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追い詰められている?

いよいよツバラ軍団と魔界の決戦が始まります。

 アキラが作ったホットケーキを前にしてアイリー、ケイティ、サラン、ラフィーユは固まっていた。すでにアキラのホットケーキを食べたことがある幹部たちもおとなしく着席している。

「それではアキラくんに感謝して、いただきましょう」

 サタンの言葉を皮切りに全員がホットケーキを口に運ぶ。

「あいかわらずの美味しさですね〜」

 ベリアルが喜色満面という感じで声を上げる。他の幹部たちも同じ意見だった。しかし初めてホットケーキを口にした4体の防具淑女は言葉を発すことすらできなかった。ようやくアイリーが「なにこれ……」とつぶやくのが精一杯であった。

 突然ラフィーユが大きな声を上げる

「これは幻惑魔法の類だな! そうでもないとこの美味しさは説明がつかない」

 その言葉に幹部たちが笑う。「私たちも最初はそう思いましたよ」とバアルとベリアルが声を揃える。

 絶品ホットケーキを完食して満足げな表情を浮かべる防具淑女たち。パズズが尋ねる。

「どうね? ジャガイモ、かぼちゃ、アキラくんのホットケーキ。どれね?」

 その問いに全員が大きな声で「アキラくん派!」と答える。それを聞いて照れながら笑顔になるアキラ。

 ラフィーユがサタンに改めて魔界への復帰を提案してきた。これまでの恨み辛みはホットケーキでチャラ。その代わり定期的にアキラの料理が食べたいという。サタンはアキラに了解を得た上で、その条件を飲んだ。そうするとこれまで禍々しいフィギアだったラフィーユが変化し始めた。

「タックさん、これは?」

 アスモデの問いにタックが答える。

「この防具たちは自身の望む形になりますから。ラフィーユさん本来の姿になるのではないかと」

 ラフィーユは完全に変形を終えると、人間でいう小学校高学年くらいの少女になった。

「あれ? おかしいな。もっと大人の気品あふれる美女になるはずなのに」

 ラフィーユが不満そうに漏らす。

「あなたの精神年齢が反映されているのではないですか?」

 サタンの憎まれ口に、キッと睨みつけるラフィーユだったが、お菓子で魔界を裏切るという子供っぽいことをした過去がある手前返す言葉が見つからなかった。

「まぁまぁサタンさん。あまりいじめたら可哀想ですよ」

「アキラくん、怖いおじさんが意地悪言うよ〜」

 アキラのフォローにウルウルした瞳でラフィーユが乗っかる。全員が「本当にしょうもないな」と苦笑したそのとき、ドーンという凄まじい音と衝撃波が外から聞こえてきた。

「コージー城のみなさ〜ん。大天使ツバラくんがあなたたちを殲滅しに来ましたよ!」

 少年のような無邪気な声が響く。

「どうやら敵が来たようですね」

 アスモデが静かに言うと、全員が外に向かう。廊下でアキラがテシオンに問う。

「今の声の主、彼が首謀者なの?」

「そうだな。久仁子ちゃんのことを実際にやったのはタヤンという小物だがな」

「テシオン、タヤンは僕がやるよ。人間、なめんな! その後、ツバラもぶん殴る」

「よっしゃ! あたしの出番も残しておけよ」

 そう言いながら全員で外へ出ると、そこにはツバラ、ノヒロー、タヤンが待ち構えていた。後ろにはおびただしい数の魔人たちが控えている。そのなかに懐かしい姿があった。

「ヒデくん……」

 ヒデキもアキラを視認したようで、どこかキマリが悪そうな顔をしている。そんな2人の思いなど関係ないと言わんばかりにツバラが声を上げる。

「さてサタンくんをはじめとしたコージー城のみなさん。まずは提案があります。どうでしょうか? 僕たちに降伏しませんか?」

 その問いかけにバアルが大きな声で答える。

「ふざけるな! 降伏なんてあり得ない。お前らその程度の数の魔人を従えたくらいで、いい気になるなよ。その戦力で我々に勝てるとでも思っているのか?」

 早くも交渉は決裂した。そしてサタンが落ち着いた声でノヒローへ語りかける。

「やはりあなただったんですね。残念ですよ」

 それに対してノヒローは覚悟を決めたように「サタン。あなたの時代は終わりだということですよ」と返す。

 一触即発。いつ戦闘が始まってもおかしくない状況でサタンが愉快そうに笑いだしたのだった。

「どうしたのサタンくん。最愛の息子を殺され、こうして追い詰められてとうとう頭がおかしくなったのかな?」

 サタンの高笑いを見ながらツバラがバカにしたように茶化す。それでもサタンはおかしくて仕方ないと言わんばかりに笑っている。

「ツバラでしたね。あなたもしかして本当に私たちを追い詰めているとでも思っているのですか?」

 マモンを殺され、多数の魔人を従えたツバラたちに囲まれている状況。どう見てもサタンたちは追い詰められている。なのにどうしてこうも笑えるのか。

「何言ってるの? 実際追い詰められているじゃない。魔界の長ともあろう者がこの状況がわからないとでも?」

 さらにバカにしたようにツバラが言うと、サタンは笑うのをやめて静かに言い放つ。

「何もわかっていないのはあなたですよ」

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