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第320話 勇み足の判断が致命的な状況を生み出したことを大反省しよう

ブックマーク追加、★評価、誤字脱字報告等誠にありがとうございます!

大変励みになります。

今後もコツコツ更新して参りますのでよろしくお願い致します!


「ここが『空中庭園』・・・」

「なんて美しい・・・」


グレースに案内されて『庭園』からさらに上に向かってやってきたのは『空中庭園』だった。

R2モドキのグレースは階段を上るのもキャタピラで問題なく上がっていった。

・・・戦車って万能だよね。


そしてやって来た『空中庭園』の美しさに俺たちは言葉を無くしていた。


大きなお盆が空中にいくつも浮いているような光景。

そのお盆と言うか器から、滝のように美しい水が流れ落ちている。

一言で言うなら“幻想的”という言葉がぴったりであろう。


「あっちの滝は天空城の外側へ流れ落ちているだで」

「滝の水が途中で消えていくだよ」

「まるでエンジェルフォールみたいだねぇ」


ゲルドン、レッド、アビィ君が美しく流れ落ちる滝を見ながら感嘆の声を上げる。

アビィ君ならユーエさんとゆっくり二人で歩きたいところだろうな。

俺も安全が確認出来たら奥さんズの面々とこの空中庭園を散歩したいものだ。地上では絶対見られない光景だよな。


「コノ『空中庭園』ハアラユル見タ目ヲ計算サレタ造リニナッテオリマス」


「確かにすごいね・・・。こんな美しい光景は見たことがないよ」


「以前ノ管理者様ガオ聞キニナッタラキットオ喜ビニナッタデショウ」


以前の管理者・・・?

そうか、この天空城ウラーノスは二千五百年もの間停止していたんだったか。


「以前の管理者って・・・」


「アチラノ一番高イ庭園に管理者登録用ノ噴水パネルガアリマス」


「ああ、そうなんだ・・・って、どこからあの空中に浮く庭園に行けるんだ?」


「アチラノ第二庭園カラ空中庭園ヲ支エル支柱内ノエレベータデ上ガレマス」


「・・・その第二庭園とやらに行くのに道がないようだが?」


「コノ『空中庭園』ハ見タ目ヲ重視シテ作ラレテイマス。ソノタメ、第二庭園ニ上ガル階段ハ透明ナ素材デ作ラレテイマス」


「階段・・・透明なの!?」


「ハイ、ゴ案内致シマス」


俺たちはグレースの後ろについて行った。




「おお・・・透明な階段って、なんかスカ〇ツリーの床とか思い出すな・・・」

「そうなの?ボク上ったことなかったんだよねー」


俺のボヤキにアビィ君が反応した。

アビィ君はスカ〇ツリーに行ったことがなかったんだね。


「ヤーベ?下から覗かないでよ?絶対覗かないでよね!?」


「それは「押すなよ押すなよ」ってやつだで?」


「絶対違いますからね!?」


いや、だから一応アビィ君とユーエさんと一緒に一番後ろから階段上るように配置したじゃないか。どうやって先に上っている俺がお前のスカート覗けるんだよ。それにどうせお前の下着なんて安物カボチャパンツかなんかだろ。奥さんズの面々が購入してるシルク製の高級下着とは違うだろうから、見たって何とも思わないね・・・そういえば、王都の高級下着屋のオーナーがまた俺に相談したいって屋敷に連絡来てたっけ。素材やデザインイメージなんかを提供してお小遣い稼ぎしている・・・なんて奥さんズの面々に知られたら何言われるかわからんな。

