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第292話 引きこもりの解消をしよう

ブックマーク追加、高い評価、感想、誤字脱字報告等、誠にありがとうございます。

とてもありがたいです。寒い日が続きますが、温かい応援が身に沁みます。

大変励みになります。嬉しい限りです。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。


「地球時代の自己紹介がまだだったね。ボクは加藤公也(かとうきみや)。正直トラックにひかれたとか、ラノベ王道のパターンじゃないはずなんだ。あまり地球での最後の記憶がなくてね」


「そうなんだ。俺は矢部裕樹。俺もいつの間にかこの世界に来ていたからな。地球で自分がどうなったかわかんないんだ」


俺は深くため息を吐く。


「ボクはてっきり女神様が何かミスってお詫びに異世界でチートくれて生き返らせてくれたんだとばかり思ってたんだけどね」


「でも、女神とやらに会ったんだよな?」


「うん、でも会った時にボクが地球でどうなったかは説明してくれなかったんだよね。異世界へようこそ~、みたいな感じでさ」


「その軽さ、カチンとくるねぇ」


俺はアビィの説明に女神の軽薄さを感じる。

うん、加藤君というよりはもう異世界で生活している身だからな。

こちらの世界の名前で呼ぶことにしよう。


そういえば今は応接室に俺とアビィの二人だけだ。

なぜかさっきの超絶美女メイドが奥さんズの面々に「似合うメイド服を用意します」と言って別の部屋に案内していった。なぜかノリノリで奥さんズもついていった。なんでやねん。


「で、どんなチートもらったんだ?」


「それは秘密だよ~、まだ言えないね」


俺の質問にニヤつきながら答えるアビィ。うぜぇ。

しかし、チートは切り札と言えば切り札だし。

いかに同郷の人間とは言え、今日初めてやってきた俺にその切り札を明かせと言われても無理な話だな。俺だって自分がスライムだという話はすぐにはするつもりもないしな。

・・・そう言えばオークのゲルドンにはすぐスライムだって言ってしまったな。何と言ってもゲルドンがオークだったからな。慰める意味もあったし、仲間意識をお互い持てればいいと思ってのことだったが。


「それで、他に地球から来た人はいるのかい?」


アビィが金髪の前髪をさらりと書き上げて俺に問いかける。

若干絵になってしまうと思った自分を殴りたい。


「うーん、そう言えばバルバロイ王国の城塞都市フェルベーンに古田泰三さんって人がいたな。料理人らしくて店を出してたよ」


「うまいのかい?」


「めっちゃうまいぜ! 味噌も醤油も米もスキルで出せるみたいでな。うまいメシ屋だったよ」


「お~、行ってみたいね」


「アビィはあまり食に関心がなさそうに見えたけど?」


「まあね~、お腹に入れば何でも一緒かな~って」


「そりゃ寂しいね。うまいっていう感動が体駆け巡るとテンション上がるよ?」


「それって、かつ丼の蓋を開けるとピカーッって光ってうまいぞー!とか?」


「誰がミスター味っ〇か!」


「この海原〇山にこんなものを食わすかッッッ!とか?」


「いや、もうゆーてもうてますがな」


アビィ君と漫才のような掛け合いしてるけど、メッチャ気持ちいい!

なんせ、異世界でこんな会話通じないからね~。

麗しき地球時代の記憶!


「でも、いつか地球から来た転生者たちで集まってワイワイ出来たらいいよね」


「お!いいね! 地球時代の思い出話で盛り上がりたい!」


アビィ君のまさかの提案に俺も興奮する。


「あ、でもアイツみたいなヤツが出なきゃいいけど・・・」


「ん? どうかした?」


「いやね、たぶん鈴木ってやつが転生してきたんだけど、途轍もないクズだったんだ。自分の快楽のために女性を襲って喜んで人殺しをする暗殺者だったんだ・・・。尤も最終的にバルバロイ王国の諜報部が連れて行ったんだけどね・・・」


「それって・・・」


クイッ


俺は自分の首を掻っ切るマネをする。


「うわあ・・・マジ怖いね」


「いや、怖いっていうか、異世界で死んだらどうなるんだろうね?」


俺は疑問を口にする。


「地球に帰れたりしないかな~」


「いや、それは絶対ないよ」


俺の甘い考えをアビィ君が否定する。


「え、絶対ないの? 何で知ってるの?」


「だって女神がそう説明したから」


ぬお―――! 女神め!俺には何も説明しなかったくせに!


「死んだらどうなるって?」


「なんでも魂が浄化されて違う世界に飛ばされるらしいよ?」


「こわっ!?」


超ヤバイじゃねーか。


そこへ、ノックがされたかと思うと、ビスクドールを思わせる金髪美女メイドさんが入ってきた。しつこいようだが、俺はビスクドールを見たことないけどね。


「うおっ!?」


その金髪美女の後ろからメイド服に身を包んだ奥さんズの面々が。

メイド服でもあるけど、ゴスロリっぽく見える気もするな。


「どうだ、ヤーベ、似合っているだろうか?」


イリーナがはにかみながら俺に問いかけてくる。くっ、犯罪レベルで可愛いぞ!


「でも、これならヤーベ様の後ろに大勢控えていても、上級貴族が大勢のメイドを連れているように見えるかもしれませんわ。ヤーベ様の英雄としての存在を隠せるかも」


カッシーナが膝上までのフワフワスカートをひらひらさせながらそんな考察を宣う。


「存在を隠す・・・?」


「ええ、ヤーベ様はもちろんオークションに参加されますわよね?」


カッシーナが、当たり前のように俺に確認する。


「オークション・・・」


そういえば、商業ギルドの副ギルドマスターであるロンメルもオークションの話をしていたな。俺が自分のアローベ商会を通じて商業ギルドに卸したギガンテスやサンダードラゴンの素材を卸しているがそのうちいくつかを商業ギルドがオークションにかけるとのことだった。

そのオークションの売買金額の2割を商業ギルドで持っていくらしい。

まあ、その辺りは商業ギルドにお任せだな。


「オ、オークション・・・?」


俺とカッシーナの会話にアビィ君が食いついてきた。


「ああ、バルバロイ王国で年に1回大規模なオークションが開催されるらしいんだ」


「お、俺も行くっっっ!」


いきなりテンションをあげるアビィ君。


「ど、どうした?」


「だって、オークションだよ!? ラノベの一大イベント間違いなしじゃないか! きっと美人奴隷もオークションにかけられるよ! ユーエ!ボクの全財産を持っていく準備を!」


てか、そのビスクドールのごとき金髪美女メイドさん、ユーエって名前かよ!

まさかお前のチートってそのメイドさんそのものじゃねーだろうな?


「じゃあ、オークションに参加するため、バルバロイ王国まで来る気なのか?」


俺はアビィ君に尋ねる。


「そりゃもちろんだよ! 君はバルバロイ王国の伯爵なんだろ? ぜひボクを招待してくれよ!」


「ああ、いいけど・・・」


とりあえず、コイツの引きこもりは解消できそうだな。ガーデンバール王国のセルジア国王から頼まれた引きこもり解消の依頼、達成かな。


次回より『オークション参加編』始まります!ご期待ください!


今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

大変励みになります(^0^)

他にも投稿しています。(しばらく更新止まってますが・・・)


ドラゴンリバース 竜・王・転・生

https://ncode.syosetu.com/n1684ew/


魔王様にテンセイ!

https://ncode.syosetu.com/n2011ew/


よろしければぜひご一読頂けましたら幸いです。

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