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第214話 解き放たれた存在に目を向けよう

ブックマーク追加、感想等誠にありがとうございます!

大変励みになります。応援本当に嬉しいです。

今後もコツコツ更新して参りますのでよろしくお願い致します!

時は少し遡る―――――




「ここか、その未知の<迷宮(ダンジョン)>とやらは」


『ははっ!』


ヒヨコの案内でやって来た未知の<迷宮(ダンジョン)>の入口。

俺だけなら崩れて瓦礫と化している入口もスライム状の体で隙間を通り抜けられる。

だが、ローガは連れて行けない。ここまで来てローガを連れて行かないとなると、相当ヘソを曲げそうだ。


「ならば、ぶち破るしかあるまいな」


そう言って俺は亜空間圧縮収納に冒険者としての装備を収納し、デローンMr.Ⅱへと姿を変える。


「<スライム的(スライ)ドリル大回転(ドリラー)>」


俺はデローンMr.Ⅱの体をネジってドリル状に変化させる。


「ハッハ―――――ッ!! それじゃあワンパク三人娘をオシオキに行こうかぁ!」


そのまま体をギュィィィィィンと回転させる!


「行くぞ!スライドリラーアタ――――ック!」


ドコ―――――ン!!


崩れた入口の瓦礫をドリルアタックでぶち破る。そのままドリル回転をしたまま<迷宮(ダンジョン)>の中に突入して行く。


迷宮(ダンジョン)>の奥から出てきたのはゴーレムの群れだった。

俺がベルヒアねーさんの力を借りて行使する<大地の従者(アースサーバント)>とは違い、かなり精巧な造りのゴーレムだ。石で出来ているようだが手足の造りは精巧で如何にも兵士として作られていることをうかがわせる。


バキバキバキッ!


尤もドリルのままゴーレムの群れに体当たりしてしまったので、ゴーレムは木端微塵に粉砕される。


「おっと、やり過ぎたか?」


『お見事な一撃です、ボス!』


ローガが追い付いて来た。


だが、喋る暇も無く奥から更にゴーレムが湧き出て来る。


「<石柱散華(ライジングストーン)>」


奥の通路からこちらへ向かって来るゴーレムたちを石の槍で串刺しにする。その後石の槍が爆発し、ゴーレムごと木端微塵となる。ドリルアタックでも木端微塵、<石柱散華(ライジングストーン)>でも木端微塵。あたりはゴーレムの残骸で一杯となる。


「ん? なんだこの赤い珠みたいな石は?」


『それはゴーレムの魔核では?』


「魔核?」


『我々魔獣には魔核と呼ばれるものがあります。解体時に出て来る赤い石ですな。いい値段で引き取られているあれです』


「ああ、魔石か」


『ゴーレムもそういった魔核があるのではと愚考致します』


「なるほどね、なら拾って来ればお金になるか。ヒヨコ隊長、部下たちを呼んで回収しておいてくれ。出張用ボスを預けておくから収納しておいて」


『ははっ!』


「シルフィー、この階層に連中はいるかな?」


俺は風の精霊シルフィーを呼び出す。


「ちょっと待ってね、調べるから」


シルフィーは素早く風をこの階層に吹かせていく。


「・・・いないみたい」


「なら、どんどん行くか!」


実は手前にはケモミミ三人娘が落ちた落とし穴が空いていたのだが、ドリル突撃した際に勢いよく通過したので落とし穴に全く気付かないヤーベだった。




再びドリル状に変化した俺は階段を探すことはせず、足元の床をぶち抜く。


ドゴッ!


一階層下がって次のフロアへ出る。


「シルフィー、この階層はどうだ?」


「・・・いないみたい」


「よし!次だ!」


ドコッ!


そうして俺は一階層ずつ捜索を開始する。ゴーレムを木端微塵にしながら。





ドガガガガガッ!!


