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目指すは逆ハーエンド!  作者: 122番目
本編
5/13

目標達成しました!

主人公、目標を達成する回です


彰平君のイベントが発生します

二年生、夏の定期考査終了の翌日の放課後


私は事前に約束したて旧校舎の裏にある一本の大きな木の下で、彰平君と向かい合わせで立っていた


ゲームでは告白場所であり、季節によって背景が変わっていた


…やっぱり、彰平君格好いいですわ


分類的にはクールキャラだけど、幼なじみキャラでもあるので、絵崎君や麒麟寺副会長、星野先輩に比べて彼の表情は柔らかい


今でも、事前に言っていたとはいえ、定期考査後の図書室当番の代役を探すのは大変だった筈なのに、迷惑そうでなく、私のことを心配してくれている


…あぁ、彼に他のみんなのように焦がれるように見られたらどれだけ幸せだろうか!


想像した情景に歓喜で胸が溢れるのを抑えつけながら、用意していた台詞を彰平君に伝える


「あ、あの、私…その…」


あ、あれ?何で、声が震えてますの?


「し、彰平君のことを…」

「落ち着け、ゆっくりでも聞いてやるから」


肩を優しく宥めるように叩かれる


思わず俯いてしまった顔と触れられた肩が熱い


「…顔、赤いぞ」


心配気に下からのぞき込まれ、思わず顔を上げてしまう


「し、下からのぞき込まないで下さいませ!」


悪い、悪いと軽い謝罪と共に立ち上がった彰平君は、腕を軽く引いて真っ赤になった私のおでこと彼のおでこをコツンと合わせた


それは彰平君ルートで出てくる一番最初のスチルで、ルート発生キタと今までのように喜ぶべきなのかもしれない


けど、今の私にはそんな余裕は一切なくて…



顔、近い

じっと私を見る目に、心臓が破裂してしまいそうなほどドクドクと動く

聴こえたらもっと心配してくれるかな…?

