仲間-3
「…解決した。」
光が俺を怖がらなくなったので一先ず解決と言えるだろう。
それにしても…意外だったな。
まさか皆が俺なんかにビビるとは…。
まぁ、偶然だろ。
「おう。お帰り。割と早かったな。さて…話したい事は山ほどあるが…まずはこれだけ言っておこう。」
「………私達の目的は色を消した集団の殲滅だ。…異論はあるか?」
ある訳ない。
やっと自分の居場所と存在価値を見出だせたんだ。
このチャンスをフイにする訳にはいかない。
「…よし。異論はないな。まぁ、その集団の居場所分かんないだけどな。」
「…どうしようもないな。この状況もあんたもな。」
「仕方ないだろ!私だって万能ではないんだ。」
ひ、開き直りやがった。
「…………………それは今はどうでもいい。…まずは能力について説明するべき。」
「おぉ、そうだったな。まずは属性についてな。
樹の属性は『森』。
紅は『火焔』。
光は『雷』
私は『重力』
そして水希は『水』と『氷』だ。
因みにこの属性は色に関係する。
何故私が『重力』かというと、単純に重力の色が黒だからだ。私達の目には見えないが、黒らしい。」
なんかよく分からないけど、重力って凄いな…。
確かにイメージとしては黒に近いとは思う。
「…何で俺だけ2つ?水色だからか?」
水と氷…。なんかチートじゃないか?
「…水色は原色じゃないんだよ。青と白を混ぜたものだ。だから2つ。青は『水』、白は『氷』だからな。」
氷って…イメージでは水色っぽいが白なんだよな。
なんか納得した。
「問題はこっからだ。勿論色を奪った集団は色を持っているから能力が使える。これに対抗する力を身につけないといけない訳だ。私と樹と光は2年程前からこの力に気付いていたから、ある程度使いこなせるが…紅と水希は…能力が暴走しかねん。さっきみたいにな。」
「…た、確かに。」←暴走した張本人
「…じゃ、特訓だな!」
「そういう事だ。幸いあっちにも私達の事を知られていない…はず。」
一々説得力ないな、この人。
水と氷か…。俺に使いこなせんのかな?
今までこんなことやったことがあるはずがない。
不安が募るのは当然のことであった。
「私達が使っている力の名前は『colors』(カラーズ)という。これを操るには何が1番大事だ?樹?」
「……………『イメージ』。」
「正解。例えば…紅?さっき、お前は何も教えていないのに能力を使えたな?」
そういえばそうだ。
紅はいきなり能力が使えていたな。
「…あの時は必死で…あまり覚えてないんだ。」
「…そうか。恐らく頭の中で火焔の雨をイメージしたのだろう。基本はそれでいい。イメージすればその力の名前も分かる。あの時出来たのは偶然じゃないんだ。」
俺も意識してないのに勝手に『ブリザード』って呟いていたな。
…今思えば完全に厨二じゃないか…。
あれは仕方ない。理性がほぼ飛びかけていたし、不可抗力だろう、と自分に言い聞かせる。