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悪魔が来たりてお母さん?  作者: ももらら
暗躍する悪魔たち
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魔界侵略?

ヒデキ、まだまだ訓練が必要です

 ヒデキの疑問も当然といえば当然であった。マモンが毒入りのドリンクを口にして、弱ったところを襲う。トドメをヒデキが刺すというのが当初の計画だったからだ。しかしドリンクを飲んでもマモンにはなんの異変も感じられなかった。さらにはそのまま家に帰したのである。「どういうことだ? 聞いている話と違うぞ」という感想を持つのも当たり前だ。いまだ不思議顔のヒデキにタヤンが呆れたように答える。

「お前は本当に賢いのか、バカなのかわからんな。いいか? いきなりマモンを襲ってみろ。我々が手を下したことがすぐにバレてしまう。まずは奴の信用を勝ち取るのが大切なのだ。会合を重ねて、奴に我々は味方だと印象づける。そして誰と会うかを明かさないように伝えて呼び出すのだ。今日はいきなり誘ったからな。どこで誰が見ているかわかったものではない。確実に誰にも見られていない状況を作ってから計画を実行するのだよ」

 確かにマモンが帰宅中にタヤンが声をかけているので、他の悪魔に見られていないとはかぎらない。タヤンの言葉にヒデキは納得するものの心配なことがあったので、そのことについて質問する。

「しかし今日の会合。内容を父親のサタンには伝えるのではないか? どこで誰と会って情報を得たのか。それが伝わると、行動を起こした際にタヤンたちが疑われるのではないか?」

 こういうところは知恵が回るのだなとタヤンは感心しつつ答えた。

「大丈夫だ。心配するな。サタン、アスモデ、マモン、ベルゼブブ、パズズ……警戒しなければならないのはこの辺りだ。奴らの身辺には例のクモを張りつかせてある。先ほどマモンに見せたクモはあえて聖属性が強めにしてあるクモだ。斥候として使っているクモはさらに微量の聖属性しか持っていない。まず気づかれることはあるまいよ」

 さらにタヤンは「テシオンのところにも張りこませてあるからな。テシオンや上條アキラの動向もいつでもわかるぞ。お前が上條アキラに復讐する際には活用するといい」と付け加えた。

「それはどうも」。ヒデキがそれだけ答えると、タヤンは厳しい顔になって言う。

「とりあえずお前はまだまだ訓練を続けなければならない。すぐに訓練を再開するぞ。今日はマモンの顔、そして奴の力を見せるためにここに呼んだのだ。お前にもわかったであろう。圧倒的な力を持っていることが」

 確かに今日見たマモンは凄まじい力を内包していることが見て取れた。「あれに俺が勝てるのか? トドメなんて無理じゃないか」。そうヒデキは感じていた。「毒で弱るといって、どの程度弱るのかもわからないし、即殺されることだけはないようにしないとな」。そう考えてヒデキは訓練を再開するのであった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「大天使が関わっているというのか!」

 サタンは驚きを隠せなかった。ゼウスと結んでいる不可侵条約。いまのところそれを覆すようなトラブルは起こっていない。マモンの報告が正しいとしたら、跳ね返りの大天使が独断専行しているということであろう。「マズいことになったな」。そう呟くサタン。アスモデも眉間にシワを寄せて考えこんでいる。

「ノヒローが得た情報が間違っていないという確証はありません。奴が私に嘘をついている可能性もあります。しかし情報が正しかったとしたら、備えておかなければならないでしょう」

サタンは不愉快な表情でマモンに問う。

「斥候を放ち、契約書の改ざん。次に考えられることはなんだと思う?」

「魔界を混乱させるとしたら、考えられるもっとも効果的なやり方は父上の命を奪うことでしょう。しかしそれは簡単には叶わない。そうなると私ははじめとした幹部の命を狙うというのが妥当な線かと」

「やはりそうなりますかね」。アスモデが口を挟む。

「いずれにしろ身の回りにじゅうぶん注意することが肝要かと思われます。私もそうですし、アスモデやベルゼブブ、パズズといった父上の考えに賛同している幹部は特に注意しなければなりません」

 マモンの言葉を受けてサタンが口を開く。

「確かにそうだな。事は急を要する。ベルゼブブとパズズをこの場に呼んで話をしよう」

 サタンがそう言うと「すぐに召集をかけます」とアスモデが動こうとしたが、ピタリと止まってサタンに聞き返した。

「サタン様。テシオンへの連絡はどうしますか? 石井ヒデキの契約書、彼女が持ってきたものです。それを改ざんされたとなると、彼女への連絡も必要だと思うのですが」

「そうですね。ではベルゼブブやパズズと話した後で、テシオンにも連絡しましょう」

 サタンがそう返すと、「かしこまりました」とアスモデが答え、緊急招集の準備のため部屋を後にした。

 その様子をクモを通して見ていたノヒローとタヤンは嫌らしい笑みを浮かべていた。

「ノヒロー様、奴ら混乱していますね」

「まずは上々。ここからさらなる混沌へと導こうぞ」

 2体の悪魔は自分たちの企みが上手い方向に転がっていることに喜びを隠せないのであった。

緊急招集会議はどのようなことになるのか?

ご意見、ご感想など頂戴できると励みになります。よろしくお願いいたします。

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