美男と美女と宿屋で
二人が旅をする理由とは?二人は、小さな宿屋で食事をすることにした。
かくして。二人は出会ったのである。
「大丈夫ですか?たんこぶができてますよ」
「レティだっけ・・・サンキュウ!これくらい、いつものことだから」
「いつものこと?」
レティは少し首を傾げた。アーティスと出会ってから。二人は街道を抜けて、小さい村の宿屋に入っていた。どうしても、アーティスが食事をご馳走するというので、レティは誘いに応じたのだ。
その間、レティは、ジーと彼を観察した。
容姿は、かなり人間の中では「ハンサム」の部類。服装も、決して庶民が身に着ける服ではない。騎士・・・?もしくは、どこぞの上流貴族?
「レティは、どうして旅をしてるんだ?女の一人旅は危険じゃないのか?」
「・・・馴れてますから」
そう、レティは何回も過去、お仕置きで人間界に飛ばされていた。
(あくまでしつこいが王女である)
「アーティスさんこそ、どうして?どこかの貴族に見えますけれど・・・」
「あー本当にするどいな」
「こう見えて、一応人を見る目だけはあるから」
にっこりとレティは営業用スマイルで微笑む。今、その微笑に数人の男が倒れた。
ドガシャ!
そんなこともお構いなしに、二人は話を続けていく。
「最近、ここの国の王子が、王位継承式直前に、出奔したって風の噂で聞いたけれど。確か、名前は・・・アーティス・・・」
上目遣いで、アーティスを見る。彼が、にこりと笑う。
面白そうに・・・二人の間に、一瞬の緊張が走る。
けれど、アーティスは動じない。
「そう、俺だよ。すごいな。レティは」
瞬殺!
宿屋にいた過半数の女は、倒れた。
レティは、何ともない。人間離れした姿には、妖精界で見慣れているから。
「どうして、そんな人が旅に」
「それはね・・・」
「それは・・・」
思わず、レティも緊張する。
「世界が、四角だということをこの目で確認するためだ!!!!」
よろしくお願いします。