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ボコボコにするからね?

昨日はいつになくたくさんの方が見にきてくださいました。誠にありがとうございます。少しでも面白い話になるよう頑張ります。

 会議室には重い空気が流れていた。魔界に関する(おそらく反乱だと思われる)計画とテシオンが実行した強制解魂についての報告で臨時幹部会議が発動されたのだ。幹部ではないがテシオンも同席している。

「天上界が全面的に戦争を仕掛けようというのではなく、一部の大天使が仕組んでいるということですかな?」

 バアルが重い口を開いてそう発言するとサタンが同意する。

「おそらくそうだと思われます。ゼウスにそれとなく探りを入れたのですが、天上界で特に目立った動きはないそうです」

 サタンの答えを聞いてベリアルは納得がいかないような顔で尋ねる。

「しかしそうだとして、その大天使は何を考えているのでしょうか? 魔界を混乱させて何がしたいのか」

 その問いにはアスモデが答える。

「これも予測に過ぎませんが、長年決して友好関係とは言えない私たちに大きなダメージを与えることで出世を目論んでいるということでしょう」

 その言葉にサタンが「どこの世界にも出世欲に取り憑かれた者がいるということです」とうなずく。その視線が一瞬、ノヒローに注がれた。「まさかバレているのか?」、そう危惧するノヒロー。サタンは言葉を続ける。

「今回の計画に関して、最初に気づいたのがノヒローです。彼が気づくのが遅れたら、もっと状況は悪くなっていたでしょう。ノヒロー、ありがとうございます」

 その言葉を聞いて、「ただの杞憂だったか」と安堵するノヒロー。

「わざわざそのような……。私を幹部に抜擢してくれたみなさんに少しでも貢献したいだけですから」

 そう遠慮がちに話しながら、ノヒローが言葉を発する。その様子を見てテシオンは率直に思っていた。

「気に入らないな」

 ノヒローからタヤンと同じ空気を感じたのだ。以前タヤンはサタンに媚びを売るために自分に喧嘩を仕掛けてきたことがあった。あのときと同じ感覚にテシオンは襲われていた。「そうだとしたら、アキラを事故に遭わせた黒幕はこいつということになるな。マジで許さんぞ」。そう考えると自然と表情が厳しくなる。その様子に気づいたマモンが声をかける。

「テシオン、どうしましたか? ずいぶん怖い顔をしていますよ」

 感情が顔に出ていることを指摘されたテシオンがハッとする。「いま気づかれるわけにはいかないからな」。そう思いいつもの表情に戻るが、眼前の敵と思われる悪魔に宣戦布告する必要も感じていた。そこでテシオンはハッキリとした口調で発言する。

「マモン様。今回あたしが世話になっている上條アキラくんが、魔界の手の者によると思われるトラブルによって大怪我を負いました。彼はいまだに意識が戻らない状態です。今回の黒幕がわかったら、あたしの手でボコボコにします! みなさんも魔界を危機に陥らせている敵に腹を立てているとは思いますが、みなさんの分も拳に乗せてボコりますから」

 テシオンの発言に幹部たちが青くなる。「アスモデが言っていたとおり、過去最大級の結界を張らないとマズイことになる」と。ただ1人ノヒローだけは「下級悪魔が何を寝ぼけたことを言っているのだ」と考えている。

 ノヒローも幹部になるくらいだから悪魔としての能力は高いものがある。本来であればテシオンの異常な潜在能力に気づくはずなのだが。出世欲が彼の目を曇らせていた。もしかしたら「こうあってほしい」という願望から目が曇っているのかもしれない。いずれにしろテシオンの能力を見誤っているのだ。

「もちろん私たちも怒っていますよ。でも今回のことでいちばん頭にきているのは、テシオンあなたでしょう。犯人はボコボコにしていいです。私が許可します」

 サタンからのお墨付きが出たことで、幹部たちは「結界どうしよう?」と真剣に頭を悩ます。しかしマモン、ベルゼブブ、パズズ、アスモデ……アキラの料理を食べたことがある幹部たちはサタンと同じ考えであった。

「テシオン、父上の言うとおり手加減は必要ありません。全力でボコボコにしてください」

「無関係のアキラくんを巻き込んだ罪は万死に値する」

「俺にも一発くらい殴らせてね。今回のこと、どがんあっても許せんけん」

「上司として言わせてもらいます。テシオン、業務命令です。敵をフルボッコにしなさい!」

 他の幹部たちは、別世界を巻き込んだのは問題だとは思っているが、なぜサタンたちがこれほど1人の人間に肩入れするのか不思議に思っていた。しかし魔界でサタンの命令は絶対である。テシオンが敵をボコるのは決定事項として幹部共通の認識となった。

 ただ1人、ノヒローを除いては。「下級悪魔め。来るなら来い。お前の存在自体を消滅させてやる。そしてお前が虫の息になった状態、その眼前で上條アキラにもトドメを刺してやるからな。絶望に打ちひしがれるがいい」。心の中で嘲笑いながら、そう考えるノヒロー。「その前に幹部たちを1人ずつ処理しないといけないがな。まずはマモン殺害をそろそろ実行するか」。目に暗闇を宿しながら、奸計を巡らすノヒロー。その様子をテシオンは冷たい目で見つめていた。

いよいよマモン殺害。ということはヒデキが久々に登場します。

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