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夢解  作者:
20/22

ミウミの失敗

「随分変わった夢だなぁ・・」

 平然とした顔つきで現れた淑は、淡々とした口調で話す。

「夢見る少年ってのは、時に臨場感溢れる夢を見るもんだ」

 淑の目に、気絶した空知が入る。

「安心しろミウミ。これは、俺と入った夢と何ら変わりない。ただ・・テレビゲームのしすぎってのも命取りになるんだな、夢がこんなにリアルじゃ気絶すんのも無理ない」

 淑にそう言われて、ミウミは心から安心した。

「たまにはいい上司を演じようかと、お前の家に様子を見に行ったらこれだ・・全く、面倒な部下だよ」

 会わせる顔がない。

「答えろミウミ。お前、この夢に入ってどうしようと思ってたんだ?」

 淑の静かな怒りが、ヒシヒシと伝わってくる。

「その・・ち、力になれるかなって・・思って・・」俯いたまま、声を震わす。

「なるほどな。で、力になった結果がこれか?お前、夢の中で気を失うことがどれほど危険か、忘れたのか?」

「お、覚えてます」

 気を失うと、下手をすれば一生目覚めることができなくなる可能性がある。

「半端な力で他人の夢に入ればどうなるか、忘れたのか?」

 言葉がでない。

「俺たち夢職は、夢に入ったら冷静さを保つ。己が夢に惑わされた状態でいたら、誤って人を殺すことになるんだよ」

「・・はい・・」

 涙が止まらない。

「自分は無力じゃないと、証明したかったのか?」

 痛いところを突かれた。

「私は・・」

「もし、そのために他人の夢に入ったとしたら、お前は無力以下。最低だ」

 本音は・・本心は・・そのためだ。だから、言い返せなかった。

「ミウミ」

「・・はい・・」弱々しい声。

「今回のこと、深く反省しろ」

 深く頷いた。

「二人を、夢から解放するっ」

 淑の力強い光が、辺りを包む。

「夢解・・」

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