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異世界・銀界「シルド」、ラウル王国城内にて私は蒼く染まる空を窓越しに眺めていた。


「あと少しで終わる。神としてもまた王女としても何もかも・・・・」


そう呟いた少女・・・・マルキノ・チルは満足げな笑みを浮かべる。


ここラウル王国はこの世界では国土が最も小さく、そのため軍事力はないに等しい。

そのうえ、周りが強国に囲まれなんとも絶望的な状況なのだが・・・・・。


「チル様。お食事のご用意が出来ました。冷めないうちにお越しくださいませ。」

コンコンというドアを叩く音と共に老人のようなかすれた低い声が続く。


「あ、ありがとう。わたしは後で食べるから先に食べちゃって」

「分かりました。あっ、そういえばチル様の思い人・・・・、いえ、あの少年の事なのですが・・・。

 使いの者の話によると、発現した魔法は『術式転換』(スぺクタル・エラー)。

 効果・条件なども全く不明らしいです。」


効果・条件=不明・・・・?


わたしは、少しの違和感を覚えながらベッドに腰掛け、執事長に問い返す。


「あ、あいつは思い人なんかじゃないわよ!!そ、それよりも何なの?

 その術式なんたらって?私の知ってるのでそんな魔法聞いたこともないわよ。」


「恐らく、今まではなかった異常事態イレギュラーというところでしょうか。」

執事長の言葉を続けるようにして、

「それとも・・・・。神のズノムを何らかの方法で手に入れたか。」


執事長は私の言葉に疑問を浮かべ、

「チル様、確かに方法としては破滅神典はめつしんでんを使えるとしたら、それは可能ですが

彼が魔法のカリキュラムを受けていたならば、魔法と考えるのが自然ではないですか??それとも、

神のズノムだという根拠でもおありで?」


・・・・・・。

そのあと、執事長は何かを思い出したように「私は仕事があるのでこれで・・・」

という言葉を残してチルの部屋を去っていった。


【『神の力だという根拠でもおありで?』】


執事長のこの言葉を否定するようにチルの重い口が時間をおいて開く。

「根拠なら知ってるよ。だって、『術式転換』(スぺクタル・エラー)って、昔に死んだあいつ

 の能力と全く同じなんだもの・・・・・・」



   ――――――― マルキノ・チルが死ぬまであと5日。 ―――――――――

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