カノンとクララはライバル?
土日は更新しませんでしたが、それでも見にきてくださった方がいました。本当にありがとうございます。
上條家からの帰り道、奇跡たちはアキラについて話していた。カノンとクララは素朴に疑問だった。カノンが言う。
「ねぇ、ミラ。アキラくんって北東高校に通っているんだよね?」
「え! アキラくん北東なの? そりゃ勉強できるわけだ」
クララが納得した表情でうなずく。
「そうだよ。しかもアキラっち、いつも学年で10番以内の成績なんだって」
クララが「すごい」と感心している。
「それで思ったんだけど、アキラくんは自分をぼっちだったと言ってたじゃない? あれだけ優しくて成績も良いのにぼっちって、その高校おかしくない?」
「それ、私も思った」
カノンの言葉にクララも同意する。
「そうなんだよねぇ。別に無視されてるとかイジメに遭っているというわけではないみたいだけど」
奇跡もそのことについては不思議だった。確かにアキラの生活だと、放課後遊びに行くのは難しい。しかしだからといって、それだけで友人がいないというのもおかしな話だ。友達すべてが放課後に遊びに行くわけではないのだから。
「タカに訊いたことがあるんだけど、中学時代からそうだったみたい。まぁタカは学校に行かずにロクでもないことをやっていた時期が長かったから、アキラっちの学校生活をたくさん見ていたわけではないと思うけど」
奇跡の言葉にカノンは「みんな見る目がないんだねぇ」とため息をついている。すると唐突にクララがこんなことを言い出した。
「アキラくんいいよね。彼女いるのかな?」
この言葉にすかさずカノンが反応する。
「まさかクララ、アキラくんを狙ってるの?」
「え! だってよくない? 優しいし家事も料理も勉強もできるじゃん。しかも髪型でわかりづらいけど、そうとうイケメンだったよ。勉強教えてもらっているとき、近くに顔がきてドキドキしたもん。学校でぼっちということは北東高校にはライバルはいないということでしょう。狙い目じゃん」
クララの言葉に奇跡は頭が痛かった。「ヤバイなぁ。アキラっちがイケメンだと気づかれちゃったか。これタカじゃなくて、私が久仁子ちゃんに殺されるんじゃなかろうか」。
さらに奇跡の悩みを加速させるようにカノンが言う。
「私だってアキラくんいいなと思ったよ。こんな人が彼氏だったら最高だなって」
「え〜。じゃあ正々堂々と勝負しようよ」
「いいよ。クララには負けないからね」
「私だってカノンには負けないもん!」
これは困ったことになったと奇跡が思い悩んでいると2人が不可侵条約を口にしてきた。
「ミラ、どっちにも味方したらダメだからね。これは私とクララの勝負だから」
「そうだよ。カノンと私の女と女、真っ向勝負だから」
伝えるかを悩んだが、奇跡は久仁子のことを2人に話すことにした。「じつはね……」と久仁子がアキラを好きになったキッカケから、アキラに一途で告白を断り続けていることを話すとカノンとクララが絶望的な顔になった。
「久仁子ちゃんかぁ。あれはダメだ。勝てる気がしない。可愛すぎるでしょう」
そうカノンが言うと、それにクララも同調する。
「いやさすがにあれは反則だって。アイドルなみに可愛いじゃん」
しばらく何かを考えていたようだが、クララは「それでも」と前置きしながら言った。
「やっぱり私アキラくんがいい。久仁子ちゃんに勝てる気はしないけど、ワンチャンアキラくんB専かもしんないじゃん!」
カノンもクララもじゅうぶんに可愛いのだが、確かに久仁子のほうが男子からの人気は高いだろう。「B専ってクララ、可愛いじゃん」と奇跡は言ったが、「気遣わなくていいから」と返された。続けてカノンも言う。
「うん、あれだけいい男そうそういないもんね。私も最初から負けを認めるのはイヤ。頑張る」
いやそこは諦めろよと言いたくなる奇跡だったが、カノンとクララは大切な友人なので応援したいという気持ちもある。
「とりあえず帰ったらタカに相談するしかないな。でもなぁ」と奇跡の苦悩はさらに深くなるのであった。
アキラ、モテ期が到来です。
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