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罠魔法発動?

マモン、絶体絶命です。

 バレているのであれば隠れていても仕方がない。しぶしぶヒデキは姿を見せる。タヤンも嫌そうな顔をしながらいっしょに出てきた。

「その魔人……石井ヒデキか。なるほど魔人にすることで契約書を改ざんしたというわけだな」

 マモンはそう言うやいなや、凄まじい速度でヒデキとの距離を詰める。雷鳴のような信じられない速度に「マジか! 速すぎるだろう」とヒデキは驚く。次の瞬間、腹部にとんでもない衝撃を感じた。

「ウゲェ」

 マモンのボディブローが深々と突き刺さったのだ。「ヤバい。これ死ぬんじゃないか?」。苦しみに悶えながら、ヒデキは考える。その一撃は交通事故にでも遭ったかのような威力であった。

「ふん。ずいぶん脆いな」

 そう言うとマモンは次にタヤンの顎を目がけてパンチを放ち、見事に命中させる。タヤンは言葉を発することもなく、その場に倒れこんだ。

 マモンの狙いは手数を減らすこと。複数人数を相手にする場合、強い相手からやるか、弱い相手からやるか。いろいろな考え方はあるだろうが、マモンは後者を選んだ。「たいして強くなかったとしても、チョロチョロされると鬱陶しいからな」。そう考えて、まずは最弱と思われる2体を狙ったのである。

「あ〜、多少修行したくらいじゃ戦力にならないねぇ」

 ツバラが呆れたように言う。それを聞きながらも、マモンは犬たちを1匹ずつ確実に消滅させていく。

「仕方ない。やっぱりノヒローくんと僕でやるしかないか」

 そう言うとツバラはマモンに剣で斬りかかる。

「言っておくけど、これもロンギヌスの槍と同じ効果がある武器だからね」

 笑顔でそう言いながら、鋭い斬撃を繰り返す。マモンが剣先に集中していると、ノヒローから魔法弾が打ち込まれた。ドンという大きな音が辺りに響いたが、マモンには当たらなかった。先ほどまでマモンが立っていた場所には小さなクレーターのような穴が空いている。「さすがはマモンということか」。その実力を評価しつつノヒローが新たな魔法弾を放つ。マモンは剣と魔法、その両方を躱しながら反撃の糸口を掴もうとしていた。このまま防戦一方ではジリ貧である。どうにか打開策を見つけないといけない。

「なかなか当たらないなぁ。マモンくん、すごいねぇ」

 感心しながら剣を振るうツバラ。ここまで攻撃が当たらないとイラつきそうなものだが、狙いは別にあった。攻撃を躱すマモンをある場所に誘導していたのだ。

 次の一歩、マモンが足を置いた場所を見た瞬間、ニヤリと笑い「ポンド」と呪文を詠唱するツバラ。マモンの足が泥沼のようなぬかるみにはまる。

「ふふ、どうこれで君の機動力は奪ったよ」

 ツバラが笑う。

「罠も仕掛けていたか。卑怯な手段がいくらでもあるな、貴様は」

 マモンが毒づいたとき、ノヒローの火炎弾が命中する。

「クッ!」

 致命傷ではないものの、その威力はなかなかのもの。マモンは吹き飛ばされる。

「やっと当たったぁ」

 ツバラがキャッキャとはしゃぎながら、ブーメランを投げる。その一刀がマモンの膝を削り取った。ジリジリと距離を詰めるツバラとノヒロー。「いままでのような動きは無理だな」。そう感じたマモンは逆にツバラたちの方に向かって足を踏みだす。

 その踏みだしは、いわゆる震脚であった。マモンの掌底がノヒローを直撃する。

「グワッ!」

 ノヒローは後方に吹き飛ばされながら「内臓がいったか?」と感じていた。魔法を封印すれば体術で。素早い動きを封じれば、また新たな一手が出てくる。「こいつどれだけ引き出しがあるんだ?」。マモンの戦闘能力に半ば感心、半ば呆れながらノヒローはなんとか立ち上がる。

「マモンくんすごいね! そしてノヒローくんダサぁい」

 ツバラの言葉に反論したいところであったが、とてもそれができそうにないくらいの大ダメージをノヒローは負っていた。

「いまだ!」

 ツバラがそう言うと指を鳴らす。その刹那マモンの頭上から網が被せられる。

「はい、これでゲームセット」

 イヤラシイ笑顔を浮かべながらツバラが歩みよってくる。マモンの体にはとてつもない重さの網が被さっており、完全に動きが封じられていた。

「いや〜、この罠魔法がムダにならなくてよかった。ここまで使うことはないかな?と思っていたんだけど、用意していた僕って偉いでしょう」

 無邪気に笑うツバラ。その顔をヒデキのほうに向けると、厳しく言い放つ。

「いつまで寝てるの? トドメを刺すならいま。早くしなよ」

 尋常じゃないダメージを負っているヒデキ。「無茶言うなよ」。そう思いながら、痛む体を引きずってヒデキがマモンに近づく。

 ボロボロになっているマモンが視線をヒデキに向ける。「あれは……まさか本物のロンギヌスの槍か?」。ヒデキの手に握られている武器を見て、マモンは驚いていた。「ロンギヌスの槍、天上界で厳重に保管されていると聞いていたが、よく持ちだせたものだ」。

 ヒデキは槍を構えると、マモンに対して話しかけた。

「マモンさん。あなたに恨みはないけど、こうしないと俺はテシオンに縛られた状態が続くから。悪いけど死んでくれ」

 そうしてヒデキはマモンにロンギヌスの槍の刃先を鋭く撃ちこもうとマモンに放っていった。

ヒデキがついにマモンにトドメを刺すのか?

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