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第200話 さらにO・SHI・O・KI道には超裏HARDモードがあった事を肝に銘じよう

ブックマーク追加、感想等誠にありがとうございます!

大変励みになります。応援本当に嬉しいです。

今後もコツコツ更新して参りますのでよろしくお願い致します!


俺は良い感じにプスプスと焦げたまま倒れている。


「あ、ヤーベが倒れている・・・」

「ヤーベ様が・・・」

「ヤーベさん、だいぶ焦げちゃったね・・・」

「ああ、旦那様!大丈夫でしょうか・・・」

「ふおっ!? リーナはどうしたでしゅか? ご、ご主人しゃまにヒドイ事したのは誰でしゅか!」


とりあえずみんなが落ち着いた・・・というか、正気に戻ったと言うか、なんというか。

普通になってよかった。そしてリーナはプンスカ怒っている。


それにしても、属性竜すら屠るフィレオンティーナはともかく、リーナのポテンシャルはトンでもないな。

ちなみに俺を黒焦げにしたのはリーナ、お前だぞ。言わないけど。


それに、戦闘力の無かったサリーナが錬金を駆使して工夫と努力を重ねているのは嬉しい誤算だ。ただ、俺で試すのもどうかと思うのだが。

ルシーナも、なんだよあのデスサイズは!? もしかして、威嚇用なのかな? ゴルディン作っぽいけど、何のため?


とりあえず、元気にならないと心配かけちゃうか。

俺は魔力(ぐるぐる)エネルギーを体内に張り巡らせる。


「<自己細胞再生セル・リジェネレーション>」


パアアッと光に包まれたかと思うと、すっかり元通りになった俺が姿を現す。


「ヤーベ!」


イリーナが抱きついてくる。みんなもそれぞれ心配してくれたみたいだ。でもこれ、みんなにやられたんだからね?


「すまなかったね。バタバタしてて、いろいろ報告が抜けていたみたいだ。俺はヤマシイ事をしていたわけでもないから、みんなもミノ娘達の村に案内するよ。彼女たちの生活する場所もどうしたらいいか考えないといけないしね」


「それはいいですわ。一緒に行けば安心です」


フィレオンティーナが両拳を握ってフンスと力を入れる。


「ただ、俺だけなら<高速飛翔(フライハイ)>の呪文で飛んでいけば、短時間で到着できるんだが・・・」


俺は頭を捻る。出来る限り早く到着したい。だが、ローガに狼車を引かせても、ミノ娘達の村まではかなり時間がかかる。何といっても城塞都市フェルベーンの北だからな。


「薄くて軽くて強~い籠を作ってヤーベちゃんが運べばいいんじゃない?」


ふと見ればベルヒア姉さんが妖艶な笑みを浮かべてそんな提案をしてくる。


「薄くて軽くて強い籠なんてどうやって作るの?」


「土魔法で作ればいいわ。やってみましょ?」


そう言って手取り足取り教えてくれるベルヒア姉さん。

なるほど、こうやって力を掛けると薄くて強くなるのね。

でも、この土の籠、俺が持って飛ぶんだよね?

大型の飛行魔獣を使役して、飛んでもらえるようになりたいねぇ。


文句を言っていても仕方がないので、大至急奥さんズとリーナを運ぶ籠を製作する。

そして風の精霊シルフィーも呼び出し、軽量化と風圧減少の魔法をかけてもらう。


「さ、出来たぞ。この籠に乗って出発だ!」


「「「「「はーい!」」」」」


俺は内務官と冒険者ギルド、教会の責任者に後の事を任せて、寄り道してから一旦王都に戻る旨を伝えて出発した。






「もうすぐ着くよ~」


一生懸命籠を持ったまま空を飛んで来た俺。風圧軽減の魔法で土の籠に入っている奥さんズの面々やリーナも強い風に当てられずに済んでいる。


俺は村の場所を見極めるべく、大きく旋回しながら森を確認して行った。







「あーあ、ヤーベさん帰って来ないね~」


食事を終えた皿を片付けながらミーアが溜息を吐く。


「王都に用があると言っていたからな・・・。用事が長引いているのかもしれん」


パナメーラは多少険しい表情で空を見つめた。


「パナメーラはヤーベ様が私たちをお見捨てになったとは考えていないのね?」


マカンも皿を片付けながらパナメーラに声を掛けた。


「ああ。若干楽観的に考えていないわけでもないが・・・。ヤーベ様は元々考えていないような事を言うような人に見えなかった。助けてくれるとおっしゃってくれたからな、私は信じているよ」