「無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァァァァ!!!!」


ドリルマシーンと化した俺様は階層をぶち破っては雲霞の如く押し迫って来るゴーレムを粉砕して行く。魔核の回収はヒヨコたちに任せ、ケモミミ三人娘の捜索はシルフィーに任せ、俺様は粉砕に勤しむ。


ずっとおんなじデザインのゴーレムを繰り返し破壊する事を続けていると、段々感覚がマヒしてくる。自分でも無理やりテンションを上げて行こう。


「ゴーレムごときが俺様に追いつけるかーッ!お前らはこの俺様にとってのモンキーなんだよォォォーーーッ!!」


どこぞの悪役張りにイカツイセリフを吐きながら大量のゴーレムにドリルアタックをかましていく。


そしてさらに床をぶち抜いた先、広い空間にでた。


『ボスッ!!』


「おや、雷牙じゃないか。ならばあのポンコツケモミミ三人娘も無事なのか?」


『ははっ!』


「そうか、よかった」


『ですが、かなりのゴーレムに包囲されております!』


「ん~~~?」


見れば完全にゴーレムに囲まれている。雷牙の後ろには三人娘が抱き合っており、その向こうは壁だ。逃げ場がない。


「そうか、ならばこのゴーレムたちを駆逐する以外にないな」


そう言って俺は矢部裕樹の姿に戻る。


「ん?」


水晶の柱(クリスタル・ピラー)を見上げる。


「なんだこりゃ?」


何か生き物?がクリスタルの中に封印されているのか?


「・・・しかも二匹?」


高い位置に封印されているので、よく見えないが。


『雷牙!無事か!』


ローガとヒヨコ隊長たちが追い付いて来た。


『リーダー!自分が付いていながら申し訳ありません!』


『無事ならかわまん! それより、脱出するぞ!』


『ははっ!』


「あ!ヤーベ!」

「助けに来てくれたにゃ!さすが教官にゃ!」

「ヤーベさん、ご迷惑をおかけするです」


「さすがじゃねーんだよ! 常設の薬草採取依頼で何でこんなところにいるんだよ!お前ら帰ったらオシオキ決定だからな!」


コーヴィルだけ無駄に丁寧だし。


「ええっ!?理不尽よ!理不尽!太ももは触らせないからね!」

「ヤーベ、ここはひとつ穏便にすますにゃ!」

「申し訳ない気持ちでいっぱいなのです」


『ボス!来ます!』


「チッ! オシオキの話は後だ!先にこの土くれを片付けてやるわ!」


俺は右拳を腰の後ろに引いて構える。


「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオアオラオラオラオラオオラオラオラオラァァァァァァァァァァ!!」


思いっきり殴りまくる。ただ殴りまくる。容赦なく殴りまくる。


次々に押し寄せるゴーレムを砕きまくる。

そして明らかにボス感満載の大型ゴーレムがこちらに向かって来るので、迎撃する。


「オラオラ流星拳―――――ッ!!」


色々混じったテキトーな必殺技でボスゴーレムをボコボコに殴る。

正しく文字通り木端微塵になるボスゴーレム。


「おお、さすがに魔核がデカイな」


粉々に砕いたボスゴーレムの胴体から大きな魔核が転がり出てきた。

とりあえずそれだけ亜空間圧縮収納に仕舞っておく。


「さて、さっさと帰るか」


俺の一言にローガ達もケモミミ三人娘たちも驚きの表情を見せる。


『・・・ボス、このクリスタルの中に封印されている生き物を放置するのですか・・・?』


「ヤーベ!この奥にきっとお宝があるにゃ!」

「そうよ!お宝ゲットよ!」

「いや、助けてもらっておいていきなりそれはどうなのです?」


ゴチンゴチン!


「あいたっ!」

「うにゃ!」


サーシャとミミにゲンコツをくれる。


「何言ってるんだ! お前たちの実力で自分たちの責任においてやってることなら何も言わん!自己責任だからな!だけどなんだ、お前たちの体たらくは!大体常時依頼の薬草採取に来たんだろうが!それが何でこんなところにいる!それだけでお前たちには何も依頼できないって事だ!」


俺は激怒して説教する。

自分たちの自己責任でやるならどうぞご自由に、というところだが、知り合っただけにどこかで死なれても寝覚めが悪い。どうしても言葉が荒くなってきつく当たる様になっても、自らの命を簡単に危険に晒す行為はやはり許せない。


「ごめんなさいです・・・」

「うう・・・ごめん・・・」

「申し訳ないにゃ・・・」


項垂れて謝るコーヴィルにサーシャとミミも目に涙を浮かべながら謝る。


『それはそうと・・・ボス、この水晶の柱(クリスタル・ピラー)はどうするのです?』


ローガが俺に問う。


「そんなもん、放置だ放置。こんなモン封印解いたらメンドクサイ事になるに決まってる。こーいうものは国とかに押し付けるのが最善なんだよ。君子危うきに近寄らずってね!」


こんな水晶に封印されている存在なんて、ヤバい存在に決まってるってーの!

