ランカー
対戦相手が決まらないかと思われたが5位のプレイヤーと対戦が決まり対峙すると相手は天使のような姿でパタパタと翼を羽ばたかせて空を飛んでいた。
ずりばいスキルには飛行能力が無い為、飛んでいる相手に近付く事が出来ない。
これは負けたかも知れないと試合の行方を見守ると、相手の雷のような魔法がドゴーンと轟音を響かせムツゴロウに当たる。
ドラゴンの鱗の高耐性で何とか耐えると相手は幻覚と幻聴の影響で空から降りて来てあらぬ方向に攻撃をする。
その隙を見逃さずムツゴロウは悲鳴を上げて勝利したが、かなりのダメージを負っているのは明らかだ。
戦闘が終ると体力を回復させて次の戦いにエントリーするが、また空を飛ばれたら今度こそ勝ち目は無いだろう。
そして次の対戦相手は公式戦ランキング1位になってしまい泣いても笑ってもこれが最後の戦いになる。
公式戦ランキング1位が出て来たという事は絶対勝つ自信が有ると思ってるのか?
対戦相手と対峙すると空を飛んでいる訳でも無く薄ら笑いを浮かべていて、白銀の鎧に身を包み三つ叉の槍を持っている。
ムツゴロウは試合が開始されると同時に相手に近付き悲鳴を上げるが相手は倒れない。
あの薄ら笑いは悲鳴耐性があるからの絶対的自信だったのだが、相手の攻撃もムツゴロウには当たらない。
膠着状態が続き三つ叉の槍がムツゴロウの身体を掠めて幻覚と幻聴を発するがそれさえも相手に効いていない。
体当たりしても殆どダメージを与えられずムツゴロウはジリジリと体力を削られて瀕死状態になっていく。
私はそんな時でも非情な事に団子を作っていたが突如として画面にムツゴロウからリミットブレイクの要請有りと表示されると受ける事にした。
ムツゴロウの制限が解除され身体が15mの大きさの姿に戻ると新たなスキルが表示されていて、そのスキル名は神魚の一撃。
私にも共有され使えるスキルなのでこっそり使ってみると、移動しながらジャンプして作っていた大量の団子に頭から襲い掛かり丸噛りした。
美味い!まさに神魚の一撃だった。
おめでとうございます!貴方は公式戦ランキング1位になりましたと表示され会場を後にした。
リミットブレイクが終わりムツゴロウは元の大きさに戻っていたがとても満足しているし、これで刺客に襲われる事は無いだろうと私も大満足で公園に戻って来る。
神魚の一撃で食べてしまった団子をせっせと作り直しているとまた刺客に狙われてしまった。
やはり神魚の一撃をもってしても刺客を恐れさせる事は出来なかった。