第211話 万全の資料を作成して依頼達成をサポートしよう
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2019/4/10 誤字修正しました。ご指摘誠にありがとうございました。
俺は朝早くから冒険者ギルドの資料室に籠っていた。
具体的には朝日が昇ったころに起きて、冒険者ギルドにやって来ている。
ちなみに王都の冒険者ギルドは24時間営業である。
俺が来た時には宿直のギルド嬢と技術員のスタッフたちが対応していたから、朝のスタッフ出勤はまだのようだ。
資料室で何を籠っているかというと、薬草を調べまくっている。
薬草採取の依頼をケモミミ三人娘にクリアさせるために、採取すべき薬草の特徴を纏めているのだ。
資料には大まかに図柄で説明があるのだが、より分かりやすいように特徴や、間違えないポイントを纏めていく。
そして、新たに目覚めた能力を使って資料作りをする。
<スライム的調査術><スライム的印刷術>である。
亜空間圧縮収納に収納した物を鑑定した情報を調査して、取り込んだ羊皮紙に印刷する。
イメージは取り込んだ羊皮紙にスライム細胞でスキャンイメージをインクジェット方式で印刷して行く感じだね。
誰もいないことを良い事に、デローンMr.Ⅱの姿に戻って資料を取り込んではイメージデータを作って、プリントして行く。取り込んだ羊皮紙にイメージを印刷して完成した羊皮紙をベーっと口から吐き出す。傍から見るとシュールな映像になっているかな?
出来た資料はまるで写真を見ているかのようだ。俺が回収した薬草の写真を中央に張り付け、見るべきポイントを矢印でコメント付きで入れてある。
「うん、よく出来た資料だ」
俺は出来た資料を見て自画自賛する。
薬草は写真を見るかのような出来だしな。これなら実際に薬草採取に行った際に、実物と見比べることが出来るだろう。いかにポンコツなケモミミ三人娘だとしても、この資料があれば実際に採取に行った際に、薬草を間違えることは無いだろう。
俺は常時薬草依頼にある「マルーン草」の他に、有益な薬草の資料も作ってやった。
「これだけあれば薬草採取は大丈夫だろう」
そうこうしているうちに時間が過ぎて朝の受付ラッシュが始まったようだ。
受付カウンターが込み合ってきている。
俺は矢部裕樹の姿に戻ってカウンター近くのテーブルに座ってケモミミ三人娘を待つ。
カウンター横の酒場は、朝になると暖かいスープや朝食代わりの軽食が取れるメニューも用意されていた。早速スープと軽食を注文する。
スープはオニオンスープかな? 軽食は硬めのパンを暖かく焼いた物にハムや野菜が付いていた。
パンを手で二つに分けて、野菜やハムを挟んでお手製スラ・スタイルを作って食べているとケモミミ三人娘がやって来た。
「あーっ!自分だけ美味しそうなもの食べてる!」
「私たちも食べたいにゃ!」
「おはようございますです、ヤーベさん」
コーヴィルだけが朝の挨拶を返してくる。こいつらには常識から教えないとダメかね。
「おはようコーヴィル。それと、サーシャ、ミミ。朝一番にあったら挨拶からだぞ。冒険者たるもの、礼儀も大事だからな」
冒険者だからって事はないが、こいつらにはそうやって教え込む方が早いだろう。
「・・・おはよう、ヤーベ。急に教官ぶるようになったわね」
「おはようにゃ!挨拶できたから朝食奢るにゃ!」
ジトッと俺を睨むサーシャと笑顔で朝食を要求するミミ。
「ギルドの指導員になっちゃったんだから仕方ないだろ? それから朝食は<水晶のベル>亭で食べて来なかったのか?」
昨日ゾリアからギルドの指導員なるものを押し付けられてしまったからな。
ケモミミ三人娘にもその説明をあの後して、納得してもらってはいる。
サーシャからは尻尾を逆立たせて偉そうだのなんだの散々文句を言われ、ミミからは尻尾でぺちぺちと叩かれながらどんどん助けてもらうにゃ!とおんぶにだっこな発言を受けた。コーヴィルだけがご指導よろしくお願いするです、とちゃんと挨拶してきた・・・いい娘や。
