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めっちゃ硬い?

伝説の防具はどこに?

「それで僕に頼みたいことというのはなんですか?」

 タックの問いにパズズは単刀直入に答える。

「デモンズシールドがどこにあるか知らんね? あんたたちの祖先が作った伝説の防具やけど」

 パズズの言葉にタックは考えこむが思い当たる節がない。そこでフッサが口を挟む。

「私が小さいころ、親から聞いたのは。祖先のことを助けた悪魔がいて、お礼としてデモンズシールドを渡したそうです。ですからうちには残っていないですね」

 フッサの答えにパズズは「やっぱりなかよね」と小さく呟くが、タックに向き直って口を開く。

「タックさん、手先が器用で高か技術ば持っとるのはわかっとる。デモンズシールドとまではいかんでも同じような防具を作ることはできんやろうか?」

 それを聞いてタックは思い悩む。確かに防具的なものを作ることは不可能ではない。しかしデモンズシールドに引けを取らないクオリティで作ることはできそうもない。そもそもアクセサリー製作はお手のものでも鍛冶をやったことはないのだ。しかし自分を認めてくれたパズズのお願いだけにどうにか叶えたい。

「パズズさん、少しお時間を頂戴してもよろしいですか? 僕は鍛冶をやったことはありませんが、なんとなく作る工程はわかります。もちろんデモンズシールドほどの防具は作れないとは思いますが、どうにかやってみます」

「本当ね? やってくれるというだけでありがたか。そもそもタックさんが引き受けてくれんやったら、どうにもできんけん」

 うれしそうに答えるパズズを見て、ヤーサがふと思いつく。

「タック、防具じゃないけど以前作ったアレがあるじゃん!」

「アレ?」

「ほらあのめっちゃ硬いやつ!」

「アレかぁ……」

 2人には思い当たるものがあるようであった。それを聞いてパズズの表情が明るくなる。

「なんね。そがんもんのあったとね! そいば見せてくれんね」

 しかしタックはどこかバツが悪そうな顔をしている。

「見せるのはかまわないのですが……」

 どうにも歯切れが悪い返答にパズズも戸惑う。

「あの……見ても呆れないでくださいね」

 そう言い残してタックが奥の部屋へと姿を消す。しばらくしてなにかを手にしたタックが戻ってくる。

「これなんですけど……」

 そう言ってパズズに見せたのは、美少女をかたどった人形であった。いわゆる美少女フィギアである。

「これは……」

 パズズも言葉を失う。これが伝説の防具の代わりになる? どうにも理解できない。

「パズズさん。確かにこの人形を見たらそういう反応になるのはわかりますけど、これ本当にめちゃくちゃ硬いんですよ。前に棚から落ちてきて私の頭を直撃したとき死ぬかと思いましたもん」

 ヤーサにそう言われても人形で武器を防ぐというのは想像がつかない。それはタックも同じようで2人の間に沈黙が流れる。

「とりあえずどれくらい硬いかを試してみてはどうじゃ?」

 モシハの言葉にパズズは戸惑いながらもうなずく。

「そうやね。とりあえずヤーサさんの言うとおり硬いかどうかば見てみんとね」

 そうして全員で家の外に人形を持って出る。切り株の上に人形を置いたパズズは懐から剣を取り出した。

「この剣は伝説級ではないにしても幹部に支給される高級品。この剣で壊れるならちょっと使えんよ」

 そう言うと剣を振り上げ思い切り人形に向けて振り下ろした。

ガキン!

 鈍い音が響いたが、人形には傷ひとつ付いていない。逆に剣は真ん中から折れている。

「なんねこれ! 恐ろしく硬かばい。まさかこの剣が折れるとか思わんやった」

 驚くパズズ。胸を張るヤーサ。決まりが悪そうな顔のタック。

「確かにこれなら防具として使えそうやね。ただ……」

 やはり人形で武器を受けるというのは想像しづらいのか、パズズもどこか困った顔をしている。

「パズズさん。じゃあこの人形を作った素材を元にして武器を受けるのに適した形で作ります。同じくらいの強度は保てるはずです」

 タックの言葉にパズズが「お願いね」と返す。とりあえず訪ねてきた目的が果たせそうで、モハシやヤーサもホッとした顔をしていた。

 ただ一人、フッサは「うちの息子、いったいなにを作っているんだい?」となんとも言えない表情を浮かべるのであった。

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