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夢解  作者:
9/22

依頼人 風見章吾

 元気にしているかね、淑。ミウミをいじめてはいないだろうね? 

 今回ファックスを送ったのは、依頼人から苦情が殺到していることを伝えようと思ってね。私が紹介した夢解の人から、もう大分経つのに何の連絡もないってね・・キミのことだから大方、面倒くさくて依頼を放り投げてるんだろ?

 キミは腕がいいのに、動かないのがネックだ。働きたまえ淑!キミに、良い言葉をあげよう。

 働かざる者食うべからず。 


以上

            野辺


「っんな言葉いらねぇよ!クソ教授!!!」

 丸まったファックス原稿が、壁にぶち当たる。こうして、淑の事務所はどんどん汚れていくのだ。

「せめてゴミ箱に入れてくださいよ・・」

 ミウミのため息は、今日も止まらない。

「大体、ここのことを勝手に紹介しやがって・・名誉棄損で訴えてやるよ!」

「広めてくれてるんですから、名誉なんて傷つけられてませんよ!」

 ミウミの意見は最もだ。

「じゃあ、精神的ダメージを受けたとして訴えてやるよ」

 ダメージを受けるような精神なんて持ってないくせに・・

「とにかく先生!さっさと働いてください!」

「まぁた家賃がどうのって言うんだろ?」

 その言葉と同時に、ミウミは溜まりに溜まった家賃の請求書を淑に叩き付けた。

「先生、何か文句ありますか?」

「・・・すんません、働きます」



 依頼人、風見章吾かざみ しょうご二十八歳。 

 J大学医学部を卒業。付属病院の外科に勤めるものの、現在は休職中。頭脳明晰であり、性格は温和。周りからの評判は上々。

 内容は、彼が起きる時間が毎日遅いということ。彼は朝起こされるということはまずなかったが、今では家の者が起こしに行っても起きず、丸一日寝ていることもあるようだ。

 単なる寝すぎで片付けたいところだが、家族は彼の寝言に心配しているようだ。

           

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