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プロローグ

　初めまして諸君。私がこれから話すことは、夢についてだ。

　目を閉じて眠りにつくと、大抵の人は夢を見る。夢とは、現実のようで現実ではない、不思議な世界だとは思わないかい？死んだ人に会えたり、想いを寄せている人が現れたり、不可能を可能にする世界だと、私は考える。しかしその逆で、信じられないほど残酷な夢や、恐ろしい夢もある。どうにかして目覚めたくて、起きたら汗だくになっていることもあるだろう？

　人は時として夢に殺されることもあると思うんだ。うなされ、苦しみながら息絶える・・そんなこともあるんじゃないかとね。

　さて、今日のメインの話しをしよう。諸君は、この夢を利用して殺人ができると聞いたら、信じるかい？

　そうだろう、笑ってしまうのが当然だ。私も最初はそうだった。だってそうだろ？そんなことが可能なら、完全犯罪なんてお手の物さ。死人に口なし、証拠は何一つないんだからね。

　しかし、これが笑い事では済まされなくなったんだ。信じがたいが、近年起きた未解決事件の半分が、この夢による死ではないかと唱える連中が現れた。連中は最初、笑い者だったよ。誰も信じなかった。でもね、今じゃ連中を笑う者は誰一人いないよ。

　だって、彼等が次々と死にそうになった人々を救い出していったんだからね。

　彼等の組織名は「夢解」と言う。夢から人を解放する力を持ち、世界中に散らばっている。諸君等も、今は信じられないかもしれないが、もしこの中で夢にうなされている人がいるなら、私のところに来なさい。

　彼等を、紹介してあげますよ。　