタ何言って・・・」
「おい、他のゴミ組織の連中はどこにいる?」
「はあっ? そんなの知らな・・・」
バギッ!ガシィ!ゴキィ!
何度も鷲掴みした頭をデスクに叩きつける。
「い、いわふぇていたらきまふ・・・」
前歯が全部なくなって聞き取りにくくなったが、とりあえず場所を説明してくれるようだ。
一応情報が偽かもしれんしな。
俺はオカマッチョの持ち方を鷲掴みから首根っこをつかむように変えると、そのまま引きずって建物を後にした。
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