第40話 ピンチは臨機応変に対応しよう
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「で、ホントのトコどーなのよ? どうやって敵を殲滅するつもりなんだ? 跡形も無く・・・さ」
しつこく問いかけてくるギルドマスター・ゾリアをスルーしながら、ソレナリーニの町大通りを61匹の狼牙達と注目を集めながら大行進し、今は北門から町の外に出るための手続きを行っている。
「しかし・・・使役獣のペンダントを回収して行ったからどうしたのかと思えば、とんでもない数の使役獣だね。凄腕の<調教師>なんだね~」
門を守る衛兵の一人が気さくに話しかけてくる。
「まあね、みんな気のいい奴らなんだよ」
「そうだね、こんなにビシッと整列しているんだ、頭もいいんだね。よっぽど質の悪い人間より賢いよ」
そう言って快活に笑う衛兵。
いつも町の門を守っていて、いろんな人たちに対応しているのだろう。文句を言ったり割り込んだりしたり、問題を起こすような人間もいることだろう。そんな連中よりずっと狼牙達が良い奴だと笑ってくれる。
こんな気持ちのいい衛兵がいる町を心の底から守りたくなってくる。
「次にこの町に戻ってきたら、こいつ等を連れて各門にペンダントのお礼を言いに回るよ。時間があればモフモフタイムを設けようか?」
「おおっ!そりゃすごいな。こんな立派な狼牙達を触れるなんて機会ないからね。楽しみにしてるよ」
ニコニコしながら手続きを進める衛兵。
「はい、これで手続完了だ。気を付けて行って来てくれよ」
笑いながら手を振ってくれる。
「おや、ギルドマスターもお出かけですか、どうぞお気をつけて」
「うむ」
どこへ行くのかはもちろん知らないだろうが、俺は冒険者のギルドカードで手続しているからな。冒険者としての依頼を受けて町を出て行くと思っているだろう。
・・・間違いではないのだが。
「さて、急いで迎撃ポイントまで移動しようか」
「お手並み拝見と行くぜ」
俺たちは真っ直ぐ北の迷宮方向へ移動を開始した。
「ピヨピヨピ!(ボス!報告致します!)」
ヒヨコが3羽飛んできた。ローガの頭の上にいるヒヨコ隊長に挨拶もそこそこに俺への報告を行ってくれる・・・優秀だ。
こちらは町を出てから約2時間、ギルドマスター・ゾリアの乗る馬のスピードに合わせてローガに乗った俺は移動している。そのためかなりの距離を移動して来た。ここで迎撃しても町への影響は少ないだろう。
「ピピピピーピヨ!(敵はこの先北よりこちらに向かって来ております!)」
「ピヨピヨピヨ!ピヨ!(敵の進軍は最初の報告通り、ゴブリン、オーク、大型系の魔物となっております! 距離は我々の移動速度で約30分程度です!)」
「ピヨピヨピヨー!(敵集団は100匹単位程度の集団が直線的に移動しており、迷宮から外へ出てから、全く変わっておりません!)」
「了解だ。ローガ、ヒヨコ隊長。このまま後一時間ほど移動して敵との距離を縮めるぞ」
「おう、出来るだけ町から離れて戦った方がありがてぇしな」
ローガに乗った俺を先頭にさらに移動を開始した。
だが、予定の一時間を移動しないうちにヒヨコからの急使が届く。
「ピヨピーーー!(ボス!大変です!)」
さらに3匹のヒヨコが飛んできた。先の連中と違い、かなり慌てており、疲れているようだ。
「どうした?」
俺は移動を止め、落ち着いて報告を聞けるようにする。
ゾリアもヒヨコたちの様子が通常と違うのに気付いたのか、真剣な表情で待つ。
「ピヨヨヨヨー!(敵の一部が移動方向を変え、カソの村に直接向かい出しました!)」
「ピヨピピピー!(その数、ゴブリンの一部とオークの大半で約2000!)」
「ピピピーピヨ!(残りの約8000はそのままこちらへ進軍しております!)」
「なんだと!!」
俺はローガから飛び降り、ヒヨコたちの話を再度確認する。
「どうした、ヤーベ」
俺の反応が鬼気迫るものだったのか、ゾリアが慌てたように聞いてくる。
「魔物の一部・・・ゴブリンとオークが進軍方向を変えてカソの村に直接向かったらしい。その数約2000」
「な、なんだと・・・!」
絶句するゾリア。カソの村は冒険者ギルドの出張所も無く、防御という面でほとんど対応が出来ていない村だ。そこに2000もの魔物が向かったとしたら、どのような惨劇が待つのか、想像だに難くない。
ドスッッッ!
魔導士の杖を地面にものすごい勢いで突き刺す。
ゾリアが目を剥いた。
「ローガよ」
些かドスが聞いた声が出てしまう。若干自分をコントロールできない。
『はっ』
「全狼牙族と、ヒヨコ隊長の全部隊の指揮をお前に預ける。今よりカソの村へ急行し、村へ迫る魔物を一匹残らず殲滅せよ。ヒヨコ隊長はローガの指揮下に入り、敵の陽動とこれ以上分離した魔物が別の場所へ行かないよう牽制を行え。屠った敵の死骸は後で俺が回収に行くのでそれまで待つように。ちょうどいい、この魔物の死骸で<迷宮氾濫>討伐証明とする。他に質問は?」
『・・・恐れながら、ボスはどうなさるおつもりで?』
「俺はここで残りの敵を待ち受ける」
『こちらの方が多うございますが』
「問題ない。元より一万の魔物は俺が一人で引き受けるつもりだった。お前たちの役目はやられ始めた魔物が散り散りに逃げた場合の追撃の予定だったしな」
『なんと・・・』
ローガは敬愛するボスがすごい存在だとは肌で感じていたのだが、その片鱗をまだ見たことが無かった。ただ、今のボスが醸し出すオーラはまさに王者のものだ。
「行け!必ずカソの村を守り切れ! 俺もここが片付いたらそちらへ向かう」
『わかりました。ボスのご命令承りました。こちらが先に片付くかもしれませんので、殲滅完了時にヒヨコより伝令を飛ばします』
「わかった。頼むぞ!」
『御意! 全員聞いたな! 我々は至急カソの村へ向かい、別離した魔物を殲滅する!行くぞ!』
『『『『おおっ!』』』』
勢いよくローガ達は西へ向かいカソの村へ向かった。
残されたのは俺とイリーナとゾリアだけだ。
カソの村に急行するローガ達を呆然と見送るゾリア。
表情を一言で言うなら、「マジで?」だろう。
逆にイリーナは全く表情を変えず、真剣な眼差しで俺を見つめている。
イリーナよ、君はいつからそんなに強くなったっけ?
・・・まあ、良い事か。
さてさて、打ち漏らしをローガ達に面倒見てもらうつもりだったのだが、そうもいかなくなった。しっかりと事前準備の上、ぶちかますとしようか。
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