表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔が来たりてお母さん?  作者: ももらら
ぼっち高校生アキラ
27/128

知らなければ仕方ないよね?

まぁテシオンですから……。

「うわぁ」

「こりゃまた……」

「アイ姐、なにがあったの?」

 上條家にお邪魔した奇跡とその友人たち(手嶋カノン、外川クララ)は絶句した。それも仕方がない。リビングがグチャグチャになっていたのだ。上條家のリビングでドラゴンが荒れ狂ったのかというくらいの惨状であった。

「あたしなりにきちんと掃除して、片付けようとしたんだよ! でもどうしても上手くいかないんだ。こんな屈辱は味わったことがない」

 そうテシオンは雑用や掃除ができなくて部署をお払い箱になったことがあるくらいだから、その手のことが大の苦手なのであった。

 大方こんなことだろうと予想していたアキラは苦笑いを浮かべながらテシオンに言う。

「やり方を知らなければ仕方ないよ。僕がやるから、そのやり方を見てて。少しずつ覚えていけばいいんだからさ」

「ああ、アキラ様。アキラ大明神」

「変な呼び方しないの!」

 テキパキと片付けながら、テシオンに指導するアキラ。その的確な指導を見ながら、奇跡たちは話し込む。

「ミラに聞いてたけど、アキラくんって本当に家のこと何でもできるんだね」

「しかも全然怒らずに、知らないなら仕方がないなんて。ふつう言えないよ」

「めちゃくちゃ優しい」

「えへへ、だから言ったでしょう? アキラっちは私の自慢の友達だって」

 そう話しているとテシオンが恨めしそうな目で奇跡を見た。

「自慢できない友人で申し訳ございません……」

「アキラっちとは種類が違う感じだけど、アイ姐も自慢の友達だから!」

 慌てて奇跡がフォローする。そうこうするうちに片付けが終わった。

「アキラ、本当にすまない。担当まで決めたのにあたしは全然役に立ってないな」

「ううん。最初から上手くできる人のほうが少ないよ。僕も最初はどうにも片付かなくて家出しようかと思ったもの」

 そう言って明るく笑うアキラ。奇跡たちの中で自分の評価が右肩上がりになっていることには気づいていない。

「じゃあひと段落したから、みんなでおやつでも食べようか。ミラちゃんたちもごめんね、お茶も出さずに。いま用意するから待ってて」

 そう言うとアキラはキッチンに向かい、おもてなしの準備を始めた。

「アキラっち、急に来て悪いんだけど……じつは数学でわかんないところがあってさ」

 奇跡が申し訳なさそうに口を開く。お茶とお菓子を出しながらアキラは笑顔で答える。

「どれ? ああこの問題か。これわかりづらいよね。これは最初にこの部分を……」

 そうやってアキラは奇跡に問題の解き方を教えていく。その姿を見てカノンとクララは驚いていた。

「あのミラが勉強を率先してやるだなんて!」

「アキラくんの教え方、めちゃくちゃわかりやすい!」

 しばらくすると奇跡が驚きの声をあげた。

「こうするのか! わかった。すげえ、私にすらわかるように教えられるなんて。アキラっち、本当にすごいよ」

「僕がすごいんじゃなくて、すぐに理解できるミラちゃんがすごいんだよ」

 そう話していると、クララとカノンが話しかけてきた。

「アキラくん、悪いんだけど私たちにも教えてくれないかな? どうしても解けない問題があるんだ」

「うん。僕でよければ教えるよ」

 テシオンはさっきまでの憔悴した様子から打って変わって、アキラが用意したトンガッタコーンというスナック菓子を食べながら「青春やなぁ」と温かい目で見守っている。

「マジか! 解けた」

「本当にアキラくん、教え方が上手だね」

 喜ぶクララとカノン。「私の親友だからね」と胸を張る奇跡。

 それから1時間ほどして奇跡たちが帰る時間を迎えた。

「アキラっち、ありがとう。助かった。じゃあ金曜日にね」

奇跡がお礼を伝えていると、クララとカノンがアキラにお願いがあるという。

「アキラくん、私たちとも友達になってよ!」

「え! 僕と友達になってくれるの?」

「いいじゃん、いいじゃん。アキラっち。この子たちめっちゃ良い子たちだよ」

 奇跡も後押しする。結果、連絡先を交換して、金曜日の勉強会には毎回ではなくともクララとカノンも参加することとなった。

「どうしようテシオン。僕、友達増えちゃった」

「よかったじゃん。いままでがおかしかったんだよ。アキラほど優しい人間に友達がいないなんて変な話なんだから」

「父さんに教えたらビックリして倒れちゃうかな」

「めちゃくちゃ喜ぶから、絶対に教えてあげな」

 そう笑顔で話すテシオンだったが、最後にこう付け加えた。

「しかし、アキラ。あの子たちが家に来たのは、このテシオンのおかげだということは肝に命じておきなさい。あたしが片付け上手だったら、こういう事態は訪れなかった。あたしを崇めなさい」

「え〜」

「お礼はそうだな……。明日の晩御飯はメンチカツにすること!」

「また揚げ物……。もう! さすがに太るよ!」

 そう言いながらも、美味しく作るねと付け加えるアキラを嬉しそうにテシオンは見ていた。

新たな友人が増えたアキラ。女子が多いので男子とも仲良くなりたいですね。

ご意見、ご感想など頂戴できると励みになります。よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