特別SSS その1 ベッドの下に隠すものは?
特別SSSです。
本気でしょーもない話です。
時系列もブッチしてます。
それでもよろしければ暇つぶしにお目通しいただければと思いますm(_ _)m
「ふ~~~、後はヤーベさんのお部屋のお掃除ね・・・」
箒と水の入ったバケツ、ぞうきんを持ってシーナはヤーベの部屋に向かっていた。
ヤーベの奴隷であるシーナ。
本名はエルシーナ・トゥエール・グラン・ウラーノス。
天空城ウラーノスを支配していた王族の血を引く女性である。
王都で行われたオークションで売られていたシーナはリセル・ローフィリア神聖国の神官たちに買われる寸前のところをヤーベに助けられた。
その時の落札額が金貨七千万枚というとてつもない金額だったため、現在ヤーベの家で居候扱いになっているシーナだったが、メイドたちから陰で「金貨七千万枚の女」と揶揄されていることもあり、居心地が悪くなったシーナは自ら進んで(?)メイドの仕事をするようになった。
ガチャリ。
ヤーベの私室に入る。
執務室と違い、ヤーベの私室はベッドの他には小さめのデスクと本棚があるくらいだった。
「さー、お掃除お掃除」
シーナ自身はヤーベと同じ地球、日本からの異世界召喚組としての同族意識のようなものがあるが、それ自体を説明していない以上、屋敷の中ではシーナを見る目は死ぬほど金がかかった奴隷でしかない。それも極めて役に立たない。
そんなわけで、多少なりとも仕事してます感を出さないと、と掃除に取り組むシーナであった。
「あらっ?」
ヤーベの私室の掃除にとりかかったシーナだったが、ふとベッドの下に何か本が挟まっているのを見つけた。
「やーだ、ヤーベさんも男の子ね~」
男(の子?)のベッドの下に隠されている本。それは、もちろん、禁断の本であろう!
やだやだもーなどと言いながらもベッドの下から本を抜き取るシーナ。
『実録!異世界人は存在する!』
「ブフォウッ!!」
シーナは思いっきりコケた。
「あ、あの人一体何の本を読んでるの!?」
ものすごく色っぽい想像をしていたシーナはベッドの下に隠されていた本を手に取って文句を言う。
「ダメね、あの人は・・・。だいだい異世界人はいるに決まってるじゃない、私たちがそうなんだし・・・。そうだ!奥さんたちと仲良くなるためにもっといい本を用意してあげよーっと!」
シーナは掃除道具を片付けると、一度ヤーベの私室を出ていった。
「ヤーベ、いるか?」
ヤーベの私室を訪れたのはイリーナだった。
「なんだ・・・いないのか」
ドアを開けて部屋に入ったイリーナはキョロキョロと部屋の中を見回す。
「ん?」
そしてベッドの下に挟まれた本を見つけた。
「ヤーベのヤツ、どんな本を読んでいるんだ?」
『めくるめくSMの世界』
「ブフォウッ!!」
イリーナは思いっきりズッコケた。
「い、一体ヤーベの趣味とは・・・」
イリーナはブルブルと頭を振る。
「ヤーベにはもう少し好みを考えてもらわねば・・・」
そう言うとイリーナは一度部屋を出ていった。
「ヤーベさん、いらっしゃいますか?」
ヤーベの私室を訪れたのはルシーナだった。
「あら・・・いらっしゃらないのですか・・・」
そう言いつつヤーベの私室に入って部屋の中をきょろきょろと見回す。
「これは?」
ベッドの下に挟まれた本を見つけたルシーナはウフフと笑いながら手に取ってみる。
『極選!メイドコスプレ集』
「ブフォウッ!」
その場に突っ伏すルシーナ。
「どうせならヤーベさんの潜在意識改革を・・・」
ルシーナはにやりと笑うと、一度部屋を出ていった。
「旦那様~、いらっしゃいます?」
ヤーベの私室を訪れたのはフィレオンティーナであった。
「あら、いらっしゃらないんですの?」
部屋に入ってきょろきょろ見回すフィレオンティーナ。
その目にベッドの下に挟まっている本が映る。
「あらあら旦那様ったら。一体ベッドの下にどんな本を隠していらっしゃるのかしら?」
なんとなくウキウキしながらフィレオンティーナはベッドの下の本を手に取った。
『愛すべきちっぱいの世界 ~ぺたんこは世界を救う~』
「ブフォウッ!」
フィレオンティーナはその場で崩れ落ちた。
「フフフフフ・・・潜在意識改革が必要ですわ・・・」
フィレオンティーナは引きつった笑いを浮かべると一度部屋を出た。
「ヤーベさーん! ボクと遊びましょ~」
ガチャリと扉を開けて飛び込んできたのはサリーナだった。
「あれ? 居ないんだ~」
そう言って部屋にズカズカ入って辺りを見回すサリーナ。
そして当然のごとく、ベッドの下に隠された本を見つける。
「あっれ~、ヤーベさんこんなところにアヤしい本隠しちゃって~」
手をピラピラと振ってやだもーなんて言いながらサリーナは本を手に取った。
『愛でるべき爆乳娘 ~その柔らかさ至高なり~』
「ゴフゥッ!!」
思わず吐血して倒れそうになるサリーナ。
「ふ・・・ふふふふふ・・・ヤーベさん、ヤーベさんにはボクが新たな世界を提供するよ・・・」
目にアヤしい光を灯してサリーナは一度部屋を出ていった。
「あなた~? いらっしゃいませんの?」
ヤーベの私室に訪れたのは正妻カッシーナである。
誰もいないヤーベの私室に入ったカッシーナは嬉しそうにヤーベのデスクに手を置いた。
ふと、カッシーナの目にベッドの下に挟んであった本が止まる。
「あらあら、何の本を隠してらっしゃるのかしら?」
そう言ってカッシーナは本を手に取った。
『青〇のススメ ~その全てを解き放って自然体で~』
「ガハッ!」
ドクドクと鼻血を流しながら倒れるカッシーナ。
「ま、まさか・・・旦那様が、お外でなんて・・・」
カッシーナは立ち上がるとふらふらと部屋を出ていった。
「・・・ところで君たち、一体どうしたの・・・?」
執務室でデスクに座り書類に目を通しているヤーベに会いに来た奥さんズの面々。
だが・・・。
「ヤーベよ、ヤーベが望むのならば私は心を鬼にしよう!」
そう言ってムチをピシリと打ち、ボンテージ姿に三角眼鏡マスクを装備したイリーナ。
「ヤーベ様? 私もヤーベ様のご希望にこたえる所存ですわ」
やたらときわどいミニスカメイド姿に扮したルシーナ。
「ええ、ええ、たまにはこんな格好もよろしくてよ?」
サラシで自身の爆乳をギッチギチに巻き付けて胸を平らにしているフィレオンティーナ。
「うんうん、ボクもヤーベさんの期待に何とか応える所存さ!」
自分の服の中に何かを詰め込んで胸を膨らませているサリーナ。
「・・・貴方が望むのなら・・・お外で励めるように、敷物と特別な服と・・・」
やたらとスリットの入ったワンピースのような服を着て敷物の入ったハンドバックを下げているカッシーナ。
「何がどうしたんだろう・・・?」
ヤーベはまったく理解できなかった。
そしてその様子をドアの隙間からそっとシーナが覗いていた。
「・・・奥さんになるには、あんなカッコしないといけないの・・・!?」
ちょっと敷居が高すぎるとしり込みするシーナであった。
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