第339話 闇カジノでの大騒ぎを収めに行こう
秋の夜長はまさスラ祭り! 第四弾をお届けします!
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「あうう~~~」
「どどど、どうしよ~、絶対ヤーベさんに怒られるよね!?」
闇カジノの奥、ポーカー台のひとつに座っていたイリーナとサリーナは涙目になっていた。
あまりにパーティのお誘いが多いスライム伯爵家は奥さんズの面々を振り分け、ヤーベ本人とともに手分けしてパーティに参加していた。
その中で、先日イリーナとサリーナが担当で出向いた子爵のパーティにて、そのパーティに参加していたゴクフィン男爵夫人にカジノなる遊戯場に一緒に行こうと誘われていたのである。貴族でもごく一部のものしか知らない場所だと説明を受けたイリーナとサリーナはヤーベに内緒で出向いて、後で自慢しようとしていたのだ。
最初はスロットやルーレットで一喜一憂していたのだが、カジノディーラーにポーカー台へ案内され、ルール説明を受けると、カードの絵柄や数字を合わせるのが楽しそうだと早速ゲームを行った。最初は順調に勝ちを重ねていたのだが、調子に乗った二人に途中からレートを変えたディーラーが牙を剥く。あれよあれよという間に負けた総額が白金貨五百枚にまで達した。
「うぐぐぐぐ・・・」
握りこぶしをテーブルに叩きつけ、涙目でうなるイリーナ。
「困りましたなぁ。この負債額を払えますので?」
ディーラーの後ろにはこのカジノの支配人らしき男が立っていた。
黙っているイリーナとサリーナにニヤつきながら支配人が口を開く。
「これだけの額、実際にご主人にも相談などできないでしょう? であれば良い稼ぎを得られるアルバイトがあるのですがね・・・」
「「?」」
イリーナとサリーナが首を捻る。
ここにヤーベがいれば、調子よく勝たせておいて途中から勝手にレートを変えていかさまで潰しにかかる闇カジノの常套手段だよ!とツッコミを入れているだろう。そしてニヤつき支配人の顔を見ながら違法売春斡旋とか闇手段の王道過ぎるわ!とさらにツッコミを入れたことだろう。
「おお!シュターデン伯爵様、今日は大もうけでございますぞ!」
その様子を隠れ部屋から見ていた副支配人は、部屋に入ってきたシュターデン伯爵に嬉しそうに声を掛けた。
「ほう? そんなに儲かっているのか?」
この闇カジノを運営するのは、何を隠そうこのシュターデン伯爵であった。
ガルミッシュ・タナカ・フォン・シュターデン伯爵。
バルバロイ王国でも古くからその名が存在する伯爵家である。
この伯爵家は特徴として「タナカ」と言うミドルネームを代々受け継いでいた。
この「タナカ」という名は数百年前に異世界からやってきたという勇者の名乗った名前という言い伝えがあり、シュターデン伯爵家はその勇者タナカの血を受け継いでいる、と放言していた。
そのシュターデン伯爵家は勇者の残した財産として、その技術で生み出された娯楽を秘匿し、長年代々にわたって闇カジノを運営してきたのである。
ここにスロットやルーレット、ポーカーなどのゲームがあるのは、まさしく異世界から来た勇者のチート能力によるものであったのかもしれない。
そのシュターデン伯爵は副支配人の男を見る。
「ええ、なんとあの二人、白金貨五百枚も負けているのですよ!しかも二人ともかなりの美人!いい仕事を取ってくれそうですよ」
いやらしい舌なめずりをしながら副支配人が笑う。
シュターデン伯爵は隠し部屋の小窓からそのポーカー台を見つめた。
「なっ・・・!?」
そしてシュターデン伯爵は絶句する。
そのポーカー台にいる女性二人に見覚えがあったのである。
「な、なぜあの二人がここにいる!誰の紹介だ!」
「ど、どうされたのですか伯爵? 何を慌てておられるのですか?あの二人が誰であろうと白金貨五百枚の借金は消えませんぞ?」
「あの二人は今王都で知らぬ者はいないヤーベ・フォン・スライム伯爵の奥方たちだぞ!」
「ヤーベ・フォン・スライム伯爵って、あ、あの竜殺しの・・・」
「お前の情報は古いな! 竜殺しどころか、<古代竜>を手なずけたり、遠方の戦争ではほとんど自軍の兵を損傷させずに敵軍一万五千を打ち破った英雄だぞ!」
「えええっ!?」
「そんなヤツの奥方に手を出して見ろ!間違いなく本人が乗り込んでくるだろ!」
「いや、当主に相談できないように奥方を追い込めば・・・」
「そんな常套手段が通じるような相手か!まして奴の周りに控える連中はその戦闘力だけで一国の軍隊にも匹敵するといわれる奴らばかりだぞ!ヤツがキレて店で暴れたりすれば、間違いなくこの場所なんぞ消し飛ぶぞ!」
「あわわわわ・・・」
「支配人のフレーゲル男爵をすぐに呼び戻せ!奥方たちには恩を売るようにうまく言いくるめて帰って頂け!」
同じ伯爵の地位にいるとは言え、間違いなく救国の英雄と謳われるスライム伯爵と自分では全面戦争になった場合勝ち目がない。シュターデン伯爵はそう認識していたが、その判断は正鵠を射ていると言えるだろう。
「す、すぐに呼び戻します!」
慌てて副支配人が部屋を出て行こうとする。
だが、その行動は少しばかり遅かったようだ。
ドシャリ!
ポーカー台に小型ながらも非常に重たそうなトランクが置かれる。
「この続きは私が受け持とうか」
その声に弾かれたようにイリーナとサリーナが後ろを向く。
「「ヤーベ(さん)!」」
涙目の二人は、自分たちのすぐ後ろに姿を現したヤーベの名を呼んだ。
イリーナとサリーナの頭をポンポンとしてから、その隣のイスを引き、テーブルに着く。
「さあ、始めようか」
ヤーベは不敵に笑みを浮かべた。
どんな時でもピンチに颯爽と現れるヤーベはやっぱ主人公なんですかね~(さだ〇さし?)
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