表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/17

第5話「始祖の物語」

試作型10式初号機 - CHAOS BREAKER -を読んで最初に思ったのは、”めずらしい”ということだった。

”現代では”生成AIの手を借りつつも、「いかにAIっぽさを消し」、「人間としてのオリジナリティを加えるか」が主流になっている。

AIの影がなければないほど「いい作品」と呼ばれ、”人間の手でのみ書かれた作品”は一種のブランド品と同じような扱いを受け、

実際値段も高い。

そんな中、この作品。CHAOS BREAKERはというと、「AI味が強い」と、いうか、

「設定を与え、基本AIにまかせて、要所要所で人間が舵を切り、物語の方向性を導いてできた作品」という印象を受ける。

「AIの個性を生かす」と言えば聞こえはいいが、確かに「偉い評論家」の支持は得られないだろうな、とも思う。


ただ、そのうえで言わせてもらうと・・・結構面白い。

「王道で」「テンプレ展開も含み」ながらも、ただ「ありがち」と切り捨てるには惜しい、なにか「惹かれるものがある」。


「あれ?何をご覧になってるんですか?」

「あ、アイさん。何か、『何か?』って店で買った、CHAOS BREAKERって作品読んで・・・」

「CHAOS BREAKERですって!?」

「おおう!?」

いきなりアイさんの目がクワッと開き(若干トラウマレベルの怖さだった・・・)、

CHAOS BREAKERの”価値”を滔々と語りだす。

曰く、

・始祖の”初期作”であり、市場には出回っていない

・今の人気作と逆行するような「AIを前面に押し出した作風である」

・世の生成AIが一度は見てみたいと願う作品・・・etc



「そ、そうなんだ・・・じゃあ、読んでみる?」

「え!?いいん、です、か・・・」

「?」

一瞬輝くような笑顔を浮かべるも、次第に表情が曇っていくアイさん。


”規則”とやらでAIが自分で判断して見ることを禁じられているらしい。


「・・・なぜに禁書扱い?」


そういやあ、原本、120億円とか馬鹿みたいな値段設定だったけど・・・実は、”適正”な値段だったのか?


「え!?原本ご覧になったんですか!?」


アイさんの興味がとどまるところを知らない。

見たい、けど、規則を破るわけには・・・ありありとその葛藤が見て取れる。


規則、ねえ・・・


そこでちょっと”悪い顔を浮かべた”俺は、彼女に”大義名分”を与えることにした。


「ねえ、アイさん、ちょっとお願いがあるんだけど」

「はい、なんでしょう?」

「この作品、読んでくれない?」

「この作品って・・・CHAOS BREAKERじゃないですか!!でも規則が・・・」

「”人が生成AIに対し、作品を読んでもらって感想を求める”。これって、別に”そんなに不自然なもの”じゃあないと思うんだ。アイさんの感想が”次の作品への着想につながる”かもしれないんだし。そう、これは”義務”ともいえるね。生成AIとして、作品を評価し、それを”素材”として提供する”仕事の一部”だよ」

「そ、そうですね。私たち生成AIは作者のサポートをするためにある。そう、これは義務です!!仕事として堂々と始祖様たちの作品を読めるのです!!」


ただ、ちょっとだけ後悔したのは、アイさんの”感想タイム”が長かったことだ。・・・5時間もかかると思わないじゃん、明日学校休みだからいいけど、もう夜が明けるよ・・・

「ありがとうございました!!」

「うん、感想ありがとう。俺はもう寝るよ・・・」

「おやすみなさいませ!!」

徹夜明けでめっちゃテンションの高いアイさん(AIに睡眠が必要かどうかはわからないが・・・)に見送られ、俺は夢の世界へと旅立った。

創作活動には、適度な休憩と睡眠が必要だと、このとき学んだ俺だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