第328話 奥さんズのピンチには「代打、俺」で助っ人に入ろう
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殲滅の七柱がそれぞれ首やら手やらを持ち寄って敵を殲滅してきたと報告している。
ポニテ美少女が助けてくれと騒いでいた勇者某たちもウチのフィレオンティーナとロザリーナに助け出されている。金髪ゆるふわ美少女もどうやら寸でのところでフィレオンティーナに救われたようだ。
そして続々と奥さんズの面々や狼牙達、ヒヨコたちが天空城から出てくる。
食堂にいた連中はそれぞれにお土産を持っているな。
リーナとミーティアは背中に大きな箱を括り付けてしょっているが、あれ、中身全部テイクアウトの食料だろうな。シーナやレッド、フカシのナツやターさんまで手にいっぱいの袋を下げてるし。
ゲルドンに至っては、サザ〇さんの波平さんが酔って帰ってくる時に手に持っているひもにつるされた平べったい箱を持っている。あれ、中身何だろうね。長年の謎だよな。なんか巻きずしって聞いた気もするけど。
他の奥さんズの面々も狼牙四天王に護衛されながら集まってくる。
これなら全員の避難も行けそうだ。
「・・・貴方に仲間を助けてってお願いしていたけど、すでに助かってるわね」
脇に抱えたポニテ美少女がホッとした表情でつぶやく。
「とりあえず君の心配は解決したかな?」
脇に抱えたポニテ美少女に微笑みかける。
「・・・さっきからポニテ美少女ポニテ美少女ってちょっと恥ずかしいのだけれど・・・」
「だって君の名前知らないし」
「そう言えば自己紹介がまだだったわね。如月飛鳥よ。貴方になら伝えてもいいかな・・・」
「何を?」
「私たち、異世界から聖女様に召喚されてこの世界に来たの」
「マジで!?」
「ええ・・・私と幼馴染のコータと、友達のレイとね」
「そ、それでっ!どうやって地球に戻るの!?方法はあるの?聞いた!?」
脇に抱えていたポニテ美少女であるアスカを下ろして両肩をつかんで思いっきりゆすった。
「わああっ!?」
あまりに勢いよくゆすったのでアスカのポニテがビュンビュン揺れる。
「ちょっとちょっと!」
「あ、スマン」
ひーひー言いながらアスカは呼吸を整える。
「実は正直わからないって聖女のセフィリナ様は言ってたのよ。さすがに呼んどいでそれは無責任じゃないのって詰め寄ったんだけど」
「あ~、結局まだ詳しくはわからないのか」
「ええ、ラノベにありがちな魔王を倒したら帰れる、なんて言われたらどうしようかと思ったけど」
アスカはポニテをフリフリさせながら溜息を吐く。
「それで、魔王の詳しい情報は聞いたのか?」
「それが、魔王についても要領を得ないのよ。どこにいるのか、どんな奴なのか」
「え~、なんかそれ怪しい話だな・・・」
「聖女セフィリナ自体はいい人っぽいんだけど、彼女の話は要領を得ないことが多すぎて正直わからないことだらけなのよ。なのに急にお子ちゃま国王が「天空に浮かぶ城が欲しいぞ!聖女セフィリナ、探してまいれ!」とか言い出してさ。私たちがセフィリナ様と天空に浮かぶ城を探しに行く羽目になったのよ」
「お子ちゃま国王?」
「トランジール王国の現国王がクランジール・フォン・トランジール十三世国王十二歳なのよ」
「ガキじゃん」
「ガキなのよ。しかもタチの悪い」
「それはそれはご愁傷さまで」
「そんな~、人ごとだと思ってないで、私たちを助けてよ~」
急に甘えた声を出して俺の腕を取るアスカ。
「なんで俺がお前たちを助けないといけないんだよ?」
「だって・・・私は決闘で貴方に負けたから貴方に従わないといけないわけだし・・・」
そう言ってポニテの毛先を指でくるくる回しながら顔を赤らめるアスカ。
「ん? 幼馴染のコータと恋人じゃなかったのか?」
「ええっ!? コータとはただの幼馴染よ・・・。転校してきた帰国子女のレイちゃんに首ったけになってデレデレしてるから活を入れまくってはいるけど、恋人って感じじゃないかな? 手のかかる弟って感じかしら?」
可愛く首を傾げてポニテの毛先をフリフリするアスカ。
会ったことはないがコータとやらよ。貴様超美人である幼馴染の存在をないがしろにして帰国子女に入れあげていると、完全に足をすくわれるぞ?
