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悪魔が来たりてお母さん?  作者: ももらら
ぼっち高校生アキラ
9/125

私の分もありますよね?

和食が得意なアキラです

「ここがアキラの家か。なんだか落ち着くなぁ」

 そう言いながら大きく伸びをするテシオン。彼女はアキラの家のリビングでくつろいでいた。その間、アキラは掃除、洗濯、洗い物と忙しく動き回っている。「働き者だな、アキラは」。テシオンは素直に感心する。

 アキラの家事はただ片付ける、掃除するというものではなく「父さんが家で少しでも過ごしやすいように」という思いが込められている。それだけにふつうであれば見逃すような部分にも気づいて、しっかりと行き届いていた。「いますぐお嫁に出しても恥ずかしくないくらいだな」。テシオンはその手際の良さ、きめ細かさを目を細めて見ていた。

 じつは家に着いたときにテシオンも手伝いを申し出ていた。

「じゃあ僕は家のことをやるから、そこのソファにでも座ってて」

「あたしも手伝うよ。魔力を使えば家事なんて簡単にできちゃうから」

 その申し出をアキラは断った。

「こういうことはちゃんと自分でやらないとダメだと思うんだ。でもありがとうね」

 そう言われてしまうと、無理に手を出すわけにもいかずテシオンは緑茶を飲みながら、アキラが好きだという「ジャガイモの山」というお菓子を食べてくつろいでいるのだ。

「よし、とりあえず終了っと。晩御飯の仕込みも終わったし、ちょっと休憩!」

 そう言うとアキラはテシオンの向かい側に座った。そしてまだ訊いていなかった部分に切り込んできた。

「それでテシオンが人間界に来た本来の目的はなんなの? それによって家への滞在期間も変わるでしょう?」

「いやじつはさ……」

 テシオンはこれまでの経緯をアキラに話した。散々失敗を繰り返したこと。次に失敗すると消されること。針山や血の湖、アクマーランドなど、これまでに課された罰に対する愚痴が大半を占めていたが……。

「だから契約してくれる人間を探さないといけないんだよ」

「期限は決まっているの?」

「特に言われていないけど、無期限ということはないだろうね」

「そうなんだ……」

 短い付き合いとはいえ、ここまでのテシオンを見ていて上手く契約できる未来がアキラにはまったく頭に描けなかった。「消されちゃうのか……。ちょっと可哀想だな」と少し悲しくも思った。

「だからさぁ、悪いけどしばらく置いてよ。家の手伝いはするし、迷惑はかけないからさ」

「うん、契約取れるといいね」

「ありがとう。アキラは優しいな」

 そのときアキラのスマホにメールが来た。相手は父・カオル。

「どうした?」

「父さんから連絡。取引先の人が都合悪くなったから、今日の仕事はもう終わりだって。早めに帰ってくるってさ。ご飯の準備しなきゃ」

 久しぶりに早く父が帰ってくることにアキラは嬉しそうだ。「よかったな」とテシオンも自分のことのように嬉しくなった。

「で、今日は何を作るんだ?」

「今日は梅チャーハンと鯖の塩焼き。それときんぴらごぼうと味噌汁。食欲が落ちているときには梅が良いとネットにあったから」

「ふむふむ。美味しそうだな。楽しみだ」

「え? テシオンも食べるの?」

「当たり前でしょうが! あんたあたしの目の前でそんな美味しそうなものを食べて、指くわえて見てろとでも? 人でなし! 鬼! 悪魔!」

「悪魔はテシオンじゃんか……。もう仕方ないなぁ」

 そうボヤきながら、急遽もう一人分の夕飯を用意し始めるアキラ。「なんだかんだで用意してくれるんだよな。やっぱり優しいなアキラは」。今日会ったばかりの自分のために食事を用意してくれるアキラの人柄にテシオンは温かい気持ちになった。

 そうこうするうちに玄関から「ただいま」という声が聞こえてきた。

「父さん、おかえりなさい。お疲れ様でした。お風呂沸いてるよ」

「いつもありがとうなアキラ。おっ! 良い匂いだ。今日は鯖かな?」

「うん。ほかにもいろいろあるからね」

 ほのぼのした親子の会話を交わしていると、テシオンが奥から姿を現した。

「ん? お客さんが来ていたのか。アキラ、こちらは?」

「えっとね……」

 アキラが答えに窮していると、テシオンが指をパチンと鳴らした。

お風呂はご飯より先に入る派です。

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