表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

156/529

閑話21 王都に住む人々の幸せな日常②

ブックマーク追加誠にありがとうございます!

大変励みになります。

今後もコツコツ更新して参りますのでよろしくお願い致します!



「お父さん、焼き上がったパンはもう籠に盛り付けて並べて行くからね!」


「あいよー」


「もう30分で開店時間だよっ! 寝坊した分急がないとお店開けてもパンの数がたりないよ?」


「わかってるよ・・・昨日寄り合いで盛り上がっちまって、だいぶ飲んできちまったから・・・」


わたわたと開店準備に追われているのは「手作りパンの店マンマミーヤ」である。


流行り病で奥さんを亡くして以来、看板娘のマミとパン職人の親父さんの二人だけで店を切り盛りしていた。


妻を亡くしてから、商業ギルドの寄り合いに顔も出さず人づきあいが悪くなって客足も落ち込んだが、ヤーベの取り成しにより、店を盛り返すことが出来ていた。


「ヤーベさんに教えて貰った、『総菜パン』すごい人気だよね~」


先日様子を見に来てくれたヤーベより新しいパンのアイデアをたくさんもらったのだ。その目玉が『総菜パン』であった。


「昨日販売した焼きそばパンとコロッケパン、あっというまに売り切れになっちゃった」


先日初めて販売した焼きそばパンとコロッケパンが大人気で、口コミでお客さんにも情報が広がったのか、ここ2~3日ずっと来客が多い。


「特にコロッケ、おいしいんだよね」


焼きそばはお父さんが店内で調理しているが、コロッケはヤーベさんから紹介してもらった定食屋さんから朝一で毎日納入してもらっていた。


「ポポロ食堂」の姉妹が作るコロッケは本当に美味しかった。

しかもポポロ食堂の姉妹は自分と同じように流行り病で父親を亡くし、一か月前から母親も行方不明とのことで、本当に心配だった。

ヤーベさんに紹介された時も、継続してコロッケを買ってくれるとうれしい、みたいなお話があった。常に一定のお仕事があるって安心できるよね。

ウチもパンを焼いても全然お客様が来なかった時は本当に辛かったから。


そんな姉妹を応援しようと、コロッケパンの籠の前には「ポポロ食堂特製コロッケを使用した一番人気の総菜パンです」と案内を入れた。


このコロッケパン、冷めても実においしいし、これだけでお昼ご飯にもなると評判なのだ。


開店20分前になり、お店の窓板を外して光を取り込もうとしたマミの目の前に、人の行列が飛び込んできた。


「えええっ!?」


慌ててお店の扉を開けて外に出る。


「あれ?マミちゃん開店にはまだちょっと早いよね?」


一番先頭に並んでいるのは常連のトニーさんだった。


「はい、後20分くらいですが・・・何ですか!? この行列?」


マミは何が何だかわからない顔をして問いかけた。


「何って、コロッケパンを食べたくて並んでいるんだよ。だってコロッケパンや焼きそばパンは数量限定で売り切れたらその日は終わりでしょ?」


「確かにそうなんですが・・・」


見ればすでに10人以上が並んでいる。

現在毎日朝一番でポポロ食堂のリンちゃんがコロッケを届けてくれる。数は30個だ。ポポロ食堂もヤーベ直伝の「バクダン」なるコロッケに似た料理が大人気で毎日行列が出来ているとのことだ。そんな忙しい中、毎日朝コロッケを届けてくれる。


(うわ~、ポポロ食堂のリンちゃんとレムちゃんには足を向けて眠れないよ~)


マミはポポロ食堂の姉妹に感謝しながら手作りパンの店マンマミーヤの開店準備を進めて行くのであった。





「むう~~~」


大通りを唸りながら歩いている狐人族の美少女。喫茶<水晶の庭>(クリスタルガーデン)のオーナー、リューナであった。


ちょくちょく喫茶<水晶の庭>(クリスタルガーデン)に顔を見せてくれるお客、ヤーベ。だが、最近ヤーベは他の店でいろいろなアイデアを出して、そのお店の立て直しに一役買っていた。


ポポロ食堂の「バクダン定食」を食べた時は、シンプルながらその独創性にびっくりした。オーロラソースと呼ばれたソースに至っては耳と尻尾が逆立つほどの衝撃を受けた。


手作りパンの店マンマミーヤでは、ポポロ食堂のコロッケを使ったコロッケパンなるものが大人気で行列が出来ているらしい。そのほかにも焼きそばパンというものもあるらしい。


リューナは喫茶店を経営しているため、朝食にサンドイッチを出すことはあった。だが、焼きそばパンとコロッケパンはサンドイッチとは違う。あの発想はサンドイッチとは一線を画すものだ。


「むう~~~」


決して自分の店にアイデアをくれなくて怒っているわけではない・・・

そう言い聞かせるリューナ。


そう言えばふと今年も王国主催の行事で、王国一の甘味を決定する大会が開かれることを思い出した。


「以前にもたくさんケーキを買ってもらったこともあるし・・・ヤーベさんが今度お店に来たら、ケーキをサービスして相談に乗ってもらおうかな!」


リューナは過去一度もその大会に出場したことは無い。プロの料理人というわけでもない、ただ、自分のお店を持って、訪れてくれるお客様に少しでもおいしい物を食べてもらいたいだけ。

しかし今、ヤーベという存在が彼女に一歩を踏み出す勇気を与えようとしていた。


「ヤーベさん・・・来てくれないかな・・・」


リューナは自分の店にヤーベが来てくれることを待ち遠しく思った。


今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

大変励みになります(^0^)

他にも投稿しています。


ドラゴンリバース 竜・王・転・生

https://ncode.syosetu.com/n1684ew/


魔王様にテンセイ!

https://ncode.syosetu.com/n2011ew/


よろしければぜひご一読頂けましたら幸いです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