絶望を与える?
アキラの記憶から犯人を見つけだすテシオン。激おこです。
ひとしきり泣いてやっと涙が止まったアキラ。
「ごめんね、みっともない姿を見せて」
謝るアキラだったが、テシオンはそれを否定する。
「何がみっともないんだ? これだけ泣いたのは、アキラがこれまで頑張ってきた証じゃないか。全然みっともなくないぞ。もしそれを笑う奴がいたら、あたしがボコボコにしてやる!」
その言葉に笑顔を取り戻したアキラを見て安心したテシオンは本題を切りだす。
「アキラ、犯人たちの車に見覚えはあるか?」
「黒い車だったけど、車種はわかんない。僕、車に詳しくないから」
そうなるとできることは1つ。テシオンはアキラに断りを入れる。
「アキラ、悪いけど君の記憶を覗かせてもらえるかな?」
うなずくアキラの頭に手を伸ばすテシオン。撥ねられるとき、アキラの眼前に迫る車の映像が見える。そこにはナンバープレートの数字がハッキリ見えていた。「掴んだぞ」。そうテシオンは思う。
「ありがとう、アキラ。犯人は必ず捕まえるから」
「テシオン、無茶しないでね。テシオンにもしものことがあったら……」
「大丈夫だよ。心配してくれてありがとうな」
アキラの危惧を吹き飛ばすように笑顔を見せるテシオン。
「明日また来るから、とりあえず自分の体の側にいるんだぞ。病院内くらいなら出かけてもかまわないが、あまり肉体から遠くなると意識体と肉体の関係性が薄れて、良くないことになるから」
テシオンの言葉にうなずくアキラ。「じゃあ」と言って、テシオンは姿を消した。
アキラと別れてテシオンは魔力を使う。陸運局のデータベースからナンバーを照合する。警察のデータベースにアクセスすると、車両は盗難車であることがわかった。「こっちからは辿れないか」。
次にNシステムにアクセスし、該当車両がどういうルートを通っているかを確認する。途中でシステムにかからないルートを辿っていたようで足取りは途絶えたが、ここからが悪魔の本領発揮である。地元の小動物、鳥、虫などの目に映った画像をすべて取り込んで追跡する。そうして山奥にあるスクラップ場に行き着いた。「なるほどね。ここが奴らの溜まり場か」。
試しに斥候ハチを放ち、あたりの様子を伺うとスクラップ場には10人ほどの男たちが集まっている。「見つけたぞ。死んだほうがマシというくらいの地獄を見せてやる」。そう嘯くとテシオンは現地へ移動した。
スクラップ場の建物内、男たちが話をしていた。
「せっかくあの美少女とお楽しみのはずだったのに、とんだ邪魔が入ったな」
「まぁ白馬の騎士は車で轢いたから、もう邪魔は入らないだろう。次に拐えばいいだけだ」
そう話す男たちにリーダーらしき男が言葉をかける。
「でもあの女、池森タカオの妹だよな? 池森が黙っちゃいないんじゃないか? あいつが暴れたら俺たち全員でもどうなるかわからんぞ」
その言葉を一人の男が否定する。
「妹を拐ってしまえば人質にできるから大丈夫だろう」
そう言うと10人全員が大きく笑った。その笑い声をかき消すようにテシオンが怒鳴る。
「お前ら、笑えるのも今が最後だぞ!」
言葉がした方に男たちが振り返る。絶世の美女がそこには立っていた。
「なんだ? お姉さん。こんなとこに1人で来て。俺たちを楽しませに来たのか?」
そう言って不用意に2人の男が近づく。刹那スパン!という音が響いた。首が2個床に転げ落ちる。
「なんだこいつ!」
「何が起こった?」
パニックに陥る残り8人。
「お前、何者なんだ!」
そう叫ぶ男の1人に歪んだ笑いを浮かべながらテシオンが答える。
「あたしか? あたしは悪魔だよ。お前らにとっては最悪の存在だ」
そう言うと、角と羽根、尻尾が現れる。そして圧倒的な憎悪と力が溢れてくる。
「悪魔? なんだこいつ!」
「おい、道具を持て」
各自、武器を手にテシオンの方を向く。
「ほう? やれるだけ抵抗してみろよ。バカなお前らに絶望という文字を刻みつけてやるから」
端で震える2人を見てテシオンが言葉を放つ。
「そっちの2人は女の子を拐おうとした奴らだな。お前らは簡単に死なせてやらないから」
そして「さぁやろうか」という言葉とともに、テシオンによる一方的な蹂躙が始まるのであった。
テシオンと不良では戦いにすらなりません。
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