ご飯おかわり下さい
前話、彼らでおかず大盛り余裕ですの続きです
ねんがんのしなりおしゅうをてにいれたぞ!!
シナリオ集…買って良かった…
「姉ちゃんそれシナリオ集…って分厚いな、やっぱり」
私のシナリオ集を見て弟は呆れたように言う
甘いな、弟よ
「これ、二冊セット」
「…特典じゃなくて?」
「特典はこれの半分の薄さよ?」
紙も分厚めだし、イラスト多いからおかしくはないんだけどねーっと思いながら広辞苑位のシナリオ集をめくる
…たまらぬ
「で、姉ちゃん好きな幼なじみさんはなんか面白いのあった?」
聞いてくれるかマイブラザー!
私はこの後五時間位語り、弟に
「聞かなきゃ良かった…」
と嘆かれてしまった
弟よ、お前がギャルゲーで好きキャラについて夜通し語ったことを考えたら、まだましだ
そんな弟を軽く蔑みながら、パソコンを開く
さて、Wikiでの反応はっと…
ほうほう…やはりな…
「姉ちゃんアイス…あ、Wiki?」
頭が痛いとアイスを取りにいった弟が私に棒キャンデーを渡して横に座る
「うん、逆ハーエンドのその後話に波乱が」
絶妙なソーダとバニラ味を舌で楽しみながら、掲示板の反応を読む
「…さっき主人公によって同じエンドでもその後が全く違うって言ってたよな…えっと…微ボーイッシュ系一人称僕主人公、明るめあたし主人公、お嬢様系私主人公と姉ちゃんが大好きなデフォルト主人公だっけ」
「そうそう」
覚えててくれて、お姉ちゃん嬉しい
「その後ってハーレムメンバーといちゃいちゃするだけじゃねぇの?」
「んーとねー、いちゃいちゃの方向性が違うのよね」
例えば?とでかいカップアイスを貪りながら聞いてくる弟
弟は棒アイスはすぐ噛んでしまうから、カップしか食べない
ガリガリ君食べればいいのに、昔食べ過ぎてお腹壊して苦手になったのは今でも笑えるエピソードだ
「まず逆ハーエンドでも最終的には一番好感度が高い人とくっつくわ」
まあ、これに関しては別にいい
設定だけだし
「そのくっつくまでの話がね…」
特典を渡して読めと顎で促す
嫌そうな顔で空になったカップを流しで洗って捨てた弟を無視して、掲示板の書き込みを眺めた
「…主人公でここまで違うんだ…」
と癒やしを求めて自室に戻った弟から返してもらった特典を開く
このゲームは主人公が学園に入学して二年生の卒業式で終わりを迎える
僕主人公ならその後の卒業式に、あたし主人公なら大学生の時に、私主人公とデフォルト主人公は何時か記載なしで好感度が最も高い人物と結ばれる
特典では逆ハーエンドのお泊まり会の話が挿し絵付きで載っていて、僕主人公は甘酸っぱい、あたし主人公は爽やか、デフォ子ちゃんはラブコメであり、スレで話題になっているのはお嬢様主人公である
一言で表すとエロスである
エロス、酒池肉林である
他の主人公の話は二十ページほどだが、お嬢様主人公は数ページの漫画、一枚絵でも他の主人公は和気あいあいとしたものだが、お嬢様主人公は肌色が多くまさに女王様といった風体であった
お嬢様主人公にどんな思い入れがあるんだ、スタッフ…
パタリと特典を閉じ、シナリオ集を開く
まあ、彰平君の謎が解けて良かったよ
そのまま、シナリオ集を読んでいたが、どうやら寝ていたらしい
最後に開いていたページでなく、主人公の設定が開かれていた
デフォルト主人公と、通常主人公で内容を差別化すると製作者は言っていたけど
「まさか本当に別人とは」
私は買ったばかりの本を棚に仕舞い、ちゃんとした睡眠を得るためにベッドに潜り込んだ
デフォ子ちゃんとあーちゃんの夢が見れますように…
攻略キャラの数は考えていません
とりあえず一部活に一人居ると考えてもらえばいいです