第295話 オークション会場に出発しよう
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「ヤーベよ、オークションでまたウハウハになってしまうのだな!」
いや、イリーナよ、別に大もうけしたからってウハウハするかどうかは別問題ですよ?
・・・しないとは言わんけど。
「オークション、楽しみです!」
ルシーナよ。そんな期待の眼差しで見られても、何か競り落とすかどうか決めてないからね?
「いい錬金素材が出品されるといいなぁ」
だからサリーナよ、そんな期待の眼差しで見られても、何か競り落とすかどうか決めてないからね?
「禁断の魔導書とか興味ありますわ!旦那様」
おい、フィレオンティーナよ、どこにそんな魔導書が出品されていると書いてある?
「うふふ、歴史に埋もれたいわくつきの宝石・・・興味ありますわ!」
そしてカッシーナよ。そんないわくつきの宝石なんかに興味を持つなら、料理とかに興味を持ちなさい。料理道具買ってあげるから。
「わたくし、物語の小説が欲しいかしら。できれば親子ドーンなシチュエーション物で」
・・・アナスタシアよ。人の性癖を否定する気はないが、巻き添えを入れてもいいものなのか・・・? 俺は大歓迎だけども!大歓迎だけども!大事な事だから二度言おう!
「我が武勇に相応しい武具があればよろしく頼みますぞ、御屋形様!」
どうした、ロザリーナよ。そんな期待の眼差しで見られても、お前大体イカツイ竜槍があるだろ?
「クフフ、これは大チャンスじゃ!未知のお菓子を手に入れるチャンスなのじゃ!」
「でしゅ!でしゅ!でしゅ!」
・・・そこのミーティアとリーナよ。両手で口にゲンコツ当てて可愛く企んでも買いませんからね? 未知の甘いお菓子なんて・・・お菓子なんて、か、買わないんだからね!(すでに決意揺らぐ)
「ヤーベ様・・・ぜひともお願いが」
「うわおっ!?」
振り返れば、いつの間にかアンリ枢機卿が。
「西地区の教会で、借金のカタにもっていかれてしまった女神クリスティーナ様の像を取り返したく、入札を何とかお願いできないかと・・・」
「え? 借金のカタに取られて、オークションに売られちゃってるの?女神像」
「そうなんです・・・。女神クリスティーナ様の像は人気が高く、高額になることが予測されます。そのため、我々教会で買い戻すことは難しいかと・・・」
泣きそうな顔でお願いしてくるアンリ枢機卿。
一瞬女神ざまぁと思ってしまった自分を叱りたい。
「ヤーベ様がスラ神様を崇拝していることは重々承知しているのですが・・・」
「お金なら出すから、教会で落札すれば?」
「そうしますと、教会にはお金があるとみられてしまい、都合が悪いのです・・・」
ああ、高額な女神像なんぞ競り落としたら、寄付なんかを受けにくくなるわな。
やっぱ女神なんざろくなもんじゃねぇ。
「できれば、落札頂いて、教会に寄付いただけますと・・・」
アンリちゃんも随分図太くなったもんだ。まあ、アンリちゃんはこれくらいたくましくなった方がいいけどね。
「うん、わかった。相手が国王だろうと競り落としてみせるよ! アンリちゃんのためにね!」
そう言って俺はウインクをバチコンと決める。
「ありがとうございます!」
アンリちゃんがやっと笑顔を見せる。うん、彼女にはやっぱり屈託のない笑顔が一番似合うのだ。
「ところで、奥様方の期待を一身に背負われてますけど・・・」
商業ギルドの副ギルドマスターであるロンメルが口をはさんできた。
そういや、まだいたのね。
奥さんズの登場に完全に空気になってらっしゃいましたね。
「オークションに参加できるのは、参加者本人とその従者三名までですからね? 全員はオークション会場に入ることはできませんよ?」
「「「「「!!!」」」」」
奥さんズの面々が驚愕の表情を浮かべる。
「・・・そう言えばそうでした・・・」
カッシーナが絶望の表情を浮かべる。知ってたんかい。
「僭越ながら私は御屋形様の護衛を務める身。いかなる時も離れるわけにはまいりませぬ」
やたらとオークションを楽しみにしているのか、ロザリーナがいの一番に口を開く。
「護衛という意味ではわたくしほど適任の者はおりませんわ」
そう言ってずずいと胸を張るのはフィレオンティーナ。その圧倒的な存在感にはただただ顔を埋めたくなる・・・いや、頭が下がります。
「錬金素材を見極めるには私の目が必要だよね!」
サリーナが自分をアピールしてくるが、そもそも錬金素材なんぞオークションに出るのか? ドラゴンとか必要な部位はみんなサリーナにあげたでしょ? 他の奥さんズの面々からサリーナだけ甘やかしすぎッ!って怒られたんだから。
「私だってオークションでヤーベとウハウハしたいんだ!」
「私もオークションに参加したいです!」
「うふふ、ヤーベ様と一緒に夜読む甘い小説、欲しいな~」
イリーナにルシーナにアナスタシアが迫ってくる。
いやイリーナよ、オークションに参加してもウハウハしないから。
ウハウハするのはオークションが無事に終わってからだから!
そんなわけで奥さんズ恒例の「俺の供争奪ジャンケン大会」が開かれたのだが・・・。
「ふっふっふ・・・これでヤーベとウハウハだ・・・」
「ウフフ~、ヤーベ様と寝物語~」
「御屋形様を護衛する立場は譲れません」
ジャンケンに勝利したのは、イリーナ、アナスタシア、ロザリーナの三名だ。古参のイリーナと比較的新参なアナスタシア、ロザリーナのトリオ。なんだか危険な匂いがするな。
ちなみにルシーナやサリーナは絶望に打ちひしがれ、カッシーナに至っては涙目で「実家に帰らせていただきます!」と王城に向かってしまった。馬車で向かったから、まあ大丈夫だろう。
フィレオンティーナは仕方ありませんわね、と落ち着いており、リーナとミーティアは甘いお菓子のお土産で納得してくれた。
とりあえず馬車でオークション会場に向かう。
こちらの馬車もゴルディン作の特注馬車ではなく、普通の馬車だ。特注馬車なんかでオークション会場に向かったら目立ってしょうがない。
「とりあえず、無事に終わるといいが・・・」
何となく俺は祈るように馬車の天井を見つめた。
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