「泣き暮れているチェーダとは大違いね」


「まったく・・・本当にヤーベ様が私たちを見捨てたと思っているのか・・・。そうだとしたら逆にヤーベ様が戻って来てくださった際にはオシオキしてもらいたいくらいだよ」


そう言いながら苦笑するパナメーラ。

最初の三日間は「ヤーベだって用があるさ」「予定が変わって遅れているだけ」などとなかなか帰って来ないヤーベを心配する仲間を励ましていたチェーダだったが、昨日から悲観的に変わり、泣き始め、今日に至っては小屋の隅で膝を抱えてうずくまっている。「ヤーベに捨てられた、ヤーベに見捨てられた、自分に魅力が無いからだ、自分のお乳がおいしくないせいだ」などと自虐を繰り返し、地の底までも落ち込む勢いであった。


「しかし・・・ヤーベ様に早く戻って来てもらわないと。チェーダのヤツ、悲しみで死にかねませんね」


エイカがパナメーラに溜息を吐きながら愚痴る。

良くも悪くもチェーダはグループのムードメーカーとしての役割も持っていた。

そのチェーダが地獄の底の様に暗く沈んでいるのだ。仲間が心配しないわけがない。


「それにしても・・・ヤーベ様、王都で何か異変に巻き込まれていないとよいのですが・・・」


パナメーラの表情は一層険しいものになった。


「エイカ! ミル姉さんが綺麗なお水と清潔な布を分けて欲しいって!」


走って来たのは元気娘のカレラだった。


「わかった。ヤーベ様が置いていってくださったお水と布があるから、それを持って行って頂戴」


「ありがとっ!」


受け取ると、来た時と同じように元気よく走って行くカレラ。


「私もミル姉さんたちの様子を見に行ってこようかしら・・・」


そう呟きながら空を見上げたパナメーラの目に、謎の飛行物体が映り込んだ。


「な、なにあれ?」


呆気に取られているパナメーラをよそに、飛行物体は目の前にゆっくり着地する。

そしてその籠の様な箱を運んでいた翼のある薄緑の球体のようなボディが一瞬にして消えた。


「やあパナメーラ元気だったか? 戻りが遅くなってすまないな」


「ヤーベ様? ヤーベ様!!」


パナメーラの前にいきなり現れたのは人の姿をしたヤーベだった。





「ヤーベ様ぁぁぁぁ!!」


いきなりパナメーラが泣きながら俺に抱きついてきた。

パナメーラはナイスバディなミノ娘達の中でもボボン・キュッ・ボボンのスーパーボディの持ち主だ。抱きつかれるといろいろな意味でマズイ。


そして、その後ろからものすごいオーラを感じる。

すでに奥さんズ+リーナは籠から出て来て臨戦体勢万全のようだ。

ここはひとつ落ち着いて交渉する態度を見せねば、俺のスラ生(スライム人生)が終わりかねない。


「すまない、パナメーラ。王都でトラブルがあってね、すぐに戻ってこれなかったんだ」


「ああ、やはり何かのトラブルに巻き込まれていたのですね。私は信じておりました・・・。それで、ヤーベ様には問題ないのでしょうか? 大丈夫ですか?」


「ああ、俺の方は問題ないよ」


「あ!ヤーベさんお帰りなさい!」


ミーアが走り寄って来る。マカンも気づいたようだ。それに合わせて子供たちも他のミノ娘達も大勢やって来て取り囲まれてしまう。


「ヤーベ、大人気だな・・・」

「ハーレムというのは、正しくこういった状況をさすのでしょうか・・・」

「うわ~、ヤーベさんモテモテだよぉ・・・」

「ふふっ、旦那様を見染めるとは、このミノ娘とやらも中々やりますわね」

「ふみゅう、ご主人しゃまが大人気でしゅ!」


みなさんそれぞれの感想があるようだ。だが、何かが爆発する前にとりあえず今後の話だけでも、と思ったのだが、チェーダが見当たらないな?


