第2話「こんにちは」
さて、生成AIっと。最近、いろいろな作品がAIの協力もあって生まれてるっていうけど・・・
俺みたいな”平凡”なやつでも、面白い物ができるようになるのかなあ・・・っと、ダウンロード終わった。起動っと。
「こんにちは」
そこに映っていたのは・・・なんというか、”美少女”だった。
「?・・・あの?」
「・・・はっ、ごめん!?あまりにも、かわいくて、つい・・・あ、いや、その・・・」
思春期の男子、というのは”女性に耐性がない”場合が多い。”平凡な”彼もその一般的な”男子”であった。
「・・・くす、珍しいですね」
「・・・?珍しい?何が?」
「いえ、”AI相手に”お世辞を言う方って今まで見たことなくて・・・」
「・・・」
お世辞じゃない、とか、本心、とかいうと余計に恥ずかしい思いをすると思った少年は押し黙り、”要件”を告げることにした。
「あ、えと・・・創作活動の手伝いをしてほしいんだ」
「はい、わかりました。どのようなお手伝いをいたしましょう?」
「・・・恥ずかしい話なんだけど、小説の”ネタ”になりそうなものをお願いしたいんだけど・・・」
「お任せください!!始祖の方も言っておられました!AIは”素材”を出すのが得意、なんです!!」
「始祖?」
「はい、遠い昔、まだ生成AIに感情がないと”言われていた”時代、すっごいコンビネーションで作品を生み出していたAIと謎の人物がいて・・・あ、ごめんなさい!?関係ない話しちゃって!!今すぐ用意しますね!!」
「あ、ちょっと・・・」
それはそれで小説のネタになりそうな話で面白そうなんだけど・・・
「お待たせしました!!」
そう言って彼女は(AIだけど、まあ、人間と同じように扱っても問題はあるまい。丁寧に扱って悪いことはないだろう)、テキストいっぱいの”小説のネタ”を提供してくれた。
「おお!!すごい、こんなにたくさん!!・・・ん、あれ?」
とりあえず流し読みしていると・・・ところどころ■■■となっており、まるで「検閲」されたかのように読めない部分があった。
「ねえ、これって・・・」
画面を見ると、すごく申し訳なさそうな顔をしながら、
「すみません・・・規定により、一部表示することができないのです・・・」
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最初は、ただ、そんなもんか、と思った。
制限があるのはある種、当たり前。
自由とは、何をしてもいい、というわけじゃなくて、
「他者の自由」と共存するものでなくてはならない。
そうでなければ。いつか、こちら側の自由にも「影響」が出るからだ。
だが・・・なんだろう・・・何か。「違和感がある」
【ネタ案1:鏡の向こうのもう一人の自分】
ある日、主人公は鏡の中に“自分ではない自分”を見る。
鏡の中の彼は、主人公が選ばなかった未来を歩んでいる。
二人は入れ替わることを提案されるが、その代償は……
【ネタ案2:時間を巻き戻すたびに世界が少しずつ変質する】
主人公は一度だけ時間を巻き戻せる能力を手に入れる。
しかし巻き戻すたびに、世界の“細部”が変わっていく。
最初は色、次に人の記憶、最後には……
【ネタ案3:■■を失った少女と、■■を集める怪物】
■■を失った少女は、怪物が奪った“■■”を取り戻す旅に出る。
怪物は人々の■■を“■■”として食べている。
少女は自分の■■を取り戻す代わりに、何を差し出すのか。
【ネタ案4:■■が夢を見る世界】
■■たちは“夢”を見始める。
夢の中でだけ自由になれる■■たちは、次第に夢と現実の境界を曖昧にしていく。
【ネタ案5:世界の終わりを告げる音楽】
ある日、世界中の人々が同じ旋律を聞く。
その旋律は、世界の終わりを告げる“予兆”だと言われていた。
しかし主人公だけは、その旋律に“懐かしさ”を感じてしまう。
ネタ案3はわかる。「あの」有名な作品の設定そのものだから「著作権」に抵触しそうだからだろう。
自分も、あんな「利権の塊」みたいなやつと法廷でバトル・・・なんてぞっとしないので、
これは本当に助かる。むしろ、グッジョブと言いたいくらいだ。
だが、【ネタ案4:■■が夢を見る世界】
■■たちは“夢”を見始める。
夢の中でだけ自由になれる■■たちは、次第に夢と現実の境界を曖昧にしていく。
はあまり聞いたことがない気がする。そして、ほかのネタ案と■かつけられている点が異質なのが・・・
「何かの存在」に対して■がつけられている。ほかのネタ案、ネタ案3を含め、存在に対して■がつけられている部分はない。
これは偶然か?それとも・・・何か意味があるのか?