後ゲルドンはムッツリが止まらないな。





エレベーターを上がって『空中庭園』の最上部の噴水パネルから管理者登録を行った俺たちは他にも施設を回って管理者登録を行っていった。

主だった施設の管理者登録が終わるころには制御室のプロテクトもすべて解除された。

他のプロテクトは『空中庭園』『図書館』『展望台』で解除できた。

『店舗』はほぼ閉まっていたし、『通信施設』は封鎖され入ることができなかった。


「だが・・・まあいい。『制御室』のプロテクトが解けたのだ。早速『制御室』に向かうことにしよう」


「ソレデハゴ案内致シマス」


俺たちはグレースの後について『制御室』に向かった。






「おー、ここが『制御室』か!」


プロテクトが解除されたためか、大扉の前でシーナが手を扉に添えると、ゴゴゴゴ、と音を立てて制御室の扉が開き、中に入ることができた。

入った部屋の奥には、いかにもと言った大型ディスプレイが設置されている。

そして、その手前の台座にも大型タッチパネルディスプレイのようなモニターがある。


「いやはや、順調順調。シーナよ。早速管理者登録して天空城を支配してしまいなさい」

「アラホラサッサ~!」


俺の言葉に多少年齢を感じないこともない返答をしてタッチパネルに向かうシーナ。

タッチパネルに手を置いて管理者登録を行う。


『管理者登録を行います・・・エルシーナ・トゥエール・グラン・ウラーノス様のデータを確認。管理者権限の移行を開始します・・・ウラーノスの管理モードを自動モードから一度停止させます』


この時、この城が手に入ると勝手に確信した俺はタッチパネルから流れる説明を聞いていなかった。

時を戻せるならこの時の俺を殴りたいと後で後悔することになる。


「よっしゃ。シーナが天空城ウラーノスの管理者になればこの城のコントロールができるから王国に移動させて学者どもに研究させれば俺の仕事も終わりだな。早速奥さんズの面々を呼んで天空城デートとしゃれこもう」


そう言って俺は念話でカッシーナに呼び掛けた。


(カッシーナ。天空城デートに呼びたいんだが、みんなの準備はどうだい)

(あなた!お待ちしておりました!もう準備はできておりますわよ)


早えーな。


(じゃあ呼ぶから、カッシーナの周りにみんな集まって)

(準備できました)

(カッシーナに触れてね。その周りのみんなも転移させるよ)

(わかりました)


それっ!


「わっ!なにココ!?」

「すごいですわね」

「ここが天空城ウラーノスでしょうか・・・」


ルシーナ、サリーナとフィレオンティーナが制御室を見回して興奮している。


「あなた、お疲れ様です」

「ヤーベ無事で何よりだ」

「御屋形様、御変わりないようで安心しました」

「ヤーベさんお久しぶり~」


カッシーナ、イリーナ、ロザリーナ、アナスタシアが笑顔を向けてくる。


「ふおおっ!ご主人様―!!」

「おお、ヤーベ、やっと呼びおったの!」

「キュキュ――――!!」

「ズゴズゴ――――!!」


リーナとミーティアに神獣たち(ジョージとジンベー)が飛びついてくる。


「ヤーベ、オレともデートだからな?」

「ヤーベ様、奥方様とお城デートが一段落しましたら私もぜひ・・・」

「ヤーベ様、私もぜひご一緒させていただければ」

「ヤーベさんあたしも!」


チェーダ、パナメーラ、マカン、エイカのミノ娘四人衆もなぜか現れた。

奥さんズにくっついて来たようだ。


「あ、あのっ! 私も来てしまったのですが、いいのでしょうか・・・?」

「ふふっ・・・。私も来てますよ?」


おずおずとミノ娘の後ろから姿を現したのは兎人族のライーナだった。

あとなぜかアンリ枢機卿。ウチに遊びに来ていたのかな?

まさかのライーナにアンリちゃんまで登場とは、この天空城デートのスケジュールは大忙しだな、うん!