「ふふっ、チェーダならあの小屋でヤーベ様に見捨てられたと泣いて落ち込んでおりますわ。出来れば顔を見せて慰めてやってくださいな」


パナメーラがいたずらっ子のような笑顔で俺にそんなことを伝えてきた。

まったく・・・俺がチェーダを見捨てる事なんてないってのにね。


俺はテクテクと歩いて小屋までたどり着くと、とりあえず中を覗いて見た。


「ううう・・・ヤーベェ・・・ヤーベェ・・・会いたいよぅ・・・寂しいよぅ・・・見捨てないで・・・捨てないで・・・何でもするから・・・うぇぇぇぇ~~~ん」


重い!暗い!後ろ向き!


そこにはどよどよと黒い雲が湧き立っているかの如く暗い雰囲気を醸し出しているチェーダがいた。壁に向かって膝を抱えて落ち込んで泣いているチェーダを見ると、慰める前にこの娘大丈夫かと不安にならなくもない。


「おーい、チェーダ。お待たせ!遅くなってスマンな。心配かけたか?」


俺は努めて普通のテンションで何でもない挨拶の様に声を掛けた。


「へっ・・・? ヤ、ヤーベ・・・?」


泣き顔を上げてゆっくり振り向くチェーダ。


「おう、ヤーベさんだ。ちゃんとお前に会いに帰って来たぞ! ちょっとばかし遅くなったか?」


「う・・・うわああああああ!! ヤーベ! ヤーベェ!!」


ドーン!


チェーダの機関車のような突進を受け止めきれず小屋の外まで吹っ飛ばされる俺。

そのままチェーダにギュウギュウに抱きつかれたまま地面に転がる。


「うわああああん! ヤーベが戻って来てくれたよぉ! よかったよぉ!」


わんわんと泣きながらギュウギュウ締め付けるチェーダ。

ちなみに、多分普通の人間だったらベアハッグで背骨折られてるんでは?というくらいのパワーを感じる。うん、愛が重いね。


ふと見上げれば、チェーダに抱きつかれて地面に寝転がっている俺を取り囲んでいる奥さんズの皆様方+リーナが。


「ヤーベ、ちょーっとモテ過ぎやしないか・・・?」


ものすごーくジト目で俺を見降ろしながら睨むイリーナ。


「そうですね・・・ちょっと心配になっちゃうくらいモテてます・・・」


ルシーナも困ったといった表情で俺をジトッと睨む。


そんな声が聞こえたのか、チェーダが顔を上げる。


「ほえっ? な、何だ?このすごい美人の女たちは!?」


よほどびっくりしたのか、飛び起きるチェーダ。


「ああ、彼女たちはね・・・」


俺も上半身を起こして、説明しようとしたのだが、そんな俺の左手を自分の胸に挟んで抱え込むチェーダ。見れば涙目である。


「おわっ、どうしたチェーダ?」


「グスッ・・・。また、ヤーベはどこかへ行ってしまうのか・・・?」


潤んだ眼で俺を見つめるチェーダ。

あれ? なんで?

おお、奥さんズの面々のオーラが揺らめき始めちゃったじゃないか!


「チェーダ、少し落ち着きなさい」


俺達の間に割って入ってくれたのはパナメーラであった。


「貴方はヤーベ様のお妾様になりたいと希望したのでしょう? こちらの方々はきっとヤーベ様の正式な奥方様だと思うけど?」


「ええっ!? あ、ああ・・・そうか、そうだよな。ヤーベ位の男になれば、こんなすごい美人の奥さんがたくさんいるのも当たり前だよな」


そう言ってちょっと寂しそうに俯いて俺の左手を解放する。

うーん、地球時代全くモテずの俺様がなぜにここまでモテ期到来したのか、いまだにちょっと謎なのだが。

そしてすごい美人と言われて奥さんズの面々が照れまくっている。

このまま穏便に時よ過ぎよ!


「ヤーベ様の奥方様でよろしかったでしょうか?」


パナメーラが丁寧に尋ねる。


「そうだ、第一奥様のイリーナだ」

「イリーナちゃん、第一夫人ね。今は第二夫人のルシーナです」

「サリーナです」

「フィレオンティーナと申しますわ」

「リーナでしゅ!」


なぜかリーナも奥さんひとくくりで挨拶している。パナメーラの目がちょっと揺らいだ。

だが、パナメーラはその場で片膝を付き、深々と頭を下げる。


「ヤーベ様の奥様方。ヤーベ様は死と絶望の迫っていた我々ミノタウロスハーフをお救いくださいました。願わくば、これからも先、ずっとヤーベ様にお仕えしたく存じます。我々で出来る事は何でもさせて頂きますので、ご検討のほど、お願いできませんでしょうか?」


