第289話 悪い奴らは秒で始末しよう
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「そう言えば、まだ名前を聞いていませんでしたね、セニョリータ」
俺は高速で飛翔しながら小脇に抱えた兎人族の少女に顔を向けて、いつぞやのクサイセリフを吐いた時のイメージを思い出し、歯をキラリンとさせる。
「せ、せにょりーた・・・ですか?」
「その通りです、美しいフロイライン」
チラリと見れば、兎人族の少女は唖然とした顔をしていた。
「お、おい、カッシーナよ・・・ヤーベが何を言っているのか全く分からんのだが・・・」
「安心してくださいイリーナさん。私もわかりません」
イリーナが困った顔をしながらカッシーナに話しかければ、カッシーナもタラリと冷や汗を流しながら首を振る。
「わかりやすく言うと、美しいお嬢さんに名前を聞きたいのですよ」
再び歯をキラリンとさせて微笑む。
「わ、私の名前ですか・・・?」
小脇に抱えられた小柄な兎人族の少女が自分の顔を指さして首を傾げる。
「もちろん!君の名前を聞きたいんだよ」
できるだけにっこり笑ってみる。
「兎人族のライーナと申します」
ライーナね。可愛い名前だね。また、ナで終わる名前だよ。俺のハーレム女性の基本ルールに抵触してないね。
「あ・・・でも私、残念ウサギなんですよね・・・」
俺の小脇に抱えられたままズーンと落ち込む兎人族の少女。
「あ、いやいや! 君が残念ってわけじゃないよ! どっちかっていうと、君はドストライクでめっちゃ好みなんだけど」
「ええっ!? そ、それはそれでうれしいような怖いような・・・」
「どーせーっちゅうの!?」
落ち込んでいた少女は俺が好みストライクと伝えると、耳をピコピコさせて恥じらい始めたのだが、急に不安そうに身を震わせる。
「あ、あの・・・その・・・、む、村を助けてくださる報酬を私と言ってしまったので・・・ちょっとえっちな人に助けてを求めてしまったと不安に・・・私、あの・・・初めてなので優しくしてくださるとうれしいですぅ・・・」
「いや、なんの心配してるの!? 後、語尾のですぅがヤバイ!」
兎人族って、みんなこんな感じなのかしらん?
おっさんも「ですぅ」とか言ったら殺意があふれて抑えられないかもしれん。
「う~ん。ヤーベさん、兎人族の女性に何かあるのかなぁ? いつもと反応が違うような気がするなぁ」
サリーナが首を傾げる。
「そうですわね・・・確かにヤーベ様がこれほど女性に固執するのは見たことがありませんわね・・・」
カッシーナも疑問を口にする。
「もしかしたら・・・女性もそうですが、兎人族という種族に何か秘密があるのでは・・・?」
「なるほど・・・確かにその可能性はありえますわね! 旦那様の兎人族の少女を見る目がいつもと違っていたような気がしますわ!」
ルシーナの指摘にフィレオンティーナも同意する。
ものすごいスピードで空を飛びながら、えらく不穏な話をしながら固まってしがみついている女性たち。それを聞きながら、ライーナはより一層不安が募っていくのであった。
「・・・あれが君の村か?」
村の上空についた俺は空中に停止したまま、ライーナに確認を取る。
「はい!私たちの村です! あそこにいるのが盗賊の首領です!」
ライーナが指をさしたのは、広場で偉そうに座っている男だった。
広場には縛られた兎人族の男たちが大勢木に括り付けられ暴行を受けている。
女性たちも乱暴な扱いを受けていた。
俺はすぐさま広場に降り立つ。
ズドォォン!
濛々と砂煙が立ち込めてしまった。
「な、なんだぁ?」
「どうした!? 何があった!」
盗賊たちが慌てだす。
俺は早速例の新型兵器を構える。
ジャコッ!
「挽肉になってくたばりやがれ! <スライム的回転式多銃身機関銃>!!」
ドゥルルルルルルルルルルル!!
周りにまんべんなくぶっ放してやる。
「ギャ!」
「グエッ!」
「ゲピョ!」
敵の口上も言い訳も聞かず、即殺! やはり悪・即・斬こそ正義なり!
ドガガガガガガガガッ!!
