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第167話 王都の邸宅を見学に行こう

ブックマーク追加誠にありがとうございます!

大変励みになります。

今後もコツコツ更新して参りますのでよろしくお願い致します!


「おお、皆さま、お揃いでございますな」


王城を出て、迎えの馬車が来ている場所まで歩いて行くと、出迎えてくれたのは宰相のルベルクであった。


「あれ、宰相のルベルク殿が王都の邸宅を案内してくださるのですか?」


「ええ、私が直接ご案内致しますよ」


俺の質問にストレートに回答してくれる宰相のルベルク殿。


「・・・ちょっと意外ですね。宰相であられるルベルク殿は日ごろからお忙しいでしょう? 私たちのような者に邸宅の案内など、それこそ、下っ端と言いますか、部下なり新人でも対応できそうな仕事と言いますか・・・」


俺は喋っていて少し失礼な言い方になってしまったことを後悔した。

暗に下っ端や新人でも案内くらいできるだろ、アンタみたいなお偉いさんはもっと別の仕事があるだろ、と言っているようなものだ。


「いえいえ、王国にとって大恩あるスライム伯爵の検討する邸宅をご案内するのは非常に大事な仕事ですからな。とくに、邸宅に対して王国から改善、改修費用の協力も検討しております。その打ち合わせなども現地の邸宅を見ながら行う権限も預かって来ておりますので」


「あ、そこまで検討頂いていたのですね・・・失礼致しました」


「いえいえ、お気になさらず。特に気に入った邸宅を見た時には一部改造、改修作業なども請け負いますのでご遠慮なくお申し付けください」


素直に頭を下げた俺に気にするなと言ってくれる宰相ルベルク殿。

まさか、邸宅を見た時に改修工事や改造対応をそのまま直接打ち合わせして対応してくれる気だったとは。実にありがたい話だ。いろいろ無理を聞いてもらえそうな気がしてくる。




俺たちは宰相ルベルク殿の案内で王家の馬車に乗せてもらった。

なんと10人乗りの豪華な大型馬車だ。奥さんズもリーナも一緒に乗ることが出来る。


王都の館についてだが、もともと、更地に一から豪邸を立てるのは今の王都では難しいらしい。だいたい土地がそんなに空いていない。

特に新興貴族が王都に家を持つことは最近あまりないらしい。

帝都に家を必須で持たなければならないのは伯爵以上だが、もちろん男爵や子爵といった貴族たちも大きくないものの邸宅を持っている者がほとんどである。


貴族たちはその家を世襲して行くため、そのまま何代も同じ家を継いでいく。最近は大きく貴族の爵位が変動する事も無いので王都の貴族住宅街はぎっしり詰まって空いている土地が無く、売りに出されたり、爵位が上がって家を移り変わる貴族もほとんどいない。


「そうしますと、新築で館を立てるのは難しいのですか?」


「ええ、ご案内するのは中古邸宅のみとなります。一応、ハーカナー男爵家の当主が亡くなり、館が火事で夫人も亡くなられたため、館を取り壊して更地に戻す作業をしています。ですが、そこは男爵の様な下級貴族が住む地域ですし、土地が小さめですので、スライム伯爵には向かないと判断しております」


ふーむ、中古住宅をリフォームする感じかな?


「それにしても、伯爵となると上級貴族、という感じになるのですか?」


「ええ、スライム伯爵は上級貴族になりますので、王城から一番近いエリアの館をご案内することになります」


「それ、何軒か選べるのですか?」


邸宅の見学に案内してくれるという話だが、3~4軒くらい見られるのだろうか?


