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可愛い子には要注意!  作者: 逢花 奏音
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episode.4 笑顔

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。如月先輩。」


「っ…////」


笑顔で、「よろしく」と言ってくれた遥にドキッとしてしまった。その優しい笑顔から目が離せず、顔を赤くしてずっと見ていた。それと同時に鼓動がドキドキと高鳴っていた。


(真崎君の笑顔を見ただけなのに…こんなドキドキするなんて…)


遥から顔を逸らして、速まる鼓動を聞こえないように抑えていた。

星名の方を見てなんだか様子が変と思った遥は…


「如月先輩、大丈夫ですか?もしかして具合悪いとか…」


「…っ!え…あ…ちょっと気持ち悪いだけ…」


「気分悪いなら、保健室行きますか?一緒について行きますよ?」


(真崎君って自分の事より相手の事を優先してくれるいい子だな…ここはお願いしたいけど…だけど…迷惑かけるわけには…)


心配する遥に対して星名は、甘えたいとこだったが迷惑をかけるのは悪いと思い…


「ありがとう。でも、大丈夫。さっきより楽になったから…」


「そうですか?無理…しないでくださいね?また気分悪くなったら遠慮なく言ってください。」


「うん、分かった。また…心配かけちゃったね…迷惑かけてごめんね…」


「迷惑なんて…そんな事ないですよ…俺って、困ってる人見るとほっとけないんです…迷惑なのは、如月先輩じゃなくて俺の方ですよ…」


「え…どうして…?」


「だって…今みたいに心配して…しつこいと思われてないかな…って、思うんです…」


遥は、相手の事を嫌な思いにさせてるんじゃないかと考えてしまい不安になっていた。落ち込んだ遥を見て星名は…


「そっか…ずっと不安だったんだね…分かるな…その気持ち。でも…私はしつこいなんて思ってないよ。」


「え…思ってないんですか?」


「うん。心配してくれる人がいて嬉しかったんだもん。少し楽になったの真崎君のおかげだよ?」


「…………」


「だから、そんな暗い顔しないで?真崎君は、笑ってないとダメだよっ、ね?」


星名は落ち込んでる遥が元気になるように、自分も笑顔で向き合って励ました。すると、遥は…


「ふふ…」


「…?」


遥は突然笑いだした。何が起きたのか分からず、星名は首を傾げた。そして、遥が口を開いた。


「あ、笑っちゃってすいません…(笑)実は、先輩の顔を見てから…」


「え…私の顔⁉」


遥が笑った理由は星名の必死に作った笑顔だった。どうやら…変顔してるように見えたらしい…それを見た遥は耐え切れず笑ってしまった。


「ほんとすいません…ふふ…笑いすぎですよね…(笑)」


星名の顔を見てツボにハマったらしくずっと笑っていた。その笑ってる遥を見てちょっとふくれっ面になっていた。


「もう…真崎君…あれでも頑張って元気付けようとしたんだよ…そんなに笑わなくても…」


「すいません…(笑)もう大丈夫です。先輩の言葉を聞いたら元気出ました。ありがとうございます。」


「ほんと笑いすぎ…でも、元気出たなら良かった。」


「はい。如月先輩って優しいですね。」


「え…そうかな?そんな事ないけど…」


「優しいですよ。その先輩の優しい言葉のおかげで元気出たんですから。ほんと感謝してます。」


「そんなに喜んでもらえるなんて思わなかったな…でも、ほんと良かった。こちらこそありがとね。」


「…っ////」


遥は、さっきとは全然違う星名の笑顔を見て顔が赤くなった。

その様子を見た星名が…


「真崎君?大丈夫?」


「え…あ…はい。あ、もうこんな時間。先輩、すいません。俺もう行かないといけないので失礼しますね。」


「あ…うん。」


星名に頭を下げて、遥が出ようとした時…


「真崎君!」


星名が言い忘れてた事を思い出し遥の名前を呼んだ。


「どうしました?」


「えっと…その…もし良かったらまた…逢ってくれるかな?」


「逢ってくれる」という言葉に遥は…一瞬考えた。しばらくして口を開いた。


「はい、もちろん。喜んで。ほんとは、俺が言おうかなって思ったんですが、先越されちゃいましたね…(笑)先輩、またお話しましょうね。」


「うん。またね。」


もう一度、頭を下げて部屋を出て行った。その部屋に残った星名は…


(元気になってくれて良かった…また笑ってくれたし…優しいって言われたのすごく嬉しかった…また、いつ逢えるかな…)


星名は、遥が元気になってくれた事を心から喜んでいた。初めて言われた「優しい」という言葉はよっぽど嬉しかったみたいだ。遥とまた逢う約束してすごく楽しみにしていた。














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