派手な音を立ててぶっ飛ぶ盗賊たち。
兎人族の女性に覆いかぶさっていた男や、襲い掛かっていた男、兎人族の男性に暴行を加えていた男も悉くぶっ飛ばされていく。
「わーお、ヤーベさん全く容赦ないね。かなりレアバージョンのヤーベさん?」
サリーナが錬金ハンマーを構えて周りに気を配りながら俺の状態を解説してくれる。
「到着して即皆殺しですか・・・。確かに容赦ないですわね」
ルシーナが俺の攻撃を見てそう断ずる。おいおい。
「なんてひどい・・・、とにかく助けませんと」
「そうですわね、まだ動いている盗賊もいるようですので、気を付けて救出にあたりましょう」
カッシーナが村の状況を見ながら救助に当たろうとするのをサポートするフィレオンティーナ。
「お父さん!」
「おおっ! ライーナ!」
ふと見れば、やさしそうな壮年の兎人族の男性と抱き合うライーナの姿が。
「村を助けてくれる助っ人の人を呼んできたよ!」
嬉しそうにライーナが報告する。
「それはありがたいが・・・そんな危険な仕事を受けてくれる冒険者の方々を雇うのに、費用はどうしたんだ?」
「それは・・・私を報酬に・・・」
「な、なんと・・・すまぬ、私に力がないばかりにお前にはつらい思いを・・・」
「お父さん、私は大丈夫だから・・・」
抱き合ってお互い涙を流す父と娘。気まずいったらない。
「うん? 御屋形様、盗賊どもがまだ生きておりますぞ?」
いかつい形の竜槍を構えて盗賊を屠る気満々だったロザリーナが周りを見渡し、倒れている盗賊たちに息があることに気づく。
「ホントだ。てっきりヤーベさんが秒で皆殺しにしたとばっかり思ってたよ」
おいおい、人を殺戮マシーンかなにかかと思っているのか?
「あなた、これはどういうことですの?」
近くで倒れていた兎人族の女性を解放しながらカッシーナが俺に問いかける。
「ふふっ!一応こんなクズどもでも秒で皆殺しにするのはどうかと思ったのでな。弾丸に特殊なモノを用意した」
そう言って俺が取り出したのは緑色の小さな弾丸だ。
「それなーに?」
興味津々で覗き込むサリーナ。そういえば通常の鉄の弾丸はサリーナの錬金術で制作してもらってたね。
「これは俺のスライム細胞で作った弾丸。その名も<スライム的弾丸>。非殺傷力の弾丸だよ」
俺はどや顔でサリーナたちに説明する。
サリーナたちが周りの盗賊を見て納得する。
盗賊たちは大量の<スライム的弾丸>に打たれて伸びていたり、<スライム的弾丸>がお互い結び付けあって縛られていたり、地面に縫い付けられていたりと、盗賊たちを捕縛しているのだ。もちろん当たった瞬間は石のように固く、当たったダメージは結構あるだろうが死にはしない程度だ。
「てっ、テメエらぁ! 何モンだぁ!!」
あら? 盗賊の首領らしき男が鼻血を出しながらわめいている。
当たり所がよかったのか、吹っ飛ばされて<スライム的弾丸>の捕縛網にかからなかったのか。
「動くんじゃねえ! 一歩でも動いたらコイツを殺す!」
盗賊の首領は隣に侍らせていたであろう兎人族の女性の髪を引っ張って上半身を無理やり起こす。許せんな。
「オフィーリア姉さま!」
ライーナよりもボン・キュッ・ボンな大人の女性を人質にしている。
許すまじ!盗賊の首領!
「おいお前!そのすげえ武器を俺によこせ!さもないとこの女を殺すぞ!」
そう言って首にナイフを当てる盗賊の首領。見ればオフィーリアさんの服は無残に破られ、途轍もなく豊満なバストがこぼれてしまっている。やはり許すまじ!盗賊の首領!
決していい仕事してますね~とか思ってない。思ってないったらない。大事なことだから二度確認する。うん。
「オフィーリア姉さま!」
「私にかまわないで! 村を救ってください!」
ドパンッ!
「ヘブッ!」
眉間を打たれ、もんどりうって倒れる盗賊の首領。
「「「「「・・・・・」」」」」
奥さんズが、「それはないんじゃ・・・」といった目で俺を見ている。なぜに?
「・・・撃った・・・何の躊躇いも無しに・・・」
そう言ってオフィーリアさんも気絶して倒れた。
「お、お姉さま~~~~~!」
ライーナが走っていき、オフィーリアを抱きかかえた。
「スライパイソン、357・・・いやいや802マグナム」
弾丸6連装のリボルバーを構えながら俺は一人悦に入る。
「いや、ヤーベさん・・・それはさすがにどーなの?」
サリーナがハンマーを抱えながら俺の行動を指摘する。
「いやいや、もちろん絶対大丈夫という理由があるから撃ったんだけどね」
「理由って?」
「弾丸に使っているのはスライム細胞だからね、<スライム的回転式多銃身機関銃>でまき散らした弾ではなく、スライパイソンで撃った弾丸は1発だからね。あの弾丸は俺の意識を移しているから、外れるなんてことはあり得ないんだよね」
「えー!? ヤーベさん、弾丸もコントロールできるの?」
「モチのロンよ!」
ドヤ顔でサリーナにサムズアップを決める。
「・・・見れば、誰も死んではいないのですね・・・」
「本当に秒で仕留めてしまったぞ・・・」
カッシーナが周りで倒れていたり、スライム細胞に捕縛されている盗賊たちを見ながらつぶやく。イリーナはもはやあきれ顔になっていた。
「な、なんと・・・」
「お父様・・・私はとんでもない人に助っ人を頼んでしまったのでは・・・」
兎人族の父娘はお互い抱き合い、震えていた。
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