「食べてきたわよ? さすが<水晶のベル>亭ね。朝食もおいしかったわ!」
「だったら何で朝食奢れって話になるんだよ!」
「もっと食べたいにゃ」
朝を食べてきたとさらっというサーシャに文句を言えばミミがもっと食べたいと言う。
シンプルな理由だな。ただただ人にタカると言う。
・・・それにしても、無理くり高額報酬を分けさせられたじゃないか。今のこいつらは十分にお金を持っているはずだ。
「人にタカらなくても今は十分にお金があるだろ。食べたいなら注文すればいいじゃないか」
「昨日ヤーベの忠告に従って大半をギルドに預けたにゃ。だからお金ないにゃ」
「いや、預けるのは大事だが、だからお金ないっておかしいだろ」
「いいから奢るにゃ。男のカイショーを見せるにゃ」
「お前らに見せるカイショーなんざねーんだよ! いいから今日はFランクの薬草採取を受けて来い! お前ら三人だけで薬草採取をクリアしなかったらオシオキだからな!」
「きゃあ、ヤーベが怒ったにゃ!」
「わかったわよ!」
「クエスト受注してきますね」
そういってケモミミ三人娘がカウンターに並びに行く。
・・・その間酒場のカウンターに行ってスープと軽食を三人分注文する。俺ってお人好しだな。
「さ、薬草採取を受理してもらって来たわよ」
サーシャが依頼書を取り出す。常時依頼のマルーン草採取だ。
俺が奢ってやった朝食をハムハムと食べながらミミとコーヴィルがこちらを見ている。
「ご馳走様なのです」
「ご馳走にゃ!やっぱりヤーベは優しいにゃ!」
「まあいいけど・・・。はい、これ。この資料絶対無くすなよ?」
そう言って朝早起きして作った資料を見せる。
「ナニコレ! すごい! 薬草の絵がまるで本物みたい!」
「すごいにゃ!これなら現地に行っても迷わないにゃ!」
「すごいです・・・。採取の際に注意すべきポイントがしっかり書かれているです。似たような草と間違えないように説明してくれてあるです」
うん、何としてもこのケモミミ三人娘だけで薬草採取を成功させてもらわなければならない。色々調べてみたが、常時依頼のマルーン草以外にも、ある程度希少な薬草採取も頻繁にあり、それらの報酬はそれなりに高い。そのため、魔獣討伐の依頼が無くても、ある程度薬草採取だけで生活を賄うことが出来そうだ。それだけに、しっかりと薬草採取の各種依頼をこなせるように鍛え上げなければならない。
「いいかい? この資料を元に、ちゃんと薬草を見比べて間違いないように採取して来てくれよ? それと、今日受けたマルーン草の採取以外にも、希少な薬草があれば採取して来て買取依頼に出すようにね。後、必ず今日の夕方までに帰って来て報告するように。トラブルがあったりしたら、撤退して立て直す判断も必要だぞ。俺は今日一緒に行かないから、お前達三人だけで依頼をクリアするんだ。わかったか?」
「ええ、わかったわよ」
「わかったにゃ!」
「了解したのです」
朝食を食べて満足したのか、素直に頷くケモミミ三人娘。
「ケモミーズの真の実力を見せる時だ! お前たちに薬草を任せるぞ!」
「ええっ!」
「おうにゃ!」
「はいなのです!」
元気よくケモミミ三人娘は返事をして冒険に出発して行った。
「さて・・・今日は忙しいな。カソの村で計画しているミノ娘たちの新しい村おこし計画の土地視察にいかなきゃならないし、アローベ商会の商品補充にもいかないといけないしな・・・あ、商業ギルドのロンメルにギガンテス買い取りお願いしないとな」
俺は今日一日やるべきことを考える。
夕方には彼女たちの帰りを迎えるべく、もう一度冒険者ギルドに顔を出す事にしよう。
俺は彼女たちの奮闘を期待しつつ冒険者ギルドを後にした。
・・・そして、彼女たちケモミミ三人娘はその日冒険者ギルドに帰って来る事は無かったのである。
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