第293話 ゲルドンの恋愛事情を考察してみよう
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・・・気が付けばクリスマスですね。
クリスマス特別企画的なネタ、全く思いつきませんでした(泣)
年末まで本編更新頑張ります。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
「それにしても長旅だったな~」
俺は自分の屋敷のリビングの長いソファーにぐったりとして身を沈める。
親善大使としてガーデンバール王国に出向いて約一か月半近く。
戦争になったりして思ったよりも長い時間家を空けることになってしまった。
やっと帰ってきた我が家だ。自分で言うのもなんだが、感激も一入だ。
「ふおおっ!ご主人しゃまお疲れしゃまなのでしゅ~」
「キュキュ――――!」
「ズゴズゴ――――!」
ソファーに沈みこんだ俺にリーナが飛びついてくる。
神獣であるジョージとジンベーも俺の頭に飛びかかってきた。
いや、リーナは一緒にガーデンバール王国まで出かけていたでしょ?
ジョージとジンベーは留守番しろって言ったのについて来ていたでしょ?
ちなみに一緒にガーデンバール王国に出向いていた奥さんズの面々はそれぞれの荷物を片付ける作業があるため、自室にて作業しているはずだ。
リーナと神獣たちはほぼ荷物ないからな。リーナの服はイリーナが管理していたんだったかな?
「「旦那様、お帰りなさいませ」」
執事長のセバスチュラとメイド長のリンダが挨拶にやってきた。
「お疲れさん。留守を任せっきりにして悪かったね。何か変わったことは?」
「いえいえ、旦那様のお屋敷の留守を預かるのが私の役目の一つでございますれば、旦那様がお気になさる必要など微塵もございません。また、現在取り立てて緊急で報告すべき内容はございません。アローベ商会の運営状況報告、それからヴィレッジヤーベ及びカソの村の開拓状況報告を用意しております」
畏まって頭を下げながら報告してくれるセバスチュラ。
「そうか、後で目を通すよ」
「後、ゲルドン殿は王国騎士団との訓練に出向いております。ミーティア様は教会の炊き出しに出向いております」
ゲルドンはいいとして、ミーティアが炊き出し? なんの冗談だ?
「ミーティアが教会で炊き出しって・・・、アイツそんなことできたのか? 大体何でそんな事を思いついたんだろう?」
俺は飛び込んできたリーナを膝の上に座らせると、頭をナデナデした。
「むふー!」
なぜかリーナが鼻息荒く喜んでいる。
「多分、リーナ様に触発されたものと・・・」
「ふおっ?」
リーナが首を傾げるが、俺には何となくわかった。
リーナが昼間ローガとたまに出かけては下町でひと悶着起こしているとの報告は護衛につけているヒヨコたちや狼牙たちから報告があった。
悪人を俵積みにして衛兵に引き渡したり、食料を買い占めて教会で炊き出ししたりと、いろいろ慈善活動?にいそしんでいるようだった。
・・・なぜか怪しいマスクをかぶって。
そう報告を受けていたヤーベだが、まさかリーナが自分の顔が売れてしまうとヤーベに迷惑がかかるかも、などと考えマスクを作ってかぶっているとはそこまで想像しなかった。
きっとヒーローごっこにあこがれてローガと遊んでいる・・・そんな認識だった。
「王都にて謎の覆面狼を連れた覆面少女が活躍している・・・と市井で噂が少しずつ広まっております」
「わお」
「どうやらそれに触発されたのか、『我もあのお子ちゃまに負けてはおれぬ!』と・・・」
「・・・まあ、人に迷惑をかけてなきゃいいか・・・」
慈善事業は人のためになる?よな、きっと、たぶん、メイビー。
「それから・・・」
「ん?」
若干言い出しづらそうにするセバスチュラ。
「こちらが大量に届いております」
封筒の束を差し出すセバスチュラ。見ればお見合いの資料のようだが。
「誰宛だ?」
俺に側室を押し込もうという輩からか。
そう思って訪ねたのだが。
「ゲルドン殿宛てです」
「ブフッ!」
俺はリンダがせっかく入れてくれたお茶を思いっきり吹いた。
それを素早く文句ひとつ言わず掃除するリンダ。マジでスーパーメイドだな。
「ゲ、ゲルドン宛に・・・? なぜだ?」
「どうも、王城内で見せたゲルドン殿の素顔がすさまじく眉目秀麗だと貴婦人の間で噂になっているようです」
「オーマイガッ!」
俺は頭を抱えた。
俺のせいじゃねーかよ!