緩く顎に添えられた手のせいで、キスされるみたい


…キスして欲しい


そっと目を閉じようとする前に、彰平君は離れてしまった


「…熱はないみたいだな」


安心したように微笑む彼を見て、嬉しいのと共に胸がズキリと痛む


「心配、してくれましたの?」

「…?あぁ、まあ幼なじみだし体調悪そうなら心配するだろ」


そう言って笑う彼は、穏やかでとても素敵で…心の中で何かがはまり込んだ感覚がしました


今なら、あの考えてた台詞も本心で言える気がします


「…彰平君」


彰平君は黙って聞いてくれています


「好きです」


皆さんにはきちんと、お断りをします


こんなに苦しくて、誰かを愛しい気持ちを私は蔑ろにしていたのです


恨まれるでしょう…でも


「私は貴方が好きです」


気づいてしまったのです


彰平君が毎日放課後会いに行っても少し面倒な顔をしつつも、きちんと相手をしてくれる優しさに


校則違反ぎりぎりのスカートや本の延滞を図書委員の仕事じゃなくて、私の事を考えて言ってくれる少しお節介なところを


「付き合って欲しいなんて、今は言いません…」


今回の定期考査でも、わからない所を聞いてみた翌日、机の中に関連した問題を解説つきで入れて置いてくれる世話焼きなところを


「私を幼なじみじゃなくて…」


差し入れの入れ物を返すとき、いつも可愛いラムネと感謝の小さい手紙を入れてくれる気遣いを


「一人の女の子として、見て下さい…!」


ずっとずっと、愛しく想っていたことを


告白の後、緊張の余り目を強く瞑っていました


………。


無音


不信に思って目を開けて彰平君を見たら、彼はぼんやりとふらふらと目を動かし、私と目があった途端


「…う…ぐ…」


突然頭を抱えて呻きました


慌てて彰平君に近寄り、どうしていいかわからず、とりあえず背中をさすろうとした伸ばした私の手は勢い良く弾かれました


「だ…」


大丈夫ですか、保健室行きますか?彰平君


そう言おうとした私の口は、彰平君の言った言葉に何も言えず、無意味に開閉を繰り返すしか出来ませんでした



  「触んな、ビッチ」



どこかからゲームのエンディングの曲が流れてきました


訳がわからず、ただ彰平君を見るしか出来ない私を無視して彼は曲が流れる胸元の携帯を取り出すと、少し戸惑いながら電話に出ました


「…利里奈?」


その名前を私は知っています


咲乃利里奈、ゲームでのデフォルト主人公の名前

でも私が居るから彼女は居ないはずなのに…なんでその名前が…


穏やかで、でも楽しそうに会話する声は耳を通り抜け、彰平君をただ見つめていました


どう、して?

なんでぽっと出の女にそんな顔をするの?

彼女、居ないって言ってたのに…どうして!?


嬉しそうに、その電話の相手がとても大切だと、傍から見てもすぐにわかるほど絶えず柔らかな笑みをたたえ、その瞳は焦がれるような熱を帯びていて…


その瞳で私を見て!

張り裂けそうな叫びが胸を引き裂く


そんな私を嘲笑うように、電話が切れた彰平君は言いました


「俺はお前のことを女の子として見たことはない」


先ほどまでの熱が嘘のように、冷ややかな目で私を笑う


「お前は男を手玉に取り、振り回し、楽しそうに遊ぶ、そんな女だと思っている」


違うと叫びたくて、でも彰平君に告白するまでは、遊びだと思っていた事実が私の口を噤ませる


「八方美人だなんて言葉もおこがましい…お前はただの男狂いのビッチだ」


彼の優しい顔の下で、ずっとそう思われていた事実に血の気が引いていく


彼に取って私は…


「幼なじみでなければ、どうでもいい」


幼なじみでなければ、価値がない存在だったのです




彰平君は私に背を向けて立ち去ろうとし…、もう一度私の方を向き、大声で誰かに話しかけました


「見てたんだろ!もう俺は止めないから…好きにしろ!」


その声で私達がいた大木から鳥達がバサバサと空へ逃げていく


もう用件は済んだとばかりに、今度こそ立ち去っていく彰平君


何を…止めていてくれていたの!?


聞こうとした私を引き留めるかのように、旧校舎の木に一番近い出口が乱暴に開け放されました


「…星野、先輩?」


驚いてそちらをみた私に、そんな乱暴なことをするはずがない星野先輩が目に入りました

彼は無表情で扉を閉め、その後いつものように少しぎこちない笑みを浮かべながら私に話しかけました


「ここさ、天文学部の小さな部室があってさ…よく告白風景見るんだよね」


これは星野先輩とのイベントだとふと思い出し…血の気が引いた


見られていた…、いまの、告白を


今までの私なら嫉妬キタとか、これでイベントによる好感度上昇が…なんて不謹慎なことを考えていたでしょう…けど、今ならわかります


目が、焼け焦がしてしまいそうな目が私を見ている


いっそその目に焼かれて炭になってしまえばいいのにとぼんやりと思いながら、星野先輩が近づくとともに一歩、また一歩と足が下がっていく


その私に不信感を抱くように首を傾げながら、歩幅を大きくして私を捕まえようと手を伸ばしてきます


怖い、怖い、怖い!!


