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悪魔が来たりてお母さん?  作者: ももらら
暗躍する悪魔たち
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食事を作るアルバイト?

サタンをも虜にするアキラの手料理です!

 メンチカツをひと口頬張った途端、サタンの動きが止まった。そのまま目を瞑り、じっくりと味わっているようだ。アキラは「大丈夫かな? 口に合わなかったらどうしよう」と心配していたが、それを吹き飛ばすようにサタンが口を開く。

「これは極上の美味しさですね。私も長く生きてきてさまざまなものを食べてきましたが、そのなかでもこれは最高に美味しいと断言できます」

 ホッとするアキラの横でテシオンが「でしょう? そうでしょう? サタン様、これは反則級の美味さですよね」と声を上げる。するとおもむろにサタンはテシオンの方を向いて怒気を孕んだ口調になる。

「テシオン、ズルいですよ! 自分ばかりこんな美味しいものを毎日食べて」

 予想外のベクトルで怒られるテシオン。キョトンとした顔でサタンのクレームを聞いている。するとサタンは次にアキラへ向けて言葉をかける。

「アキラくん。私もここに置いてもらうわけにはいきませんかね?」

「え〜。さすがにそれは……」

 アキラが返答に困っているとテシオンが助け舟を出す。

「いやサタン様。さすがにそれは無理ですって」

「やる前から諦めるバカがいるかよ!」

 サタンの答えを聞いて「この悪魔も燃える闘魂イズムなのか。魔界って新日派?」と考えるアキラであったが、さすがにさらにもう1人が家に住み着くのは困る。アキラの表情を見て、サタンがバツの悪そうな顔をする。

「すみません。あまりの美味しさに我を忘れました。困らせてしまいましたね。ここに住むのは諦めます」

 サタンが正気に返ってホッとするアキラだが、予想していない提案をサタンから受けることとなる。

「アキラくん。大変申し訳ないのですが、これから私のためにも食事を作ってもらえないでしょうか? 毎日とは言いませんし、三食作ってほしいとも言いません。週に1回……いや数回でいいのでお願いできませんか?」

 飼い主を待つ子犬のような目で懇願するサタン。戸惑うアキラをフォローするようにテシオンが口を挟む。

「それってアキラが食事を作ってくれたとして、その度にここに食べに来るということですか?」

 テシオンの問いにサタンが意味ありげな笑いを浮かべて答える。

「それでは住ませてもらうのと変わらない負担になるでしょう。そこでこれの出番ですよ!」

 そう言ってサタンは30cm×20cmくらいの箱を取りだした。その箱を見てテシオンが驚く。

「まさか……」

「そう転送装置です」

 転送装置……異なる世界のものを自在に送ることができる夢のようなアイテム。魔界で開発され、トップシークレット扱いの重要な機材。それを上條家に設置しようというのだ。食事のためだけに。

「サタン様……さすがに機密事項扱いの機材をここに置くというのは」

「そうでもしないとアキラくんのご飯が食べられないでしょうが!」

 鼻を膨らませながら反論するサタンを呆れた顔で見るテシオン。

「仕方ないですね。3人分作るのも4人分作るのも変わらないですからいいですよ。作ったらこの機械に入れたらいいんですか?」

 アキラの発言を聞いてサタンは目をキラキラさせている。飼い主にやっと会えた子犬のような輝きに満ちた目である。

「ありがとうございます! もちろん食材のお金やアキラくんの人件費は人間界のお金でお支払いします。よろしくお願いします」

 大きな声で嬉しそうに返事をするサタン。テシオンはアキラに「なんか悪いね」と謝っている。

 気を取り直してテシオンがサタンに問いかける。

「サタン様。ここまでご飯を食べにきたわけではないですよね? あたしに用があって来たんでしょう?」

「そうでした。あまりの美味しさに忘れていました。大きなトラブルに発展しそうなことがありましてね。あなたの耳にも入れておかないといけないと思って来たのですよ」

「わざわざサタン様が自ら来るくらいですからヤバそうっすね」

 2人が話していると、アキラがローズヒップティーを入れたカップを運んできた。

「テシオン。お話、長くなるでしょう? 紅茶を用意しておいたから飲んで。僕は自分の部屋に戻っておくから。話がすんだら呼んでね」

 そう言って席を外したアキラ。サタンとテシオンはアキラにお礼を述べながら、現在魔界で起こっている問題について話すこととなった。

テシオンはサタンの話を聞いてどう反応するのか?

ご意見、ご感想など頂戴できると励みになります。よろしくお願いいたします。

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