「それはいいのだが・・・」


イリーナがちょっと考える様に呟く。


「ヤーベ様がお乳を揉んだというのは本当なのですか!?」


いきなりバクダンぶちかましたのはやっぱりルシーナ。最近気が付いたが、ルシーナは結構爆弾を投げる。うん、気を付けよう。


「ええっ!? 揉んだというか・・・」


チェーダがしどろもどろになる。


「我々ミノタウロスハーフは子供を身ごもらなくても母乳が出る種族なのですが、定期的に絞らないと体調不良や、酷い時には病気になったりしてしまいますので、ヤーベ様には搾乳を手伝って頂いた次第です」


おおっ!ナイスフォローパナメーラ! やはり出来る秘書は違うね! 某転〇ラの名前だけ秘書のおっぱい美人とは一味ちがいますな!


「それでも! 羨ましいものは羨ましいのです! 私なんて揉んでもらったことないんですから!」


ずべべっ!


俺はもんどりうってずっこける。


いや、ルシーナさん、どこを羨ましがってるの!?


「そうですわね。私も洗ってもらったことはございますが、しっかり揉んでもらったことはありませんから・・・やはり、すでにミノ娘さんたちが揉んでもらっているのであれば、大至急わたくしたちも揉んで頂かないと、ミノ娘さんたちを認めるわけにはいきませんわ」


ルシーナに乗じてフィレオンティーナがトンデモない条件を放り投げてきた。

ミノ娘達を認めるために、奥さんズの御胸様を揉みしだけばいいのですかっ!?

ガンガン揉みしだきたいと思いますが、何か?


「あ・・・、あくまで搾乳ダゾ・・・も、揉んでもらったんじゃないし・・・」


そう言って自分の爆乳を組んだ両腕で持ち上げる様に強調し、顔を真っ赤にしながら体をくねらせるチェーダ。はいアウーーーッツ!!


「さささ、搾乳でそんなに顔を真っ赤にしても、説得力ないですから!」

「まあまあ、私たちもヤーベさんに揉んでもらおうよ」


ぷりぷりしだすルシーナちゃんを宥めるサリーナちゃん。

ありがたいけど、宥め方に多少疑問が。


そんなこんなで、パナメーラのおかげもあって場が落ち着いて来た。

朝から飛んできて、現在は昼過ぎだ。今日はここで泊るか、城塞都市フェルベーンに向かうか検討しなくてはならない。


その事を伝えようとした俺に、信じられない声が聞こえて来た。


「ハーイ、やっとパパが帰ってきまちたよ~! 元気に挨拶しまちょうね~」


見れば、ミル姉さんが両腕に赤ちゃんを抱えている。それも二人。双子か!?

一人は可愛い女の子の赤ちゃんだ。でも頭にちっちゃな角が二本生えている。

そして、もう一人は・・・顔が牛さんだな。多分男の子のミノハーフか?

思わず「ゲッ!」って言いそうになったけど、言わなかった俺を褒めてやりたい。

ところで、男のミノハーフは育てても大丈夫なんだろうか?


俺はそんなことを考えていたのだが、それよりも致命的な言葉があったことに気づく。



へ? パパ?



ドシュゥゥゥゥゥ!!


振り返れば魔力嵐に包まれる奥さんズとリーナ。

ああ、朝のO・SHI・O・KIモードはまだフルパワーモードではなかったのですね?


「パ・・・パパ・・・」

「おっぱいを揉んだだけでなく、子供まで私たちより先に作りましたか・・・ギルティです」

「ヤーベさん、さすがにこれは許せないゾ!」

「旦那様・・・お覚悟を!」

「リーナは・・・リーナはやっぱり捨てられてしまうのでしゅか?」


俺の目が幻を見ているのでなければ、イリーナは何かしら強力なナックルを装備しているように見えるし、ルシーナはあの死神の鎌を構えているし、サリーナに至っては見たことない巨大なハンマーを肩に背負っているではありませんか。フィレオンティーナはムチではなく魔石がゴテッとついた凄そうな杖を装備しているし、リーナは金色の魔力が体を纏うようにバチバチとはじけている。髪の毛も逆立っているし、どこからどう見てもスーパーリーナさん状態だ。


俺は異世界に来て初めて、己の死を覚悟した。


今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

大変励みになります(^0^)

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よろしければぜひご一読頂けましたら幸いです。

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