振り返って走り出そうとした私を、後ろから誰かが安心させるように覆いかぶさってきました

…いえ、違います。腰にゆるく固定された腕は…保護ではなくて


「捕まえた、深月」


麒麟堂副会長による捕獲だったのです


「き、麒麟堂副会長…」

「駄目ですよ、星野君。深月をいじめたら」

「そんなつもりなかったんだけどな…」


苦笑しながら、私から少し離れたところで止まる星野先輩

そしてそのまま麒麟堂副会長と夏休み、私とどう過ごすか私抜きで話が進められます


待って、離してください、私は皆さんに言わなければならないことがあるのです


口を開こうとすれば大丈夫大丈夫。と星野先輩に遮られ、私を妹と混同している麒麟堂副会長にはお兄ちゃんに任せたら怖いことはないよ。とを黙らせるように拘束を強めます


そのまま話していた先輩たちがあっ。と何かに気づいたように顔を上げた隙を狙って、腕から逃げ出し、彼らが見つけた生徒会長と風紀委員長で少し狭くなった新校舎への通り道を走り抜けようとしました


その途中、何かで足を引っ掛け、風紀委員長に…捕獲されました


「鳳凰堂、こけて怪我したらどうするんだ」

「塩塗って泣かす」

「えー・・・」


楽しげな会話、彼らの会話は耳を通り抜け、私はただただ震えていました


いつの間にか、旧校舎の大木の周囲にたくさんの男の人がいる


それは彰平君と山田君と加奈子を除いた攻略キャラのほぼ全員が、ギラギラと、欲に染まった目をしながら私を見ていて…


「い、いや…」


私は彰平君が好きで貴方たちの気持ちに応えられませんって

今まで振り回してごめんなさいって


言わなくちゃいけない言葉は頭をぐるぐると回るのに、口から出るのは無意味な言葉だけ


流れるような動作で私は一歩一歩、旧校舎から離され、少し離れた駐車場へと連れて行かれます

歩こうとしない私に焦れたのか、担任の先生にお姫様抱っこで抱き上げられました

私の顔色の悪さと、震えから他の学生たちは納得したように道を開けてくれます

旧校舎に揃っていた彼らも不審に思われない人数しかそばにいません

けど、逃げようとしたらすぐ捕まえられるよう近くにいるのはわかっています


軽快なクラクションの音が、私の耳にはまるでお話の終わりを告げる鐘のように聞こえました

保険医の先生のボックスカーで、中には二人分のスペース以外すべて人で埋まっているのが見えました


あそこに入ったら、私は…!


「…先生、私…!」


気を振り絞ってようやく言おうとした私の口は、先生の大きな手で覆われ、先生は私の耳で囁くように言った


「大丈夫だ」


大丈夫じゃない、私はみんなに謝らなければいけないのです


「大丈夫…お前が誰か一人を選べないのなら構わない。俺を…俺たちをみんな愛してくれればいいさ。俺たちは俺たちなりでお前を愛するから」


だから言わないでくれと、聞きたくないと口に先生の指が入り、舌を弄ばれる


嫌、嫌…誰か助けて…!


精一杯伸ばした手は愛おしげに絵崎君に捕らえられ、助けを求めた彼は、私の想像の中でさえ振り向くことはなかった


そして、ボックスカーの扉は閉められ、私は絵崎君の避暑地兼アトリエの山間深くの別荘にみんなとともに連れてかれたのでした…



Congratulations!!

逆ハーレムエンド、クリアおめでとうございます!!

全イベントスチル一覧公開の条件が揃いましたので、ぜひMenuに戻って見ていないスチルを確認して下さいね♪

では、また次の素敵な恋で会いましょう


幼馴染ではなく女の子として意識してもらおうと、頑張ったお話でした


主人公の一人称がぶれていますが、これには理由があります

まず第一話ではトリップ出来たことでテンションが上がってしまっている状態

第三話では少しの苛立ちによる口調の変化と、お嬢様系主人公を意識してる状態

今回はお嬢様系主人公の演技が、告白によって演技でなく素で好きだという気持ちが出てきて、演技をやめたため少し丁寧なですます口調

という、設定という名の言い訳です


キャラがたくさん出ましたが、未設定なためご容赦願います


麒麟寺副会長は妹イベント発生後、秋の文化祭終了まで主人公を妹としか見ていません

深月という名で主人公を呼びましたが、主人公は深月という名前ではありません

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