第21話 お金を稼いでみよう
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だいたいの貨幣価値はわかった。
ならば! 早々にお店デビューするべし!
「よし!それでは町に買い物に行くか!」
俺様は元気に宣言した。
『おおっ! 買い物ですな。人族の文化ですな。我々魔獣は力で相手を屈服させるだけですからな』
ローガがしみじみと語る。
そうだね、買い物は人間の文化の象徴かな?
独特だよね。知的生命体の特権だね!
ちなみに俺様は間違いなく高性能な知的生命体だ!うん。
『ボスッ! 楽しみですね! 何買われるんですか?』
ヒヨコ隊長がワクワクした表情で聞いてくる。
『そうだな~、いろいろ欲しいものがあるが、やっぱりおいしい食べ物買おうか!』
俺様はまずやっぱりおいしいものを食べたいのだ!
何せこの前のカソの村で味覚、嗅覚を完成させてしまったからな。
・・・ちなみに魔物を狩って取り込むときは味覚嗅覚OFFだ。
というか、スライム細胞で直接取り込む時は五感が働かない。
というか働いてもらっては困る。働いたら大変なことになる。
俺様は左手を腰?に当て、右手を多分町の方に向けて指を指す。
「買い物ツアーにしゅっぱ~~~~~つ!」
『『おお~~~~~』』
狼牙族もヒヨコたちも盛り上がっている。
だが、俺は気が付いてしまった。気が付いてしまったのだ。
「そう言えば、お金持ってないわ・・・」
『『ズコッ!』』
ローガ達もヒヨコ隊長たちも綺麗にコケる。
ド〇フ張りだな。ちなみに仕込んだ覚えはない。
そーなんだよ。当たり前だけど、お金持ってないわ。
だって気づいたらスライムだったし。
神様か女神様か知らんけど、チートもスキルもお小遣いもくれなかったし。
ふん!イジけてやるわ!
・・・まあイジイジしても仕方ない。
お金を稼ぐ方法を考えよう。
ぽややや~ん
「今日も君たちの働きに期待する!安全疾走でよろしく」
『『『わふっ!』』』
元気に返事するローガ達の背中に大きなリュックを括りつけて行く。
「それぞれ、届け先は覚えたか?」
『『『わふっ!』』』
元気に返事するローガ達。
「では行け!」
『『『わふっ!』』』
大きなリュックを背負ったローガ達が一斉に散る。
狼牙急便。大事な荷物を大切なあの人へ。迅速かつ確実に。
・・・うん、何となく儲かりそうだけど。
『我々が荷物を預かって、届けるという仕事ですか?』
ローガが首を傾げて聞く。
「そう。ローガ達は足が速いしね。人気でそうだな」
『ですが、相手の場所がわかりませんね』
「そうか~、住所みたいなもの、あるのかな~」
『後、我々が町を疾走すると衛兵たちが追ってきそうですな』
そりゃそうか。荷物括りつけた狼が町中疾走してたら騒ぎになるわな。この案は却下で。
他に何かアイデアは・・・
ぽややや~ん
「今日も依頼者の大切な気持ちとともに運ぶんだよっ!」
『『『ぴよぴよっ!』』』
「それでは、今日の自分の担当場所を覚えたかな!」
『『『ぴよ~ぴ!』』』
「大切な手紙は持った?」
『『『ぴよ~!』』』
そして、返事した後に嘴に手紙を挟むヒヨコたち。
「それでは行け!他の鳥たちに気を付けてな~」
バサバサバサッ!
