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◆ドロボー退治を終えて
「ただいまー」
夕暮れ時に帰宅して玄関のドアを開けると、血相を変えたママが視界に飛び込んで来た。
「しーちゃん、昼間に警察から留守電が入ってたんだけど、あれは何!?」
うえええ、最悪。
余計なことすんなよと内心ぼやきながら、あたしは慌てて誤魔化した。
「たいしたことないよ、もう解決したから気にしないで!」
別にやましいことはしてないつもりだけど、なんせあたしは今まで数々のトラブルを起こして、先月も病院のお世話になったばかり。
そんな状況でドロボー退治をしてたことがバレたら、大目玉をくらうのは確実だった。
だもんで愛想笑いをして取り繕ってみたけど、しかしママはあたしのはぐらかしを見逃してはくれなかった。
「何その格好、服とかボロボロじゃない」
「えっと……」
「言えないことなの!? 誰にやられたの!?」
ママは厳しい目で追及してくる。
…………しょうがない、観念して素直に言うか。
「オッサンにやられた」
するとママはその場で失神してしまった。
えええっ、ママどうしちゃったの!?