『・・・以上で登録を完了します。天空城ウラーノスを再起動しますので天空石をセットしてください』


「・・・ヤーベ、天空石って?」


「はいはい、騒がない騒がない。天空城観光ツアーでちゃーんと案内するからね」


シーナが何か話しかけてきたのだが、俺は今忙しいのだ。

まるでバスツアーの奥様方を案内する添乗員の気分だな。


「・・・ヤーベ?なんだかヤバイ雰囲気だで・・・」


ゲルドンまでブツブツ言いだしたが、俺は忙しいの!


ビーッ!ビーッ!


「なんだ?なんの警報音だ?」


「だからヤーベ!大変なんだって!」


「なんだよ?管理者登録終わったんだろ? 早く天空城コントロールしてくれよ」


「天空石がないから再起動できないんだけど!?」


「はあっ!?」


『再起動停止中・・・天空城のあらゆるシステムが一時凍結されます・・・システム再起動のため、天空石をセットしてください』


俺はシーナの悲鳴のような絶叫に呼ばれてタッチパネルディスプレイの前に移動する。


「天空石・・・ないんだけど」


どうしよう、という表情で俺を見上げる涙目のシーナ。


「グレース!どういう事だ!?」


「登録ニハ王族デアル証明ノタメノ個人情報ト天空人ノ証明ノタメノ天空石ガ必要デス」


「いや、それもっと早く言ってよねっ!?」


「どうしよう、天空石がないと・・・」


涙目のシーナがオロオロしている。オロオロされてもどうにもならんけど。


「えっ、ちょっと待てよ? システムが再起動できずに、あらゆるシステムが停止するってどういうことだ?」


俺はグレースを掴んでゆすりながら聞く。


「コノ天空城ウラーノスノシステムガ全テ一旦停止シテイル状態デス。アラユルセキュリティシステムが停止シ、起動シナイ状態デス。モシクハ解除デキナイ状態ニナリマス。一部施設ハシーナ様ガスデニ登録ヲ済マセテイルタメ、現状デモ利用可能ナ状態デス」


俺はシステムの説明に呆然とする。


「え・・・?セキュリティシステムが停止って・・・」


「もしかしてあのワイバーンゴーレムとかに襲われずに済むだか?」


ゲルドンが嬉しそうに言うが、逆だ。


「俺たちはすでに王族であるシーナの登録を済ませているから問題ない。だが、これからやってくるかもしれない敵の迎撃が行えない! それはマズイ! どこかの国の魔導戦艦が迎撃されていたけど、他にも来ないとは限らないんだ!」


「あ、それはまずいだべ。たくさん乗り込んでくるかもしれないだべな」

「オラもヤバイ気がしてきただよ」


ゲルドンとレッドが慌てだす。


「・・・ヤーベ、何とかする。このままではマズイ」


フカシのナツが俺に丸投げする。お前も働けよ。

だが、フカシのナツは放っておいて、俺にはもっと大事な事がある。


「マズイ!天空城の管理登録に失敗して完了できないってことは、まだ城の危険も全て排除できていないし、何より外から敵が乗り込んで来る可能性がある!」


俺は一度奥さんズの面々を送り返そうと慌てて周りを確認するが・・・。


「あれ? えらく人数少なくない?」


俺の目の前にいるのはカッシーナ、チェーダ、ライーナだけなんですが・・・。


「ルシーナとサリーナは「天空城探索だー!」って行ってしまいましたよ? ロザリーナとフィレオンティーナはあなたを守るための情報収集のために建物確認に行きました」


「ええっ!?」


「リーナとミーティアがご飯食べたいって食堂目指して走って行ったからパナメーラたちを護衛に付けたぞ。アナスタシアさんも子供たちと手をつないで行ってしまったな」


カッシーナとチェーダがそれぞれ他の連中の行動を教えてくれる。


「イリーナ様もアンリ様とお城の探検に行くと・・・」


ライーナも説明してくれる。なぜかウサミミがへにょっとしている。

別にライーナが悪いわけではないんだが。

てか、家の奥さんたち、団体行動できなさ過ぎですけどー!!



今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

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