誰が足をすくうかって?俺・・・って言ったら奥さんズの面々が怖いからやめておくか。
それにしてもこんな美人の幼馴染がいるのにふらふらしているとは・・・。
俺ならば小学校時代から雁字搦めにして絶対離さないけどな、こんな超絶美人の幼馴染み。
「・・・そ、そんなに美人美人って連呼されると、こ、困るっていうか・・・」
見ればアスカは顔を真っ赤にしてポニテで顔を隠している。あれ?
「・・・もしかして声に出てた?」
「・・・うん」
「えっと・・・どの辺から?」
「可愛く首を傾げて・・・から?」
「全部じゃねーか! はっはっは、よし、殺してくれ!」
なぜこんな時に心の声が全部垂れ流されてるんだよ!奥さんズに聞かれたら間違いなくO・SHI・O・KIコースだよ!
「ところで、いつまでこの柱の陰に隠れているのかしら? 様子を見るとは言っても、けっこうたくさん人が集まって来たわよ?」
改めてアスカがこっちを見ながら現状をどうするか聞いてくる。
そうなのだ。俺はさっきからずっと柱に隠れて様子を見ていた。
ここに到着した際、アスカがセフィリナと呼ぶ少女がヒキガエルに脅されて服を脱ぐところだった。思わず飛び出しそうになったのだが、フィレオンティーナとロザリーナが間に合ったので様子を見ることにした。
その後フィレオンティーナとロザリーナが無双したり、殲滅の七柱が首を持ってきたり、狼牙達が集まってきたりと順調に俺の仲間が活躍していたのでとりあえず大人しく様子を見ていたのである。
だが、ヒキガエルが再び騒ぎ出した。
「おい!あれを出せ!」
「あ、アレですか!?」
「そうじゃ!アレじゃ!」
「しかしアレはまだコントロールが・・・」
「やかましい!ワシの命より大事なものはないわ!」
「わ、わかりました!」
何やらアレとやらを出すらしい。なんだろ?
しばらくして飛空戦艦の格納庫が開き、こん棒を持った大男が出てきた。
「フゴ――――! フゴ――――!」
おおヤベエ。何だアレ?
奥さんズもローガたちもてんやわんやだ。
「ちょ、ちょっとちょっと!なんですのあれ?」
「かなり歪な状態だな・・・、しかも臭い」
「青筋立ちまくり・・・アブラギッシュで気持ち悪いです・・・しかも臭い」
「うわ~、絶対ヤバいクスリやってるよね・・・マジでヤバイ、後臭い」
フィレオンティーナとロザリーナ、ルシーナとサリーナが口々に騒ぐ。
見れば青筋を立てまくった海坊主みたいな筋肉ムキムキのオッサンがこん棒持って唸っているのは、夜夢に出そうなほど恐ろしいな、いろんな意味で。
「よし、ローガよ、行け!」
「いや、ちょっとあまりの臭さに近寄れないというか・・・」
イリーナの命令にローガがいやいやをしながら尻尾を垂れさせる。
ローガ達や殲滅の七柱すら二の足を踏むほどのヤバさ(臭さ)。
「フゴ――――!フゴ――――!」
ハゲオーク(仮)がこん棒を振り回して突進しだした。
「キャ――――! 来た来た来たよ!」
「クッサ!こっち来んな!」
「し、死ぬでしゅ!クッサ過ぎて死ぬでしゅ!」
「・・・ヤツの飛ばす汗が触れたら死ねるかも」
「・・・・・」
「グッ・・・こうなったらオレが・・・グボッ!」
シーナ、ミーティア、リーナ、フカシのナツが逃げ出す。
兎人族のライーナが立ったまま気絶したようだ。そしてミノ娘のチェーダが果敢に挑もうと戦斧を構えるが、ゲロった。
「仕方ないな」
そう言うと俺は背中に翼を出現させ、ばさりと羽ばたくと空へ飛び出す。
「わああっ!」
脇に抱えたアスカが空を飛んだので驚いて声を上げた。
そのまま抱えたまま、ハゲオーク(仮)の前に着地する。
「奥さんズに代わって代打、俺!」
一回言ってみたかった。
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