封印されているのがスゲー美少女ならちょっと考えるが、なんか違う感じだし。触らぬ神に祟りなしってね!ノーチートの俺様は神だか女神だかに会えなかったから、触ってないわけで、俺には祟り無しだな!うん。


『そういうものですか・・・』


ローガが少し首を傾げる。


ピシピシッ!


その時、水晶の柱(クリスタル・ピラー)にヒビが入った。


「えっ!?」


いや、だから!俺は封印なんて解かないから!


だが、俺の想いとは裏腹に水晶の柱(クリスタル・ピラー)は砕け散って、封印されていた存在が解き放たれる。


『おおっ!』


ローガと雷牙がその解き放たれる存在に意識を向ける。


「おおっ! 勿体ない。クリスタルなら金になるかもしれん」


そう言って俺は砕けた水晶の破片を拾っては袋に詰めていく。


『ボス!何してるんですか!』


「え?水晶拾ってるんだけど。買い取りしてくれないかな?」


『いや、破片より封印から解き放たれた謎の存在の方が大事じゃないですか!?』


ローガが食って掛かる。


「えー、封印解けたの俺のせいじゃないし」


『いや、どー考えてもあの巨大ボスゴーレムが封印を解く鍵ですよね!?』


ローガにその態度どうなの?みたいなツッコミを受ける。解せぬ。


「キュッキュ―――――!!」

「ズゴ―――――!!」


「な、なんだ!?」


俺は水晶の破片を拾うのをやめて、上を見る。


空中をふわふわと泳いで?来る二匹の生き物?なんだこれ?


見れば真ん丸なボディの生き物?とちょっとかまぼこ型みたいな生き物?だ。


「キュッキュ―――――!!」

「ズゴ―――――!!」


二匹の謎の生き物は俺の頭の上まで飛んで来るとヒレでペチペチと叩いてくる。


「な、なんだお前ら!?」


よく見れば、真ん丸の方はボウリングの球に腹びれ、尾びれ、背びれをつけた様な生き物だ。かまぼこ型の方も腹びれ、尾びれ、背びれをピコピコ動かして宙に浮いている。


どっちもまるでぬいぐるみのような姿だ、

真ん丸の方は愛嬌のある目にギザギザの大きな口。灰色と白のツートンボディ。

かまぼこ型の方は横長の大きな口につぶらな瞳。水色と白のツートンボディ。


「ホホジロザメとジンベエザメ?」


俺はふよふよと空中に浮かぶ二匹の謎の生き物に当たりをつける。


「キュキュ―――――!!」

「ズゴズゴ―――――!!」


存在を当てられて嬉しいのか俺の頭にべたべたと纏わりついて来る。


なんだ?コイツらは?


「まさか・・・ラノベにあるマスコット枠か!」


俺は驚愕する。確かに人気ラノベには可愛い系のマスコットキャラがいる事が多い。ローガ達はもふもふしているが、可愛い感じはあまり無いしな・・・。


「だからって、なんで魚!?しかもサメ!?意味不明!!」



「キュキュ―――――!!」

「ズゴズゴ―――――!!」



「ぐわわわわっ!?」


文句を言った俺が気に入らないのか、ホホジロザメが俺をガブガブと齧り、ジンベエザメがズゴーっと俺を啜っている。

信じられない!俺様は無敵ボディのはずなのに!齧られたり吸われたりするって!


コイツらは一体何なんだ!?


今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

大変励みになります(^0^)

他にも投稿しています。


ドラゴンリバース 竜・王・転・生

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魔王様にテンセイ!

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よろしければぜひご一読頂けましたら幸いです。

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