「・・・実は、王城周りの上級貴族エリアでスライム伯爵クラスの御方にお勧めできる邸宅は1軒しかありません」


「一択ですか!」


さすがに奥さんズも驚いている。いろいろな家を見てわいわいと意見を言い合いたかったのだろう。


「・・・スライム伯爵って、慣れないと呼びにくいですな、今まで呼んでいたヤーベ殿の名の方でヤーベ卿と呼ばせてもらってもよろしいですかな?」


「・・・私も家名を決めておきながら呼ばれ慣れていないので、ヤーベの名で呼んで頂く方がありがたいです」


宰相ルベルク殿の申し出に一も二も無く頷く。


「その邸宅の規模と立地条件だけは間違いなく超一流ですぞ。まさにヤーベ卿にぴったりですぞ」


「はあ・・・超一流の物が私に合うとは思えませんが」


「まあ、見てからご判断ください」


ニコニコしながら宰相ルベルク殿は説明するのだった。





やがて馬車が通りを曲がり、敷地内へ入って行く。敷地内に入ってそのまま馬車が進んで行くという事は、かなり広い庭があるという事だろう。

そして、馬車は邸宅の玄関前に停止する。

ドアを開けてくれるので、俺と奥さんズとリーナは馬車から降りた。

俺たちの目の前には巨大な豪邸が鎮座している。


「・・・ここって・・・」


「ええ、元プレジャー公爵邸です」


「やっぱり・・・」


あのプレジャー公爵は現在拘束されているが、その夫人も子供たちも総じてあくどい事をやっており、全員が拘束されている。プレジャー公爵家は完全に取り潰し、財産は完全に没収が決定していた。一部使用人たちも質の悪い者達は捕縛されているという。


「完全に接収したばかりの物件をそのまま下賜するわけですね・・・」


ちょっとばかり遠い目をしてしまった。

さすが悪徳公爵家。無駄に邸宅がデカイ。圧倒的にデカイ。

外から見るだけではわからないが、俺と奥さんズとリーナが生活するなら、この10分の1でも十分だろう。死ぬほどメイド雇わないと掃除もままならないのでは、と心配するほどのデカさだ。


「うわ~」

「お、大きいですね・・・」

「とてもリッパですわ・・・」

「こんなに大きいと落ち着きませんね」

「ふおおっ!ご主人しゃますごいでしゅ!」


イリーナが口をポカーンと開けて豪邸に見入っている。

ルシーナとフィレオンティーナは建物の大きさに驚いているようだ。そう、建物の大きさに。大事な事だから二度言おう。

サリーナはやはり庶民的な感覚だ。それも大事な事だな。貴族の生活に慣れる必要も無いしな。

リーナは安定のハシャぎっぷりだ。元気で何より。


デカい建物、玄関も立派だ。

庭も広い。池が無くて何よりだ。あっても手入れが面倒だ。

奥には馬車が10台くらいは余裕で止められそうな屋根付き駐車スペースと厩舎がある。俺はそんなに客を呼ぶつもりも無いしな。あそこはうまく改修すればローガ達の生活スペースが作れそうだな。ヒヨコたちの憩のスペースもいるしな。


「どうですか? ヤーベ様」


カッシーナが俺に問いかけてくる。カッシーナはプレジャー公爵邸のリサイクルを知っていたのか。


「カッシーナは知っていたのだな」


「そうですね。と言いますか、ここ以外に上級貴族向けの邸宅が空いていないというのが現状です」


肩を竦めて苦笑するカッシーナ。


「まあ、伯爵となったヤーベ様ならば、公爵家の建物をそのまま使っても問題ないかと思いますよ」


笑顔で太鼓判を押してくれるカッシーナ。

そうかな? 伯爵と公爵は結構差がある気がするが。

フレアルト侯爵辺りが文句を言って来そうな気がするが。それか嫌味とか。


「それに、ぜひともヤーベ卿にこの建物を引き受けて欲しい事情もあるのですよ」


「事情ですか?」


宰相ルベルク殿が建物を引き受けて欲しい事情があるという。事情ってなんだろう?


「館に入ればわかります。そのために出来るだけ改修工事のご協力はしますので・・・」


そう言って玄関へ案内してくれる宰相ルベルク殿。

一体どのような事情があるのだろう?

俺は首を捻りながらついて行った。


今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

大変励みになります(^0^)

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