ゲルドンがオークだってバレるとまずいと慌ててスライム細胞で作ったマスクをかぶらせて謁見を凌いだわけだけど、その時慌てて作ったスライム細胞マスクが、俺のラノベイメージを反映してしまった。
イメージはスーパーチートなイケメン王子様。
そりゃー貴婦人の間で噂になるわな。
カッシーナは俺のスライム細胞で傷を治したおかげでマスクを外すことができるようになったが、オークのゲルドンの顔をスライム細胞で変えるのはいくら何でも無理がある。
大体、オークとお付き合いってどうなんだろう?
いや、ゲルドンに女性との付き合いを禁止するつもりはないが・・・。
オークのメスっているのかしらん?
というか、たとえ居たとしても元々地球人だったゲルドンは俺と同じ転生者だろう。となれば、その美的センスは人間の時のモノのままだろう。
「・・・オークはないわ~」
いや、どこかのマンガみたいにイケオークがいるかもしれないけど、美人オークって聞いたことないし。
ゴブリンはかわいい子がいるかも・・・(転〇ラ情報)。
だが、オーク×ゴブリン・・・。
きっついな~。
なにせゴブリンが転〇ラのようにカワイ子ちゃんばかりとは限らん。
とりあえず森で狩ったゴブリンたちはもっと邪悪な小鬼って感じで話も通じなかったし。
そうなるとオーガか?
いやいや、よく考えればゴブリンもオークもオーガもソレナリーニの町をスタンピードから防衛した際に散々吸収したけど人間に近い感じのヤツなんていなかったし。全匹ヤバイ連中だったわ。間違いない。
魔物が無理なら、人間の女の子に声をかけてみるか・・・。
確かに、まずは魔物よりオークOKの女子を探す方が先か?てか、そんな感覚の女性いるのか?
俺だけハーレムチックなのに、同じ転生者でゲルドンは女子不可となれば俺だったら心が折れる自信がある。
できればゲルドンにも幸せになってもらいたい。
あ、ミノ娘たちがいるか! 結構ガタイが大きい娘たちが多いから、ゲルドンのようないかついオークでも好きになってくれる子がいるかも・・・。
いや、ゲルドンのオーク顔・・・というかオークそのものなんだが・・・。
あれを好きになるって・・・。
すげー無理ゲーな気がしてきた。
今の俺なら砂漠の砂から砂金を探す方が楽だ。
吸い込んで鑑定すりゃいいからな!はっはっは。
「どうしましょう、この申し込みは?」
セバスチュラの問いかけに急速に現実へと引き戻される。
「ああ、返答しないとまずいかな?」
「貴族としては返答しないとまずいかと。たとえ断るにしてもです」
「そうか、それではゲルドンは武の世界に邁進するため、今は家庭を持つことを考えていないという事を遠回しに書いて返信してくれ」
「畏まりました」
恭しく礼をするセバスチュラ。
その時部屋をノックする音が聞こえた。
「入っていいぞ」
「失礼いたします」
別のメイドが部屋に入ってきて頭を下げる。
「旦那様。王城より使いが来ております。ガーデンバール王国での顛末を報告してほしいとのことで、外に馬車がお待ちです」
すぐ来いってか!
まあ、あれほどのことがあったからな。そりゃさっさと報告しに来いって言うわな。
俺は疲れてたから屋敷に直行で帰ってきたし。
「わかった。すぐに向かう。準備を頼む」
俺はそう言うと支度を依頼し、一人で王城へ向かうべく準備を始めた。
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他にも投稿しています。(しばらく更新止まってますが・・・)
ドラゴンリバース 竜・王・転・生
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魔王様にテンセイ!
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