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ロンギヌスの槍が相手?

コージー城に到着したパズズとタックをサタンたちが出迎えます。

 驚異的なタックの防具を土産にコージー城に帰還したパズズ。その後ろをオドオドした様子で付いていくタック。「ここがコージー城。魔界の中心部か。大丈夫かな?」。パズズの役に立ちたくてここまで来たものの、やはり外出する恐怖感が生まれる。「まさかとは思うけど、サタン様に謁見したりするのかな?」。そう考えるとますます不安に襲われる。

 タックの様子を見てパズズが優しい笑顔を浮かべながら緊張をほぐそうとする。

「大丈夫よ、タックさん。なんも心配なか。みんな優しかけんが、そがん緊張せんでもよかとよ」

「だといいのですが……」

 パズズは防具を褒めてくれたし、自分でも自信作ではあるが他の幹部がどのような反応をするのか。みんながみんなパズズのように優しいとはかぎらない。やはりどうしても緊張してしまうのであった。

「パズズ、ただいま戻ったばい!」

 元気よく声を発すると「パズゥ、おかえり!」という懐かしい声が聞こえてきた。

「テシオン! なんでここにおると?」

 驚くパズズをよそにテシオンの後ろから姿を現したアキラが挨拶する。

「パズズさん、初めまして。上条アキラです」

「なんでアキラくんもここにおるとね!」

 予想外の2人がいたことに驚嘆するパズズ。サタンがその疑問に答える。

「よく戻りましたね、パズズ。本当にお疲れ様でした。アキラくんが友人を怖がらせた首謀者をどうしても許せない、一発殴らないと気がすまないということで魔界まで来てくれたのですよ」

「あんた、自分があがん目に遭うて、それでも人のために怒るとねぇ。やっぱりすごか人ばい」

 サタンの言葉を聞いて感心するとともに自己紹介をする。

「アキラくん、俺がパズズばい。よろしく。あんたの料理本当に美味しかったばい。特にあの味噌汁はクセになる味やった。あ! もちろん他の料理も美味しかったよ。作ってくれてありがとうね」

 その言葉を聞いてアキラは「テシオンの仲間の悪魔ひとたち、本当に優しいな」と感じていた。「どういたしまして」と返しながら、パズズの後ろにいるタックに目をやる。

「パズズさん、その悪魔ひとがタックさんですか?」

「そうよ。天才職人タックさん。こがんすごか悪魔ひとがこれまで世に出とらんやったとがおかしか。本当にすごかとばい」

 パズズがベタ褒めするので顔を赤らめるタック。

「タックさん。パズズから話は聞いています。わざわざコージー城までお越しいただいてありがとうございます」

 サタンが優しく話しかける。そして深々と頭を下げた。

「外出が苦手なあなたをここまで引きずり出すようなことになって申し訳ありません」

 その姿にタックは心底驚いた。魔界の長、まごうことなきトップの悪魔が自分に頭を下げている。慌ててタックが口を開く。

「サタン様、僕なんかに頭を下げないでください」

 それでもサタンは頭を上げない。

「いま魔界に危機が迫っています。私の息子・マモンも殺されました。敵はロンギヌスの槍を使っています。あなたの防具だけが頼りです。本当に感謝しているのですよ」

 その言葉を聞いてタックは少し不安になる。パズズの依頼で防具を作ったはいいものの、まさか敵がロンギヌスの槍を使っているとは思いもしなかった。果たして自分が作った防具で大丈夫なのだろうか?と。

「サタン様、僕の防具は自分でも良いものができたと思っています。しかしロンギヌスの槍が相手となると、正直どこまでお役に立てるかわかりません」

 正直にそう伝えたが、サタンは穏やかな表情を崩さず答える。

「わかっています。ロンギヌスの槍といえば神話級の武器ですから、あなたの防具でも防げないかもしれません。しかしあなたの防具以外に対抗手段がないのも事実です。防げるかどうか、あなたが気に病む必要はありませんよ」

 てっきり「役立たず!」と罵られると思っていたタックは面食らう。そして「あの防具を改良する余地はないだろうか?」と思考を巡らせ始めた。

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