第34話 ピンチの状況を伝えよう
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あ~、のんびりだ。
俺は今、泉の畔で鬼の様にのんびりしている。
鬼の様に、とのんびりがマッチしないのは百も承知だが、それほどのんびりしていると言いたいわけだ。
開村祭を無事盛り上げることに成功して、昨日泉の畔に帰って来た。
日が変わった翌日は天気も良く、朝から泉の畔でゴロゴロと休む事にしよう。
ローガにもたれる様に休む。うむ、もふもふだ。ヒヨコ隊長以下ヒヨコたちもそれぞれ休んでいる。精霊4娘たちでさえ、何もせずにぐでーっと休んでいる。
「ああ、平和だなぁ」
もそもそとテントから起きて来た寝ぼけ眼のイリーナ。
ぽてぽてと泉の畔まで歩いて行ったかと思うと、両膝をついてしゃがみ、泉の水で顔を洗い始めた。泉に直接って、貴族の令嬢としてどうなの?と思ったが、すでにテントで何日も生活しているイリーナには今さらって感じもするな。うん。
「ぷはっ・・・おはよう、ヤーベ殿」
タオルで拭き拭きしながら挨拶してくるイリーナ。やっと目が覚めたかな。
「おはよう、イリーナ」
「で、ヤーベ殿。いつになったら我がテントに忍んで来てくれるのだ? 一人で寝るのは些か寂しいのだが?」
「まて、いつの間に俺がイリーナのテントに忍んで行くのが既定路線になっている?」
「いや、こうして好意を持ってヤーベ殿のそばで暮らすとまで覚悟を決めてやって来ているのだ。テントを立てて準備をして待っていると言い換えてもよいぞ。そんなわけで早く忍んで来てくれないと寂しくてたまらないのだが」
「いや、そんなわけでもあるか! だいたい何の準備よ?」
「一人で寂しく眠っている私のテントにそっと忍び込んで、上から覆い被さるようにして、「イリーナ、待たせたね。寂しかったかい?」と囁きながらも、触手で我が手足を蹂躙し、動けないようにして・・・くっ犯せ!」
「いや、のんびりしてるとクッオカモーソーも長めだね!って、やっぱりそんな準備かい!聞くんじゃなかったわ!」
そんなのんびりした麗らかな朝をけ破るような鳴き声が。
「ピピピピピィ!」
ヒヨコ軍団の1羽がのんびりしたムードをぶち破って飛んでくる。
「ピピピィ!ピピピピピィ!(ボス!大変です!)」
この頃、ヒヨコ隊長に通訳してもらわなくても、ピーピーいう鳴き声で言いたいことが分かるようになった。慣れって素晴らしい!
「ピピピピ!ピピピィピ!(迷宮で異変です!鳴動が起こっています!)」
「メイド・・・?」
俺様はメイドをイメージした。
「黒いミニスカートに黒いシャツ、白いエプロンの裾はレースのフリフリ。もちろんニーソも純白の一択だ。おっと忘れちゃいけない、頭にもレースのカチューシャつけて・・・うん、可愛いね、メイド」
俺は自分のイメージするメイドに満足した。
「むう! ヤーベ殿がイメージするメイド服を着込んで、「ご主人様、ご飯にするか?それともお風呂にするか?・・・それとも、私にするのだろうか・・・?」と聞いて、すぐにでも「もちろんイリーナに決まってるだろ!」と押し倒され・・・くっ犯せ!」
「あ、やっぱりこの世界でもそんなメイドパターンあるんすね」
ちょっと感動。どの世界でも似たようなパターンはあるんだな。あ、クッオカはスルーで。
「ピピピピィ!ピピピーピピ!(違いますよ!迷宮の鳴動ですって!)」
「えー、迷宮のメイド? 迷宮にメイドさんいるんだ? 可愛い?」
「迷宮のメイドの方が可愛かったら・・・くっ・・・コッチはさらにスカートを短くするしか・・・くっ犯せ!」
「ピュピュピュピュピュー!(いい加減にしろー!)」
あ、ヒヨコがキレた。スライムボディを容赦なく両方の翼でバシバシ叩く。
「ピピピィ、ピピ(こらこら、やめんか)」
「ピピピピピ!(隊長、でも!)」
『ボス、とりあえず真面目に報告を聞きましょうか? 報告を頼む』
「ピピィ!(はっ!)」
片膝をつき、翼を地面に降ろして報告するヒヨコ。
要約すると・・・
『迷宮で鳴動が確認されました。しかも過去を知る長老の言葉では、かなり高速振動を行っておりその間隔も極めて短いとのこと。迷宮の魔物が溢れ出るのはもはや時間の問題との事です!』
「・・・・・・ええ~~~~~!! それ大変な事じゃん!?」
「ピピピピィ!(だから大変だって言ったでしょ!)」
何かヒヨコが怒ってマス。
んんっ? 今長老って言った?
「ヒヨコ隊長、長老って?」
『はい、長老は我が一族を含む、複数のヒヨコ族を束ねる長なのであります』
「あ、ヒヨコ隊長たちだけじゃなかったんだね」
『そうであります。我が一族だけ、ボスにお仕えするため、里から飛び出したのであります』
「え? それって長老怒ったりしないの?」
『外の世界に羽ばたくのもヒヨコの務めの一つであります。今回ボスに知り合えたことで、長老に一族でボスに従うことを許可貰ったので問題ないであります』
「そうなんだ、ヒヨコの世界も複雑だね。じゃあ、まだ長老が住む里にはヒヨコがいっぱいいるんだ?」
『はい。まだ我が一族の他にも5つの別グループがおり、総勢で千羽を超えております』
「わお、まだまだ多いね」
『ですが、我らほど器用にいろいろこなせるヒヨコはほとんどおりません。やはりボスの恩恵を授からないと強くはなれないようです』
いつの間に恩恵授けた事になってるんだろ? まあいいか。
「で、具体的な鳴動ってどんな感じだ? どれくらいの、モンスターがいつ出てくる?」
『それは全く分かりません。迷宮の鳴動の強さが尋常ではなく、鳴動の間隔もかなり早い事から、そう遠くない時期に強力なモンスターが迷宮から溢れて来ると思われます』
「えええ・・・、それ、劇的にヤバイんですけど・・・」
迷宮から溢れた魔物がどこに向かうのか?それが一番の問題だ。
せっかく仲良くなったカソの村だったり、やっとギルドに登録して身分証が出来たので町に入れるようになったソレナリーニの町が魔物に蹂躙されるなんて事になれば、もちろん許容できない事態だ。
「・・・まずは、カソの村の村長に情報を流した後、ソレナリーニの町のギルドマスターに報告するしかないな」
俺はいつの間にかスライムになっていて、泉の畔で一人のんびり生きて来た。そんな俺にも部下やら友達やら知り合いやらが出来て来たんだ。こいつらを奪われるなんて、絶対に許せることじゃない。のんびりスライム人生楽しめればよかったけど、こいつらを守り通すためにも、この<迷宮氾濫>、町への被害を止めて見せる。例え俺がノーチートの単なるスライム野郎だとしてもな!
「ヤーベ殿・・・」
隣には不安な表情を浮かべたイリーナが。
「大丈夫だ。イリーナは俺が守るよ」
触手の先を手のひらにして、イリーナの手を握る。
「ヤーベ・・・!」
イリーナは跪いて俺のスライムボディをギュッと抱きしめて来た。
(クッオカしないイリーナも可愛いな・・・)
俺は改めてみんなを守ると気合を入れることにした。
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(自分で愛称呼んでます(苦笑))
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