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悪魔が来たりてお母さん?  作者: ももらら
充実ライフ!
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憧れの存在?

ユキヒロくんはアキラを手本としています

「美味っ!」

「兄貴、美味いっす」

「アキラっち、本当になんでも美味しく作るね」

 最初にアキラが出した牛肉コロッケを食べながら、みんな絶賛している。テシオンに至っては恍惚の表情を浮かべながら無言で味わっている。

 久仁子はフーフー冷ましながら、ひと口食べて「熱い! でも美味しい」と感想を漏らしているが、その姿にアヤメは見惚れていた。「本当にこの子、可愛い。こんな可愛い子がアキラくんを好きなんだ。この2人ならお似合いだな」。そう感じながらアヤメは次に出されたメンチカツを食べる。なぜかその味は少し苦く感じた。

 奇跡はその様子を見ながら「これはマズイ」と感じていた。「カノンとクララは諦めモードに入っているけど、アヤメンは自覚がないままアキラっちを好きなんじゃないかな?」。

 一方、カノンとクララはユキヒロに興味を持っていた。

「ユキヒロくんって学校終わってからどうしてるの?」

「僕は部活に入っていないので、家に帰って掃除や洗濯をやっています」

「アキラくんと同じじゃん!」

「僕、上条さんみたいになりたくて。家のことを頑張る上條さんを見習っているんです」

「偉いねぇ」

 カオルはその話を聞いて嬉しくなった。「アキラが頑張って、それを見習いたいという子がいるなんてなぁ」。感慨に浸るカオルの横でタカオがアキラに声をかける。

「アキラ、それだけじゃないぞ。ユキヒロはお前みたいになりたくて中学に入ってから空手を始めたんだよ」

「そうなの、ユキヒロくん?」

 アキラが笑顔になる。

「はい。タカ兄が上條さんに助けられた話を聞いて、僕も友達を助けられるように強くなりたくて」

「僕はタカくんを助けたというほどのことじゃないけど」

 アキラが照れたように話すのを見て、タカオは「アキラ、お前まだそんなこと言っているのかよ」と呆れながらも嬉しそうに言う。

「ユキヒロくんはどこの道場に通っているの?」

「大井川町の剛道会館です」

「そうなんだ! 僕もそこに通っていたんだよ」

 その話を聞いてカオルが口を挟む。

「剛道会館か! 竹原は元気にしてる?」

「おじさん、竹原師範を知ってるんですか?」

「うん。竹原とは大学の同期で、同じ空手部だったんだ。それもあってアキラは竹原の道場に行っていたんだよ」

 カオルもアキラといっしょに一時期道場に通っていて師範代を務めていた。そのことを伝えるとユキヒロが嬉しそうに話す。

「だから師範は上條さんのことを気にかけているんですね。僕が上條さんの家に行くことを伝えたら、『よろしく言っておいてくれ。たまには道場にも顔を出せとも言っておくように』って」

「そうだ! マサト兄ちゃんにも同じこと言われてた」

 アキラは以前、道場の先輩だった泉マサトに言われた言葉を思い出していた。

「そうか。だったら今度道場に行ってみよう。アキラ、久しぶりに稽古しよう」

「そうだね。師範にも顔を出さなかったこと謝らなきゃ」

 その会話を興味深そうに聞いていたテシオンが言う。

「なぁ、その道場あたしも行っていいか? アキラやカーくんがどういう稽古をやっているか興味あるんだよ」

 テシオンに続くようにタカオも言葉を繋ぐ。

「俺もいいかな? 上條がどういうことをやってあんなに強くなったか、純粋に興味あるわ」

 久仁子も「道着姿の上條さんが見たいです」と笑顔で続く。タモツやチエリ、カノン、クララ、アヤメも「見てみたい」という。5人組も「兄貴の強さの秘密がわかるかも」と興味津々だ。

「父さん、大人数で押しかけて大丈夫かな?」

「竹原はそういう細かいことを気にするタイプじゃないから大丈夫だろう」

 みんなを連れて道場に行くことが決まったが、アキラにはひとつ懸念があった。当然テシオンのことだ。唐揚げをテーブルに持っていく際にテシオンに耳打ちをする。

「テシオン、くれぐれも本気は見せちゃダメだからね。テシオンの本気に太刀打ちできる人間なんていないんだから」

「当たり前だろう。今回は敵をぶっ飛ばしにいくわけじゃないんだから。アキラとカーくんの勇姿を見にいくだけだ」

「本当に頼むよ。師範や父さんも強いけど、金属バットを真っ二つにする蹴りなんて貰ったら死んじゃうから」

 心配するなと笑っているテシオンだったが、アキラの心配は嫌な方向で的中することになるのであった。

テシオンは道場でどのようなことをやらかすのか?

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