一斉に飛び立つヒヨコたち。
ヒヨコ郵便。預かった大切な手紙を、あの人の元へ―――――
・・・うん、何となく儲かりそうだけど。
『我々が手紙を預かって、届けるという仕事ですか?』
ヒヨコ隊長が傅きながら聞いてくる。うん、固いね。
「そう。ヒヨコ隊長たちは空飛べるから、街中でも追っかけられないかな?」
『ですが、やはり相手の場所が良くわかりません』
「そうか~、でもギルド間とか、決められた場所から場所への手紙配達なら行けるか? どちらにしても個人配達は却下で」
うーん、なかなか儲かる仕事が思いつかないな。
いろいろぽややや~んって想像して検討してみるけど、いまいちいい案が出ない。
「やっぱり魔物の素材をギルドに降ろすのが手っ取り早いのではないか・・・?」
「!!!」
『『『!!!』』』
全員がものすごい勢いで振り返る。
そこにはポンコツイリーナ嬢が。
しまった!俺としたことが! 北千住のラノベ大魔王ともあろうものが!
テンプレ中のテンプレ!冒険者になって金を稼ぐ!
自分がスライムになってたからすっかり頭から外れてた。
「ローガ! ヒヨコ隊長!」
『『ははっ!』
「金になりそうな魔物を狩りに行くぞ! ギルドに大量に持ち込むのだ!」
『『ラジャー!』』
ローガ達狼牙族とヒヨコ隊長率いるヒヨコ軍団が森の奥へ散って行く。
「ヤーベ殿、みんな気合が入っているようだが・・・?」
イリーナが大丈夫かといった感じで聞いてくる。
初めての買い物だからね。
みんなも気合が入っているみたいだね。
そして次々運ばれてくる狩られた魔物たち。
狼牙族は元より、ヒヨコたちもバシバシ獲物を狩ってくる。
すげーなコイツら。
目の前に山のように積まれていく魔物たち。
よく見るウサギやイノシシの他、クマや巨大蛇それから・・・コレなんだ?
ライオンみたいですが、あ、尻尾がヘビですね。よくこんなの居たね?君たちどこまで行って来たの?
『はっはっは、ボス!大量ですぞ』
ローガがうれしそうに報告してくる。
「よしよし!早速ギルドに納品して換金しようじゃないか!」
ローガやヒヨコ隊長を労いながらワクワクして出発しようとする。
「ヤーベ殿、どうやって・・・?」
「!!!」
『『『!!!』』』
全員がものすごい勢いで振り返る。
そこにはやっぱりポンコツイリーナ嬢が。
「どーやってって・・・イリーナが?」
イリーナに押し付けようとする俺。
言われてみれば、俺が冒険者ギルドに狩った(というか狩らせた)魔物を持ち込むわけにはいかない。であれば、現在ギルドメンバーであるイリーナ嬢に働いてもらうしかない。
俺は元より、ローガやヒヨコ隊長にギルドに行かせるわけにも行かないしな。
「わ、わわわわたし!?」
「そう、たわし。いや、わたし」
「い、いいいいやいや、無理だろう。どう考えても私が倒したって信じてもらえないぞ!」
自分自身で盛大に宣言するイリーナ。自分で堂々ポンコツ宣言。ブレてませんね。
『確かに、イリーナ嬢の腕前ではこれらの魔物に瞬殺される可能性大ですから・・・、狩ったと持ち込んでも怪しまれるかもしれませんな』
ローガが心配する。結構遠慮なく失礼だが、それも心配しての事だな、うん。だからと言ってイリーナでなくてヒヨコが持ち込んでも信じてもらえないだろうけどな。ヒヨコの方は真実の狩りの結果だが。
「いいコト思いついた! イリーナは師匠の代理として、師匠の狩った魔物の換金を頼まれただけってことにしよう!」
「師匠?」
「そう、師匠。だから、師匠の依頼だから、詳しいことはわからないって言って逃げちゃえばいいんだ。どうせ魔物を渡せば終わりなんだし」
代理作戦、いいかも!
実にシンプル。
「そうか・・・、とにかく師匠に頼まれて魔物の換金に来た、と言えばいいのか?」
イリーナは改めて俺に確認を取る。
「その通りだ。簡単だろ。早速出発だ!」
「・・・どうやって持っていくのだ? この大量の魔物たち・・・」
俺たちは山と積まれた魔物たちの前で立ち尽くした。
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(自分で愛称呼んでます(苦笑))
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