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colors  作者: 森坂 輝
仲間
7/12

仲間-2

コンコン、と部屋をノックする音が静な廊下に響き渡る。


「…光?俺だけど…。入っていいか?」


まず入らしてくれるのか?


…………………。


いつまでたっても返事が聞こえない…。


仕方ないので扉を無理やり開けることにした。


「…悪いが勝手に入らせてもらったぞ。」


光は俺を見た瞬間、部屋の隅まで逃げてしまった。


扉?壊したけど、多分問題無いと思われる。


「…光?」


気付けば光は小刻みに震えていた。


「…み、水希…。まだ怒ってる…?ごめんね…。私が悪かった…。だから…!」


そう言っている途中も俺の眼を見ていない。


あの気の強そうな光が泣いている。


「光。俺の眼を見て。もう大丈夫だから。」


「ひっ!無理よ!怖い…水希の眼が怖い…!」


…これは重症だな。


ここまで怖がられると思わなかった…。


「…俺はもう怒っていないよ…。もうあんな冷たい眼はしない。だから顔上げてくれ。」


「…本当に…?」


「本当だ。」


今はキレてないから大丈夫…のはず。


「……………。」


光は無言で顔を上げてくれた。


気の強そうな顔は涙で濡れていて、クシャクシャだ。


眼も泣いていたので赤くなっている。


「…な?大丈夫だろ?」


「………………。」


光は無言。まだちょっと震えている。


「…まぁ、今はいいから、これから少しでもいいから俺に慣れてくれよ。」


「…………気が向いたらね…。」


…やっぱりお嬢様か。


そうじゃなきゃらしくないとは思うが。


こういうやり取りも初めてだな。


喧嘩はしたことあるが、仲直りした事はない。


仲直りとは良いものなのだと、この時初めて実感した。



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